第249話 Yさんと寄り道
団長「それじゃ、この2曲のどっちかで行きましょう。Yさんはどっちが良いかしら?」
おススメは
Y「そう、ですね……後に聞いた方が好き、かもです」
そっちもいいけどね!
団長「そうよね!私もよ。それじゃ後に聞いた方で決定でいいわね?曲のタイトルとかメモらせてね」
俺「あ、ハイ……」
団長「それじゃ……もう今日は解散でいいわ。二人ともお疲れ様。また明日ね」
え……?
俺「明日?」
また集まるの?
団長「担任の先生から聞いてない?ほぼ毎日やるわよ?」
聞いてねぇよ!?
俺「ほぼ、毎日……?」
団長「そうよ?体育祭まで時間も少ないし、練習はハードになるわよ!」
聞いてねぇーーーーーー!!!!
俺「今から辞退ってのは」
団長「却下!できるわけないでしょ!?それじゃ、明日には振り付けとか考えておくから」
振り付け!?
Y「団長さんって振り付けとかできるんですか?」
団長「ええ、私ダンス部よ。それくらい楽勝よ」
なら、やっぱり自分で踊れよ!!
Y「そ、そうだったんですね……」
団長「それじゃ、また明日ね。バイバイ!」
颯爽と教室を出ていく、その身のこなしはダンスしてるだけあって軽やかだった
Y「……それじゃ私たちも帰ろ」
俺「うん……」
なんだか、大変なことになってきたな……
てか、さっきの2曲とも女性ヴォーカルなんだけど……?
俺、もしかして歌うの?
そんな酷なこと言わないよ、ね?
でも
明日、不安だ……
帰りの途中
Y「A君、この後時間ある?」
まぁ、帰ってアニメ観るだけだし
時間はあるけど……
俺「なんで?」
今まで、寄り道なんて一回もしなかったよね?
Y「えっと、カラオケ行きたいなって……さっきの曲、少し練習したいし」
あ~、なるほど
さてはYさんって……バカ真面目だな?
俺「おっけー、カラオケ行こっか」
真面目なのはいい事だよね!
べ、別に女子と二人でカラオケに行ってみたいとか?
……そんな邪な思いからじゃないよ?
Y「それじゃ、駅前のとこ行こ」
あ~、よく行くとこだな
俺「うん」
Yさんと初の寄り道で、カラオケ店へ入ると
ばったりと、本当に偶然に……妹と会った
俺「うげ……」
妹「うげ?あっ、おにぃ!?……その人誰?」
その人誰の時の声のトーンが怖い!!!
俺「えっと、この人は」
Y「初めまして、私Y。アナタはA君の妹さん?」
妹「はい。あの……お、兄さんとはどういった関係なんですか?」
Y「私は、今のところ友達よ」
妹「へぇ、そうですか。もう、兄さんってば……帰ったら事情聞かせてよね」
これ、帰ったら事情聴取されるなぁ……
絶対に面倒なことになる!
あ~、最悪だぁーー!!
妹「それじゃ、友達が待ってるので失礼します」
ペコリとお辞儀をしてスタスタと店の奥へ行く
Y「妹さん、可愛いわね」
あはは……
俺「ソーカナぁ」
妹と遭遇というハプニングを乗り越えて、カウンターで受付を済ませて指定された部屋へ向かう
部屋について、Yさんがマイクを持ち、俺に向ける
俺「え?」
何?どういうこと?
Y「とりあえず歌ってみてくれる?」
ま、まじで?
俺「なんで?」
Y「聞きたいから……ダメかな?」
…………ダメじゃないです!
俺「それじゃ、曲入れるね」
端末を操作して、曲を選んで送信する
さて、この曲歌うの久しぶりだけど大丈夫かなぁ
~~~~~~~♪
ふぅ……なんとか歌えたな……
Y「う~ん……A君の歌声もいいんだけど、やっぱ高い音は……」
そりゃね!?
俺、男ですから!?
Y「うん。次は私歌ってみるね」
そう言って、同じ曲を送信しマイクを握る
~~~~~~~♪
うん……俺が歌うよりYさんが歌った方がいいな……わかってたけど
俺、口パクとかで対応した方がいいんじゃないかな?
Y「どうだった?」
俺「よかったよ。1、2回聞いただけであんなに歌えるなんてすごいよ」
ほんとビックリだよ
Y「そ、そうかな……ありがと」
でも、Yさんが凄くても俺がなぁ……
完全に足引っ張ってるよな
Y「それじゃ、次は一緒に歌お!」
一緒にかぁ……
俺「パートはどうする?」
分ける?分けない?
Y「私としては、ダイヤマークの方が歌いやすいんだけど」
分けるのね……
俺「それじゃ俺はハートの方歌うよ」
そして、再度同じ曲を送信する
~~~~~~~~~♪
歌い終わってみて、二人とも顔を見合わせる
言いたい事は同じだろう……
俺の声が曲に合ってないんだ
俺「いっそのこと、口パクってのは」
Y「それは、ダメ。そんな事より、もう1回練習しよ」
練習してどうこうなるもんでもない気がするんだけどな……
俺「う、うん」
まぁ、ある程度したら諦めてくれるだろ……
それまでは付き合いますかね
それから1時間、殆ど休まず同じ曲を連続で歌い続けることになった……
Yさん!?
いい加減、諦めようよ!?
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