第248話 曲決め
団長「それじゃ、雑用係とバックダンサー決めていくわよー!」
いつも通り、俺を置いて話しが進んでいくなぁ……
「それじゃ、俺たちバックダンサーやりまーす!」
野太い声の男達が一斉に手を上げる
「俺たち、細かい事とかできねぇからな!」
「まぁ、踊れるかどうかも分かんねぇけどな!」
「だな!はははっ!」
団長「それじゃ、残りの人は雑用手伝ってね!みんな、今年の体育祭を盛り上げるわよ!!」
「おーーーーー!!」
はぁ……
Yさんは何考えてるか分かんないし、男女ペアでアイドル的なステージなんてどうすりゃいいんだよ……
団長「それじゃ、曲とか決めていきたいんだけど……なにか案ある~?」
ざっくりしてるなぁ……
そして安定の無反応
団長「しょうがないわね。私とA君とYさんで決めましょう」
はぁ!?
団長「他の人たちは、ステージを盛り上げる案を考えておいてね!解散!」
解散!?
団長「A君、Yさんこっち来てー」
俺たちは居残り!?
Y「行こ」
はぁ……
俺「うん」
なんでこうなるのかなぁ
団長の元へ行き、三人で顔を突き合わせる
団長「それじゃ、曲決めしましょう。Yさん、立候補だし何か良い感じの曲って知らない?」
Y「すいません、知りません。だから彼に決めてもらいたいなって」
なんで俺!?
団長「それじゃA君、良い感じの曲よろしく!」
知るか!!
俺「俺だってアイドル系の曲なんて全然知りませんよ!?」
Y「え?そうなの?」
俺「オタクだからってアイドルに詳しい訳じゃないんだよ!?」
これだから
Y「それじゃ、何が好きなの?」
俺「主に2次元。アニメ、マンガ、ラノベ、ゲームとかだよ」
団長「A君、ちょっといいかしら?」
俺「な、なんですか?」
団長「アニメとかゲームでアイドルっぽい曲、ない?」
アイドルっぽい、ねぇ
俺「あるにはある、んですけど。男女2人でやる曲は知りませんね」
そもそも2次元でもアイドルは詳しくないんだよ……
アイドルの部活とか、アイドルの育成ゲーとか名前は知ってるけど
内容も曲も全然知らないし……
団長「そう……できれば今日中に決めちゃいたいのよね……」
そんな急に言われても、困るっての!
Y「う~ん……それじゃ、私のスマホに入ってる曲とか聞いてみますか?参考になるかもしれないですし」
おお、その手があったか!
これでYさんの知ってる曲で決まれば、もう帰れるんだよね?
よっし!終わった!……と思ったんだけどな……
イヤホンで曲を聞いては首を振る団長
あっと言う間に入ってる全曲を聞いて、その全てに首を横に振った
団長「残念だけど、ステージで使えそうな曲は無さそうね……」
ダメかぁー……
Y「そうですか……A君は、何か曲入ってないの?」
俺!?
だーかーらっ!
俺「基本的にアニソンしか入ってないよ」
だから時間の無駄だよ
団長「聞かせて」
アニソンって言葉知らないの?
俺「え……」
いやだな
Y「私も聞きたいな。お願い!」
えぇ、Yさんもかぁ……
…………はぁ~
しょうがないなぁ
俺「分かりましたよ……」
再生アプリで入ってる曲一覧を表示、通常再生っと
二人が聞きたいと言うから、イヤホンは無し
よって本体から直接音が出る
先生に見つかったら怒られないか心配だな……
~~~~~♪
団長さんが途中で首を横に振る
次の曲へ
またも首を横に振る
次の曲へ
それを繰り返すこと15回、もう半分以上が終わった
さて、どうするんだか
そして慣れた手付きでタップして次の曲を流す
すると、ピタっと団長の動きが止まった?
えっと、この曲は……あ~、ある意味アイドルソング的な感じか
歌とロボットがテーマのアニメのやつでタイトルは『三角』だったかな
俺の中ではアイドル曲ではないんだけど……アニメ知らない人からしたらそう聞こえるのか?
そして、真剣に聞き入ってる間に自動で次の曲が始まる
次は……『獅子』だったかな
この曲も集中して聞いて、スキップはなし
この2曲はまるまる聞いて、団長が頷いた
団長「これ、いいわね!Yさんはどう思う?」
Y「はい。いいと思います!」
そうですかー
もう、どうなっても知らねぇからなー?
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