第254話 妹の忠告
カラオケで1時間の特訓を終えて、帰宅する
俺「ただいまー」
妹「あ、おにぃ!やっと帰ってきた!」
なんだ?
何か用でもあったのか?
俺「どーした?」
疲れてるから手短に頼むぞ
妹「どーした?じゃないよ!何してたの!?」
何って……
俺「カラオケで特訓してきたんだよ」
もう、いいだろ?
妹「カラオケって、またあの人?」
あの人って、ちゃんと自己紹介してただろ?
俺「ああ、Yさんとだぞ」
覚えておけよ
妹「Yさん……、友達なんだよね?」
俺「そうだぞ」
それがどうしたんだ?
妹「あの人、なんか気を付けた方がいいと思う……」
気を付けた方がいいって、何に?
俺「なんかって何だ?」
もしかして、Yさんに何か危険が迫ってるとか?
妹「もう!おにぃも少しは自分で考えなよ!」
何でキレたの!?
妹「さっさとお風呂入っちゃってよね!」
それだけ言って、階段を駆け上がっていく
なんだったんだ?
俺「はぁ……疲れた……」
飯……の前に風呂入るか……
キッチンで夕飯の支度をしてる母さんに一声かけて風呂に入る
さっと体を洗って湯舟に浸かる
俺「ふぅ~~~~~……」
極楽、極楽……
明日も応援団ミーティングあるんだよなぁ
時間も無いから、焦るのも分かるんだけど……もっと余裕欲しいよなぁ
肩まで浸かり、十分温まったしそろそろ出るか
風呂から上がり、部屋着でリビングへ行く
母「そろそろ、ご飯できるからね」
うん……歌ってただけなんだけど、凄い腹減ってるんだよね
俺「ありがとー」
椅子に座ってテーブルに突っ伏す
母「どうしたの?……邪魔よ」
邪魔って酷くない!?
俺「体育祭で応援団やる事になってさ……その練習で何か疲れちゃって」
母「アンタが、応援団!?どういう心境の変化よ!?」
心境の変化とかないから!
立候補じゃないから!!
俺「ジャンケンで負けたんだよ」
じゃなきゃやってないよ!
母「あら、そうなの?それなら仕方ないわねぇ」
そう、仕方ないんだよ……
俺「夕飯は……?」
何でもいいから早く食べたいな……
母「もう出来るから、妹呼んできてちょうだい」
えぇ……疲れてるって言ったじゃん
俺「俺が行くの?」
やだなぁ
母「ほら、早く行く!じゃないと夕飯にならないわよ!」
はぁ~……
のろのろと椅子から立ち上がる
階段を上がり妹の部屋の前で声をかける
俺「おーい。飯だぞー」
され、声かけたし戻るか……
視線をドアから逸らした瞬間、バン!と勢いよくドアが開く
目の前に居た俺はドアにぶつかられて、反対の壁へドン!と弾かれる
痛い……
疲れてるから、感覚が鈍いなぁ……
妹「あれ、おにぃ…何してんの?」
何してんのって、お前のせいだよ!!
俺「お前が勢いよく開けたせいだろうが……」
壁にぶつけた肘が痺れるように痛い
妹「あ、ごめん?」
気付いてなかったのか……?
いや、そんな訳ないだろ!?
俺「全く誠意が感じられないな」
妹「ごめんってば、そんな事より夕飯できたんでしょ?早く食べ行こ」
俺「謝る気ゼロかよ……」
もしかして、反抗期的な何かかな?
だとしたらそれは父さんにやってくれよ……
妹にぞんざいな扱いを受けるのって父親の役目だろ……?
俺の事なんて気にも留めずスタスタと階段を下りて行った
のんびりと俺も階段を下りて、リビングへ向かった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます