第209話 妹と滑る

ウォータースライダーの頂上へ再び到着する


「ようこそペアスライダーへ!」

それさっきも聞いた

同じスタッフさんから同じ内容もう一回聞かなきゃいけないのか……


「このウォータースライダーは……あれ?君さっきの?」

あ、気付いた


俺「あ、はい」


「あれ?でも……え?うん?」

妹を見て、首を傾げるスタッフさん

さっきと違う人を連れてるのがそんなにおかしいか?


おかしいよな……


俺「説明お願いします」


「あ、はい!」

多分マニュアル通りなんだろう説明を妹にするスタッフさん

俺は今さっき聞いたばっかだし、聞き流す




「説明、注意事項は以上です。何かご質問はありますか?」


妹「大丈夫です」

そうだろうな

妹は、事前にこのウォータースライダーについて知ってたみたいだしな


「では、ボードへ乗ってください」


俺が前に乗り、妹が後ろから俺に抱き着く

仁科さんと比べると、弾力が少ないな


「では、行ってらっしゃーい!」

スタッフさんに送り出され、発進する

さっき体感したばっかで、特に変わり映えもないな

うねるコースを速度を上げて滑り下りて行く

そして最後の直線、視界が一気に晴れる

見えた景色は、それなりに良いものだった

仁科さんの時はそれどころじゃなかったしな


それも直ぐに見えなくなり、プールへ着水する


ボードから降りて、スタッフさんの待つ出口へ向かう


そういえばコイツ滑ってる時、一言も発してないな

仁科さんはあんなに楽しそうにしてたのに


俺「どうした?楽しくなかったのか?」


妹「ううん。楽しかったよ?」


俺「それにしては元気ないじゃんか」


妹「そんな事ないよ?」

そうか?


俺「じゃあ、どうしたんだよ」

楽しいのに黙ってるなんて、らしくないな


妹「おにぃ、私が抱き着いたのに全然気にしてなかったから……」


俺「そりゃ、お前は妹だしな」

仁科さんに比べてボリューム感が足りてない


妹「そっかぁ……ちょっとくらいドキドキしてくれるかなって思ってたのになぁ」

するわけないだろ


俺「残念だったな。さ、戻るぞ。南城さん達が戻ってくる前に行かないと」

南城さんにバレたら……また滑るはめになるだろ?

そんなのゴメンだな


プールから上がりボードを返却する


仁科さんと合流して元いた25mプールの辺りまで戻る





プールサイドに着いた、その時

ちょうど南城さんと堀北さんが戻ってくるのが見えた


よかった……間に合ったみたいだな


南城さんもコッチに気付いて手を振りながら駆け寄ってくる


南城「やっほー!」

堀北「お待たせ」


仁科「お疲れ様ー」


堀北「ずいぶんと待たせちゃったわね。救護室の人が説明に納得してくれなくて」

そりゃ大変だったなぁ


妹「お疲れ様です。これからどうしますか?」


南城「ん~、あ!そろそろ空かないかな?流れるプール!」

どうだろうなぁ

なんかずっと混んでそうなイメージがあるんだよな


仁科「行ってみる?」

まぁ、行くだけ行ってみるか


堀北「そうね」


南城「それじゃ、出発~~~!!」



俺達一行は、再度流れるプールへ向かった

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