第243話 ぼっちで登校

翌日、本当に久しぶりに一人で登校した

朝の内に南城さん達から一緒に登校するのは止めると連絡が入っていたけど……

なんて言うか、返って新鮮な気持ちだな


気楽に登校できるのって、いつ振りだろ……


学校に着くと、校門の所でYさんが待っていた


俺「あれ?Yさん?」

こんなトコで何してんだ?


Y「あ、やっと来たね。待ちくたびれたよ」

あれ?約束なんてしたっけ?

したとしたら、昨日の下校の時だけど……

覚えてないな


俺「ご、ごめん」


Y「それじゃ、入ろ」

くるっと回り昇降口へ向かうYさんを追って俺も付いて行く


その後も、特に話すこともなく階段を上り切って教室のある階に到着する


Y「あのさ、今日のお昼どうするの?」

昼かぁ、普段なら南城さん達と教室で食べてるけど


俺「弁当だよ。どっかで一緒に食べる?」

その時なら、色々話せそうだし


Y「うん。それじゃA君のクラス行くね」

え?

俺のとこ来んの?


俺「いや、他の場所の方が良くない?」

流石に南城さん達もいる教室で食べるのは……


Y「ううん。A君の教室で食べたいな」

拘るなぁ……


俺「なんで?」

わざわざ目立ちそうな事するんだろ……


Y「A君のこと、知りたいからだよ」

俺のことを、知りたい……?


俺「何か聞きたいことあるなら、なんでも聞いていいよ?」


Y「うん、昼休みにね。じゃ、あとでね!」

その場では何も聞かず、Yさんは自分のクラスへ向かっていった

とりあえず……昼休みは、覚悟しておいた方がいいのかな……


教室に着くと、南城さんと堀北さんが既に来ていた

挨拶しようと思ったら、何故か教室を慌てて出て行っちゃった

距離をとるって、別に挨拶くらいはしても大丈夫じゃないかな?


タイミングを逃して、釈然としないまま着席する

そんな俺のところにBとDがやってきた


B「おい、お前何したんだよ?」

何したって、また変な濡れ衣か!?


俺「何だ?何かあったか?」

噂とかが出回ってるなら訂正しないとな


D「何かあったか、ってお前マジで言ってる?」

いや、身に覚えがないんだけど?


俺「は?どういうことだよ?」


B「はぁ……南城さんと堀北さんのことだよ」

南城さんと堀北さんが、どうかしたのか?

まさか、今度のターゲットは俺じゃなくて……


俺「二人に何かあったのか?」

なら、力にならないと!


D「お前、気付いてないのか?」

何だ!?何があった!?


俺「何が」


B「お前だろ?あの二人の様子がおかしいのの原因ってさ」

はぁ!?

あ……、そういうことか!!


俺「なんだ……そのことか」

てっきり二人に何かあったのかと思ったじゃねーか!


D「やっぱり、お前か」

あ~、まぁ、俺かな?


俺「大丈夫だ、問題ない」

これは一時的な状態だからな!


B「んなわけあるか!」


俺「いや、マジで大丈夫なんだって。今は……訳があって二人とも俺と距離をとってるだけだから」

この二人にはYさんの事言えないな……


D「距離を取るって、喧嘩したとか?」

そんな怖いことできるか!!


俺「違うよ。……頃合いを見計らってお前らだけには話すから、ちょっと見守っててくれないか?」

大丈夫

きっと説明できる時はくるさ


B「ん~、まぁ……お前がそう言うなら」


D「どうせ、俺達には何もできないしな……」

とりあえず、納得はしてくれたな


俺「わりぃな」

ほんと、BとDには心配かけてばっかだな







さて、今日の昼休みは……




どうなるんだろうなぁ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る