第194話 うっかりミスでドタバタ

夕飯を食べ風呂に入り、部屋に戻る


録画予約だけ確認し、今日はもう寝ることにした

なんか、もう疲れたし……


ベッドに入り、瞼を閉じる

すぐに眠りにつき、目が覚めたのは……













家を出なきゃいけない時間の15分前だった!?


何でだ⁉


あ……!そうだ!!

目覚ましかけ忘れてた⁉⁉


やっべー……急いで支度しても、30…いや20分はかかるだろ


と、兎に角急いで支度しないと!!


昨日買った水着と、タオルだろ。それにスマホと財布、あと……何がいる?

そうだ!水着を入れて帰ってくる用のビニール袋!!


あとは……サンダルか?

サンダルは玄関にあったかな?

なければ現地で買うか


よし、そんなもんでいいだろ

全部をカバンに突っ込んで時間を確認する


もう10分経ったか

後はテキトーな服に着替えてっと

急いでる時はパンツ一丁になってから服を着ることにしている

シャツの袖に手を通したタイミングで


妹「おにぃ?」

またもノックしないで入ってくる

ノックする事くらい覚えろよ


俺「ああ、今支度してるから」


妹「ひゃっ!?な、何でそんなカッコなの⁉」

そんなカッコって……


俺「着替えてるだけだろ。それより、お前は支度終わったのか?」

兄妹揃って寝坊したなんて洒落にならないからな


妹「私は昨日のうちに終わってるもん!それより早くズボン履いてよ!!」

そんな事言ったってまだシャツのボタン留めてる途中だからな


俺「朝飯は?」

パンとかなら食べながら行けるから良いんだけど


妹「食パンはあるってお母さんが言ってた」

そうか、それはラッキーだな


俺「それじゃ、焼いといてくれるか?」

もう支度終わってるなら、いいだろ?


妹「うん、いいよ。おにぃ、寝坊?」

そうとも言うが


俺「目覚まし忘れてた」

久々にミスったなぁ


妹「ふーん、そっか。それじゃ焼いとくね」

そう言って妹は部屋を出て行った


鏡を見つつ手櫛で髪を整えて、途中で面倒になってキャップ帽をかぶる


よし、荷物完了、着替え完了

下りてパン齧りながら出発するか


リビングに行くとポップアップトースターがパンを焼いてる途中だった

まだ焼けてないか


妹「コーヒー淹れる?」

あ~……

どうすっかなぁ


俺「いや、冷蔵庫のペットボトルの方飲むからいいや」

ペットボトルなら持って行けるしな


冷蔵庫から妹が持ってきてくれる

どうした?

なんで、そんなに甲斐甲斐しく?

また、何か企んでるのか……?


まぁ、今はそんな事より遅刻しないようにするのが先決だな


ペットボトルのコーヒーを飲みつつトーストが焼けるのを待つ


時間はもう差し迫ってる


少しくらい遅れても大丈夫かもしれないが、元々の出発時間は5分くらいしか余裕を持たせてない

駅までの道中で何の問題もなけでば絶対に間に合うはずなんだ


チンッ!とトースターから両面の焼けたパンが跳ね上がる

パンの端を摘まんで火傷しないように取り出す

コーヒーはポケットに突っ込んで、トーストにかじりつく


俺「ひふお行くぞ

熱っ


妹「うん!」

元気な返事を返す妹はトートバッグを二つ持って俺の後に続いて家を出る


戸締りをしっかりして、いざ待ち合わせの場所へ!


ちなみに待ち合わせは、プールのある場所の最寄り駅だ


遅延とかが無ければ、そんなに時間もかからないで着けるはず


今日はトラブルの無い一日でありますように……



最寄り駅に行く途中、珍しいものを目撃した


丁度パンを食べ終えた俺と隣を歩く妹を追い抜いて全力で走る男性が、左右の確認もせず十字路に飛び出した!


今いる道は狭くて車なんてあんまり通らないから、飛び出しても大して危険はないんだけど……

今日はそうでもなかったらしい


ドンッとその男が何かにぶつかり

わっ!?と驚いた声を上げる

そして、ほぼ同時にキャッ!?という女の子の声が聞こえてきた


出会い頭に衝突したみたいだ


俺「飛び出したら危ないよな」

下手したら病院行きだもんな


妹「おにぃも気を付けてね?」

俺は飛び出したりしないから大丈夫


俺「お前こそ、気を付けろよ」

よっぽど俺より危なっかしいんだから


妹「私は大丈夫だもん!」


俺「そうか?」


妹「そうだよ!」


まぁ、大丈夫ならいいか

それよりぶつかった二人が言い合いしてるし


俺「何か揉めてるから、近付かないで行こうな」


妹「うん」


遠巻きに見つつ、距離を取って通り抜けた


よく見ると二人とも名前持ちみたいだし、きっとそういう運命なんだろうな

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