第232話 さぁ、学校だ!

プールに行った翌日……全身筋肉痛でまともに動くこともできず

何もせず一日を過ごしてしまった


そのままズルズルと、宿題も終わっている安心感から何もせずに夏休みが終わり


待ちに待った、登校日が来た!


久しぶりにBやDに会えるな~!

何話そうかなぁ

とりあえず、一気見した今期のアニメと……チェック済みの来期のアニメだろ

あとは……そうだ!Bの奴が新レーベルの新作ラノベ買うとか言ってたから感想でも聞いてみたいな

あいつ、たまに辛口な評価するんだよなぁ

Dは、新しいゲーム買ったかな……何か面白そうな奴あったら聞いてみようかな


あ~、楽しみだなぁ!



制服に着替え、宿題を詰め込んだカバンを手にリビングへ下りる


母「あら、ずいぶんとご機嫌ね」


俺「え、分かる?久しぶりにBやDと会えるんだよ。やっとオタク話しヲタトークできる奴と会えるんだよ。嬉しいに決まってんじゃん」


母「そう。それならさっさと朝ご飯食べちゃいなさい。迎えが来ちゃうわよ」

そうだったな……

また朝から、南城さん達が来る日々が始まったんだ……

はぁ~……


俺「うん……」


母「そんなイヤがらなくてもいいじゃない」

はぁ……母さんには分からないんだよ!

あの殺意や嫉妬、理解できない物を見る目に囲まれる登校は!


ウキウキな気分から一転して、沈んだ気分になり朝ご飯を食べる

モソモソとパンを食べ終える頃、ピンポーンとチャイムが鳴る


俺「それじゃ行ってきまーす」

重たいカバンを肩にかける


母「はい、いってらっしゃい」

リビングで母さんに見送られ、俺は玄関のドアを開いた


俺が出るのを待っていたのは、南城さん、堀北さん、仁科さんの3人だった

ある意味いつも通りのメンツだ

違いがあるとすれば、南城さんがこんがり日焼けしている所かな

まぁ、俺も日焼けしちゃってるんだけど……


俺「お待たせ、それじゃ行こうか」


南城「うん!」

堀北「ええ」

仁科「行こー!」


また、この3人と登校かぁ

夏休みという一区切りがついた今……通学途中の視線は最初の頃と同じように厳しいものに戻っていた

あ~、また何ヶ月かこの冷たい視線を受けながら登校するのかぁ




3人の会話を聞きながら、時々話しに交ざりつつ学校へ到着する

3人とも、よく話題が尽きないなぁ


学校へ到着し、靴から上履きに履き替えて下駄箱に靴を入れようとすると……

な~んか見覚えのあるモノが入っていた


薄ピンク色の封筒……留めてあるシールは赤いハート……宛は俺、差出人は不明


コレはアレか?

よくある悪戯って事でいいのか?

できれば中身を読まずに捨ててしまいたいんだけど……


そんな考えが一瞬頭をよぎった時、背後からスッと手が伸びてきた!?


南城「あ、ラブレターだ!」

ちょっ!!!


堀北「へぇ、誰からかしらね」

何か早々に黒いオーラ出てませんか!?


仁科「いいな~、私ももらってみたいな」

いやいや、仁科さんは貰ったことあるでしょ!?


ってそうじゃなくて!!


俺「とりあえず、返してくれないかな?」

こうなったら中を検分して、誰が差出人か突き止めないと!


もし、本当に女子からだった場合……その子の身に危険が……


俺「俺宛みたいだし、とりあえず読んでみないと分からないけど……多分イタズラじゃないかな」

もしBかDなら1発殴るからな!!


南城「そうなの?」

え?

純粋に俺宛のラブレターが来るとでも思ってるの!?


俺「そうだよ。だって俺だよ?」

パッと見何の変哲もないただの名前無しmobだよ?

この学校には四季島太一っていう主人公イケメンがいるんだからさ

俺なんかにこんな手紙来るわけないじゃん!

あ~……なんでかな、自分で言ってて悲しくなってきた


堀北「罠じゃないと良いわね」

そんな事あるわけ……あったなぁ

そうだよ!忘れかけてたけど、あったよ!

やべぇ……不安になってきた……


仁科「もし罠だったとしたら、私たちで何とかするからね」

ニコニコの笑顔で何とかするって言ってくれる優しい仁科さんに……背筋が凍るような悪寒を感じた

コレハヤバイ!


俺「まぁ、何にしても俺宛なんだからその手紙は返してね」

南城さんから手紙をささっと奪い返しポケットに突っ込む




こんな命知らずな行為をするなんて……差出人は何を考えてるんだよ!!

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