第256話 Yさんの相談?

弁当を食べ終えて、俺はYさんに体を向ける


俺「それで、相談ってなにかな?」


Y「うん。ホントはね……体育祭当日まで言わないつもりだったんだけどね……」

もしかして、俺と一緒にいるのがイヤになった!?

俺、何か嫌われるような事したかな……


Y「私、好きな人がいたんだ……」

好きな人……?


Y「その人は、私の幼馴染みだったんだよ……」

幼馴染みが好きなのかぁ

じゃあ何で俺なんかに声かけたんだ?

その幼馴染みにコクればいいじゃん


Y「ねぇ、A君ってさ。忘れられない相手っている?」

忘れられない相手……?

それって恋愛に於いて、だよね?

家族とか以外で……南城さんや堀北さんなんかは、忘れたくても忘れられそうにないけど……


Y「私、彼のことが未だに忘れられないんだよね……」

まぁ、そういう事もあるよね


Y「もう、届かないって分かってるんだけど……それでも、彼の事を忘れたくないの……」

そんだけ想いが強かったんだな……

でも、届かないってどういう事だ?

その“彼”に彼女でもいるのかな?


Y「A君は、この気持ちどう思う?忘れた方がいいのかな?」

ん?


俺「どうって、そのままでいいんじゃないかな?」

何で忘れた方がいいなんて言うんだ?


Y「え……いいの?」

むしろ何でダメなの?


俺「だって、Yさんは忘れたくないんでしょ?なら、大事にした方がいいと思うよ」


Y「A君って、変だね」

変って……


俺「そうかな?」


Y「そうだよ。A君の彼女にしてって私が言ったのに……」

あ~、なるほど

確かに、変かもな


俺「でも、Yさんの大事なものなんだから俺がどうこう言うのは違うよ。Yさん自身がどうするか決めないと」

失恋したって、死にはしないんだし


Y「そっか。うん……もう少し、自分で考えてみるね」

それがいいと思うよ


俺「いきなり相談って言うから、何事かと思ったよ」


Y「ごめんね」

いいよ、別に

そんな事よりさ


俺「あのさ、Yさん」


Y「なに?」


俺「なんで俺に告白したの?」


Y「え?」

今の話が本当なら、Yさんには俺以外の想い人がいるってことだろ?

そんな気持ちを抱えたまま、俺に告白するなんて変だよね


俺「本当は俺のこと、好きじゃないんじゃないの?」

何か、他の目的があって俺に近付いたんじゃないかな


Y「私は……A君の事が好きだよ」

今は、言えないってことかな


俺「そっか」

まぁ、もう少し仲良くなれれば話してくれるだろ

それまでゆっくり待つとしよう




昼休みが終わり



午後の授業も終わり



放課後になる



応援団ミーティングへ向かう前

BとDに呼び止められた


B「なぁ」


俺「なんだ?」

応援団の集まりがあるから遊べないぞ?


D「南城さんと堀北さんがさ、伝言頼んできたんだよ」

伝言?


俺「俺に?」

頷く二人の友人


B「お前以外に誰がいるんだよ……ったく」

そんな不機嫌にならんでも……


俺「それで、二人からの伝言は?」


D「……Yさんには気を付けて。だってさ」

気を付けて、か……


俺「どういう意味だ?」


B「知るかよ。それじゃ伝えたからな」


二人はそのまま昇降口へ向かって行った


なんなんだよ……


釈然としないまま、俺は応援団の集まる教室へ向かった

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