第246話 応援団ミーティング1
体育祭、応援団員に決まった次の週の放課後
応援団の集まりがあるというので、とある教室に行くことになった
今日はYさんも都合が悪く、一緒に帰れないと言っていたし他のトコでも集まりはあるんだろうな
集合場所の教室には、既に数人の生徒が集まっていた
緊張しつつ、入室する
俺「失礼しまーす」
「紅組応援団へようこそ!」
唐突に話しかけてきたのは、女子生徒で多分3年だ
俺「あ、はい」
テンション高い人って、慣れないなぁ
「私、紅組の団長を任されてるの!だから私のことは団長って呼んでね!」
団長さんかぁ
これで傍若無人だったら……まんま某ラノベのキャラだなぁ
団長「君、何年生?」
俺「2年です。Aって言います」
団長「2年のA君ね……おっけ、名簿にあったわ。それじゃテキトーな席に座って待ってて、みんな揃ったら始めるから」
応援団って何人くらい居るのかなぁ
俺「はい」
テキトーに目立たなそうな端っこの席へ着席する
あまり暑苦しい人とか、いないといいなぁ
ボーっと始まるのを待つと、また団長さんが誰かを出迎えているのが視界の端に見えた
団長が出迎えたのは女子だな……
そういえば、男女の比率とかどうなってるんだろ?
俺は男女関係無く1人残った感じだったからなぁ
団長「紅組応援団へようこそ!!」
団長「私はこの応援団の団長よ!あなたは?」
「はい。2年のYです。よろしくお願いします」
2年の……Yさん……?
ってもしかして⁉
慌てて団長と話しをしている女子を確認する
すると小さく手を振るYさんがいた……!?
な、なんでここにYさんが!?
挨拶を終えて、Yさんが俺の隣の席にくる
Y「びっくりした?」
当たり前だろ!?
俺「うん。Yさんも応援団だったんだ」
そんな事少しも話してくれなかったよね?
Y「うん。驚かせようと思ってね」
大成功だよ!
俺「うん。メチャクチャ驚いた」
Y「ふふ、実はね。A君が応援団になったのを聞いて、私も立候補したの」
そこまでする!?
俺「なんで……」
Y「A君と一緒にいる時間を増やすためだよ」
なっ……
そんな風に言われたら、何も言えないじゃんか
俺「そっか」
なんか照れくさいな……
Y「それにしても、意外だったなぁ。A君が応援団するって聞いた時は」
その時説明しただろ?
俺「ジャンケンで負けたんだって、説明したよね?」
Y「そうだけど、全然抵抗してないみたいだし」
抵抗って、したって無駄だろ……
俺「抗議したってさ…どうせ、決定したんだからって押し通されてお仕舞いだよ」
Y「諦めが早いんだね」
いや、諦められない事は妥協しないけどな
俺「今回ばかりはなぁ……」
諦めるしかなさそうだったんだよ
南城さんのあの嬉しそうな顔見ちゃったらさ……
Y「ふ~ん。そっか」
Yさんという知り合いが居てくれたお蔭で、待ち時間は気楽に過ごすことができた
団長「は~い、注目!団員が揃ったから第1回ミーティング始めるわよー!!」
「「「おおーーーーーー!!!!」」」
野太い声援が教室に響く
声の主は、いかにもなマッチョ体系の男たちだ
筋肉隆々という言葉が相応しい肉体をお持ちの、野郎ども
こういう暑苦しい感じの奴、苦手なんだよなぁ……
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