第197話 妹の心意?

妹「おにぃ、本当に行くの?」

何言ってんだ


俺「んな訳ないだろ」


妹「やっぱりね~。それで、何で私だけ?」

決まってるだろ


俺「お説教だ、愚妹」


妹「なんで!?」


俺「当たり前だろ!!」

驚くことないだろ?


妹「ぶーぶー!」


俺「いつからお前は豚になった!」


妹「だってだって、おにぃってば先輩達の水着ガン見してたんだもん!!」

はぁ!?


妹「先輩達の水着がそんなに良い!?千秋先輩はせセクシーだし、春香先輩はカッコいいし!だからってあんなガン見したらダメなんだよ!!」


俺「ガン見なんてしてねーよ!?変なこと言うんじゃねぇ!!」


妹「してたもん!みんな気付いてたんだよ!!おにぃが水着姿凝視してるの!!」

本当にしてないってのに……


俺「ぎょ、凝視なんてするわけないだろ⁉」

言い掛かりはよせ!!


妹「じっくり嘗め回すように見てたじゃん!!」

何だ、それ!?

キモいなっ


俺「いつ俺がそんな事した!?」


妹「真っ先に千秋先輩見てたじゃん!おっぱいとか!」

いや、視界には入ってたけど見たくて見てたんじゃないっての!!


妹「私の事は全然見てくれないくせに、豊先輩の水着はばっちり見てたし!!」

そりゃ、妹の水着姿ガン見してる方が問題だろ!?

それに、視線を動かせば自然と視界に入るんだって!!


妹「春香先輩の事なんてお腹から胸にかけて見てたじゃん!!」

そこに模様が入ってたからな!?

それを目で追ってただけだ!!


俺「どれもただの言いがかりじゃねーか……」

確かに南城さんに胸には目が行ったのは、認めなくはないけどな


それでもがガン見だとか凝視だって言われる程見てはいないからな?


俺「はぁ……視界に入った程度で変態扱いするなら、一緒に来る意味ないだろ」

そんなに俺の視界がイヤならさ


妹「そうじゃないの!もう!!おにぃ!!?」


俺「な、なんだよ」


妹「何で私のことは見てくれないの!?先輩達ばっかずるいよ!!」

見られたいのか……?


俺「お前、いつからそんな……露出好きになったんだよ。兄としてマジで不安しかないぞ」


妹「ろ、露出!?違うよ!!私はおにぃに見てほしいの!!」


俺「水着姿を、だろ……?」

それって、変態みたいじゃなくないか?


妹「違うの!!いつも見ててほしいの!!私だけを見ててほしいの!!」

いや、それは無理だろ……?


俺「そんな四六時中お前を監視なんてしたくないっての」


妹「監視とかじゃなくてっ!!もう!!なんで分かってくれないの!?」

それを分かったらダメなんだよ、兄としてな

妹をそういう対象としてみたら、それはもう兄ではないんだ

俺はお前の兄でいたい、それだけなんだよ


俺「さて、どうしてあんな発言したのかは分かった。分かったが、二度とあんな事言うなよ?お前が南城さん達を煽るような事言うなら、帰るからな?」

こっちは気分よく遊びたいんだよ

残り僅かな貴重な夏休みを無駄にしたくないんだ


妹「むぅ~……だって、おにぃが」


俺「帰るか」

更衣室の方へ歩きだす

そんなに不和を招きたいなら勝手にやってくれ

俺を巻き込むな


妹「わかった!わかったから帰らないで!!」

はぁ

何で素直にいう事聞けないのかなぁ

ずっとこんな調子だと、この先不安だなぁ


俺「はぁ~、それじゃそろそろ戻るか」

いつまでも仁科さんに任せっきりじゃ可哀想だしな


妹「うん」

トボトボを俺の後ろをついてくる妹と一緒に南城さん達の方へも戻る


さて、妹の言ったことで

一つだけ気になったことがある

戻るまでに、何か言い訳を考えておかないとな……


俺の視線の動きに、みんなが過剰に反応してるとしたら

妹が言ったように“ガン見してる”なんて思われていた場合、どうやって誤解を解こうかな……


思案しながら戻ると、そこには予想しておくべき問題が発生していた……


三人の水着美少女が集まっていれば……そりゃナンパ野郎の一人や二人来ているよな

まぁ、それくらいは予想してはいたよ

俺が何かする前に、堀北さんや南城さんに撃退されてるだろうと思ってたから

何も心配してなかったんだけど……


まさかなぁ……






2、30人の男たちが集まってるとは思わないじゃん!?

何がどうなって、ああなったの!?

俺と妹がいない間に何があったの!?

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