第247話 応援団ミーティング2

団長「さて、それじゃ早速だけど色々決めて行くわよー!」

テンション高いなぁ……


Y(ねぇ、なんかあの人スゴイね)

俺(うん。あんまり関わりたくないタイプかなぁ)

Y(そうなの?なんか南城さんに似てる気がするけど)

俺(あ~、うん。知り合ったばっかの頃はあんな感じだったな)

懐かしいなぁ……最近は落ち着きを手に入れてきたからな


団長「まずは、裏方役ね!私のサポートと皆の手伝いと、主に雑用係ね!やりたい人ー!」

それ、やりたい人いる!?


団長「あれ~?いないの~?しょうがないなぁ~。それじゃ他から決めて行こっか!えーっと、次は……バックダンサーやりたい人いるー?」

バックダンサーって何!?

応援団にそんな役ある!?


団長「ん~、みんなもっとやる気出してー!!」

やる気以前に、説明してほしいんじゃないかなぁ


男子「あの……」

身体が細くて、背の高い男子が声を上げた

バックダンサーの立候補か


団長「やっと、立候補!?」


男子「あ、いえ、まずは説明お願いしてもいいですか?応援団ってどんな事するんですか?」

おお、まさかちゃんと質問する奴がいるとは……

会ってすぐにわかったけど、この団長さんは人の話しを絶対に聞かないタイプだし

自分が分かってる事は皆分かってるって思ってるタイプだな……

だから、説明を求めてもまともな答えが返ってくる保障はない!


と、俺は思ってたんだけど……


団長「あれ、言ってなかった?」

言ってねーよ


団長「ごめんなさい。ちょっと張り切り過ぎちゃったわ!」

張り切り過ぎってレベルか……?


団長「えーっと、応援団は今年から新しく始まったのね。紅組白組それぞれ、持ち時間の間にステージを披露して審査員が点数を付けるの」

へぇ、そうなんだ……

チラホラと、集まった人達が同じく『そうなのか』と声を漏らす

全く説明されてないのに、なんであたかも知ってる前提で始まったんだろうな


団長「あれ?みんな知らなかった?」

知ってるのは、多分参加者の1割もいないんじゃないかなぁ


団長「それで、ステージの内容なんだけど。テーマが用意されてるのね。そのテーマに沿って何かをするの」

テーマがあるのかぁ……


団長「ちなみに、今年のテーマはアイドルよ」

アイドル……なるほど……それでバックダンサーね

そういう内容なら、裏方の方が楽そうだな……


団長「大まかな説明は以上よ。質問はある?」

大体の内容は把握した事で、皆黙っている


男子「それじゃ、一ついいですか?」


団長「あら、何かしら?」


男子「アイドルって、この中の誰かがメインでやるんですよね?」


団長「そうね。あ、私は出来ないわよ?応援団をまとめる役だからね」

え?団長なのに?

ステージの上とか好きそうなのになぁ……


男子「先ずは、誰がメインをやるか決めた方がいいと思うんですけど……」

あ~、なるほど、確かにな

先ずはメインを決めて、その人に合わせた内容で色々決めた方が早そうだな


団長「なるほどね!それじゃメインのアイドル役決めちゃいましょ!はーい、やりたい人手上げてー!!」

シーーーーーン……

誰も反応しないし、下やら上やら横を向いて団長さんの方を見ようとしない


まぁ、そうだろうな

かく言う俺も視線を全力で逸らしてるし


団長「どうして誰もやりたがらないのー!?」

どっちかって言うと、そんなのやりたがる人の方が珍しいんじゃないかな?


団長「困ったわね、このままじゃ何も決まらないじゃない……」

焦りを隠さない団長さんは、多分裏表のない人なんだろうな

つまり、全力で焦っている……と


Y「あの、それじゃ私やってもいいですよ」

なんと……Yさんが立候補した!?

え?マジで?


団長「ありがとー!助かるわ!!」

やっと立候補者が現れて、他の人達も安堵で一息吐く


Y「えっと、メインって1人ですか?」


団長「え?う~ん、1人か……2人かな・あんまり大人数だと裏方が足りなくなるからね」

そりゃそうだな


Y「あ、じゃあ一緒にやりたい人いるんですけど良いですか?」

は……?

まさか……


団長「誰?一応、応援団に所属してないとダメなんだけど」


Y「それは大丈夫です。彼と一緒にやりたいんですけど、いいですか?」

よくないでーーーーーす!!!

ってか、いつもはA君って呼ぶのに何で今は“彼”って言ったの!?


団長「そう、いいわね!!それじゃメインはYさんとA君で決定ね!」

ねぇ、俺の意見はーーー!?


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