第210話 流れるプールでただ流れるだけ

流れるプールに到着した


驚いたことに、さっきまでの混雑具合からは想像もつかない程空いていた


南城「これなら遊べそうだね!」


仁科「そうね」


皆でプールへ入り、流れに乗って移動する

蛇行しながら、ゆっくりと流れていき1周する


南城「気持ちい~」


堀北「安らぐわ」


俺「そうだね」

もうこのまま浮いた状態で寝ちゃいそうだなぁ……

俺だけじゃなくて、みんなも脱力しきってるし


皆でプカプカと浮きながらゆっくりとした時間を過ごす

でも、何でこんなに空いてたんだろうな……


俺「空いててよかったなぁ」


仁科「そうだね~」


妹「でも、何でだろうね~」


そう、なんでこんなに空いてるのか

少しだけ気になるけど、多分大した理由はないんだろうなぁ


南城「あ、もしかしたらなんだけど」

ん?

南城さん、何か知ってるの?


南城「何かアイドルの誰かが来てるって噂聞いたから、どっかでライブでもしてるんじゃないかな?」

アイドルかぁ……

それ、多分東雲さんだろうな


南城さんが背負ってる所を目撃したファンがまた騒いでそうだなぁ

後で注意しておいた方が良さそうだな……


南城「君ってアイドルとか興味あるの~?」


俺「ないね~」

全くないなぁ


南城「そうなんだ。てっきり興味あるのかと思ってたよ」

俺、そんな素振りを見せたことあったっけ?


俺「どうして?」


南城「だって、君って声優の人とかも好きでしょ?」

まぁ、人並みにはだけど好きかな


俺「まぁ、それなりには?」


南城「声優の人ってアイドル活動もしてるんでしょ?」

そうだね

所謂アイドル声優って人達だね


俺「でも、メインは声優業だからね?メインがアイドルの人とは違うんだよ?」

まぁ、アイドルになりたいって人もいるんだろうけどさ


南城「へぇ、そうなんだ」


俺「そうだよ」


南城「ふ~ん」

納得はしてくれたみたいだな


堀北「もうすぐ2周目終わるけど、3周目行く?」

流石に3周もただ浮いてるだけってのはなぁ……


仁科「それじゃ一旦上がって、おやつ食べる?」

おやつ?


妹「いいですね!」


南城「それじゃ、一旦上がろっか」


3周目には行かず、陸へ上がる


さて、何か食べるって事はまたフードコートかな


仁科「今日は、私特製のお菓子作ってきたんだ」

ほう、仁科さん特製のお菓子か

絶対美味いんだろうな


南城「そうなの!?」


仁科「美味しくできたと思うから、楽しみにしててね」


南城「やった!」


仁科「それじゃ取ってくるねー!」

一人でロッカーのある方へ行こうとする仁科さん


俺「あ、仁科さん。ちょっと待って」


仁科「どうしたの?」


俺「俺も一緒に行くよ」


仁科「え、いいの?助かるー!」

なんか一人で行かせるのは、少しだけ心配なんだよな


南城「それじゃ場所取りしておくねー!」


俺「うん」

南城さんがいれば、堀北さんも妹も安全だろう

今日は少し離れるとすぐに問題が起きるからな

単独行動は避けた方がいい


俺「それじゃ行こっか」


仁科「うん!」



俺と仁科さんはロッカーの並ぶエリアを目指して出発した

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