第195話 プールのレジャー施設へ

待ち合わせ場所に到着すると、既に3人が来ているのが分かった


名前持ち美少女である3人がいる場所はポッカリと空いているから、遠くからでもすぐに見つける事ができる


まだ待ち合わせ時間の5分前だ

遅刻してはいないのに、何故か遅れた罪悪感がある……

俺が謎の罪悪感で立ち止まっていると


妹「どうしたの?」

と聞いてくる


俺「いや、なんでもない」

行くか


人混みを抜け、南城さん達と合流する


南城「やっと来たね!」

かなり待たせちゃったのかな?


俺「待ち合わせ時間には間に合ってるよね?」

時間通りだと思うんだけど


堀北「ええ、そうね。千秋ったら早く来すぎなのよ」

もしかして一番最初に来たのが南城さんなのかな


妹「どのくらい早く来たんですか?」


南城「えーっと、30分くらい?」

早っ!?


妹「早すぎですよ!」


南城「楽しみだったからね!」

何故かドヤ顔をする南城さん


俺「いや、いくら楽しみだからって……熱中症になったらどうすんの?」

最悪、病院行きだよ?


南城「大丈夫だよ!ちゃんと対策はしてきたからね!」

対策……?

帽子も被ってないのに、何の対策をしたんだ?


堀北「言っとくけど、睡眠だけじゃ対策にはならないわよ?」

そりゃ、当たり前だろ

さすがに南城でもそれくらいは


南城「えぇっ!?そうなの!?」

分かってなかったかぁ……

まぁ、見た感じ元気だし大丈夫だろうけど


二科「確かに睡眠だけじゃダメよね。ちゃんとご飯も食べないと!」

そういう問題か?


堀北「確かに、睡眠も食事も大事よ。でもね、帽子とか水分補給とかしないと意味ないわよ」

そう言う堀北さんは、ツバの広い帽子を被り薄手の上着を羽織るという念の入れようだった


俺「まぁ、無意味でもないと思うけど……注意した方がいいよ?」


南城「うん!これからは気を付けるね」

そうしてくれ

南城さんが倒れたりしたら、また大騒ぎになるからな


仁科「ねぇねぇ!早く中入ろうよ!」

いつの間にかプールのレジャー施設の入り口に到着していた


仁科「う~ん!プール楽しみー!!」

はしゃいでるなぁ

そういえば、発案は仁科さんだっけか

南城さんの方が目立ってて忘れてた


南城「楽しみだね!!」


夏休みも、もう残すところあと数日だ


そう数日後には学校が始まる


9月は色々忙しくなりそうだ

定期テストや10月にある学園祭の準備とイベントが目白押しだ


学園祭は何かするにしても、絶対に裏方がし気が楽だな

女子は南城さんと堀北さん、男子は四季島がいる

3人がメインになるから、その為の裏方作業が俺達名前無しの役割だ


今年は何するのかなぁ

1年の頃は食べ物関係は禁止だったけど、2年は喫茶店とかできるらしいし

もし喫茶店だったら、調理担当になろうかな

呼び込みとかビラ配りとか苦手だし


いやぁ、楽しみだなぁ……


絶賛現実逃避中の俺を現実に引き戻したのは妹だった


妹「おにぃ、どうしたの?」

どうもしないよ


俺「いや、楽しみだなぁって」


妹「あれ?プール好きだっけ?」

嫌いじゃないよ、うん


俺「特別好きじゃないよ」


妹「ふ~ん。じゃあ何が楽しみなの?やっぱり先輩達の水着?」

やっぱりって何だよ

俺は女子の水着を楽しみにするようなスケベじゃないぞ?


俺「それの何が楽しみなんだよ。あと数日で学校が始まるなぁって、ただそれだけだよ」


妹「え~、学校始まるのが楽しみっておかしいよ!」

おかしくてもいいよ


俺「それより置いてかれちまうぞ?南城さん達と一緒に着替えに行くんだろ?」

入場券を買い、施設に入ると

男女それぞれの更衣室への案内板がある

それに従って行けば迷うことなんてないはずだけど、念の為にも妹は南城さん達と一緒に行動してほしい


妹「あ!うん!それじゃ後でね!」

3人を追いかけて行く妹を見送り、俺は一人男子更衣室へ向かう


シンプルなロッカーが並ぶ更衣室で水着に着替え、貴重品の確認をしつつ荷物をまとめる


更衣室を出ると、視界に広がるのは幾つもの種類のプールだ

流れるプールにウォータースライダー、飛び込み台やら子供用の浅いプール


さて、みんなが来るまで待つか

何だかんだで、女子ってのは支度に時間がかかるって母さんや妹に言われてるからな


気長に待つしかないなぁ


ちょうどいい日陰を見つけ、そこで待つこと10分ほど


やっと水着に着替えたみんなが更衣室から出て来たのだった

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