第172話 お祭りへ

目が覚めて、時計を確認する


12:44分


う~ん……眠いな……


そろそろ起きて何か食べたいなぁ


ぐぅ~~~~~~……


腹減って、二度寝はできないか……

よし、起きよう


まずは着替えるかな

えーっと……何着ようかなぁ


いつも通りってのも芸が無いしな

あ、そうだ

確か……前に買ってまだ来てない服あったな


何を血迷ったか、雑誌に書いてあるの真似して買ってみたのがあったはず

買ったはいいが、着る機会がないまま箪笥の肥やしになってるんだよな


着て、みるか……

奥の方へ仕舞い込んだ服を引っ張り出す


うわぁ、タグも外してないじゃん……

そもそも着れるかな?


タグを取って着てみると、着る事はできた

でも、コレ似合ってないんじゃね?


止めといた方がいいか


脱ごうとした時、ガチャリとドアが開き妹が入ってきた


妹「おにぃ!そろそろ起きてー!……って、おにぃ!?」

なんでノックも無しに入ってくるんだよ!


俺「なんだよ」


妹「そのカッコどうしたの!?」

やっぱ変だよな

知ってた


俺「皆まで言うな、着替えるから出てってくれ」

やっぱ着るんじゃなかった


妹「なんで⁉そのままでいいよ!」

はぁ?


妹「似合ってるよ!おにぃがそんな服持ってるなんて知らなかったけど、良いと思うよ!何で今まで着なかったの?」


俺「何でって……」

この服買ったこと自体を忘れてたし

そもそも何で買ったのかすら覚えてないんだよ


妹「ともかく、今日はそのままでいて!」

え~……


俺「いつもの服に着替えちゃダメか?」


妹「ダメ!絶対ダメ!」

そこまで言うなら、仕方ないか


俺「後でやっぱ着替えろって言うなよ?」

メンドクサイから


妹「言わないよ!」


俺「じゃあ、今日はこのままでいるか」


妹「うんうん!」


俺「じゃ、昼飯食べに下りるか」


妹「うん」


二人一緒にリビングへ向かう


リビングに着くと、母さんが用意してくれてある昼飯があった


自分の席について昼飯を食べる

今日の昼飯は、ホットドッグか


うん。美味い

あっという間に用意されていた2本を食べ終える


俺「ごちそうさま」


妹「お粗末様でした」

それ、母さんのセリフだろ?


まぁ、いっか


俺「それで、今日は何時頃祭り行くんだ?」

それまで残りのアニメをひたすら観るから

時間だけ確認しておかないとな


妹「う~ん……3時半ころかな」


俺「え?4時とか5時じゃないのか?」

暑さのピーク時間と丸被りだろ


妹「うん、ちょっと早めに行く必要があるからね」

なんだ?

どっか寄り道するのか?


俺「じゃ、それまで俺は部屋でアニメ観てるから」


妹「うん。おっけー」

食器を流しに入れて水をつけて、部屋に戻る


俺「えーっと、今は1時半か。なら2時間くらい観れるな」

CM飛ばせば4話か5話分くらいだな

よし、ちょうど観てないのが4話のやつあるな

コレ再生っと














思いの外、4話にしては内容が濃かったな……

何か6話とか観た気分だ

さて、時間は……3時過ぎか

1話観るには時間が足りないな

ってことは5分アニメでも観るか


テキトーに選んで再生する

3話目を観てるとこで妹から声がかかる

うーん、途中だけど……まぁ、帰ってきてからでいっか

停止して電源を切る


部屋を出ると廊下には浴衣姿の妹がいた

今日は髪型も変えてあるのか

ふーん




俺「それじゃ、行くか」


妹「うん」

階段をゆっくり下りる妹

やっぱ動き辛そうだな


家を出て、歩く速度もやっぱり遅い

あ~、だから早めに出ることにしたのか!

納得!


一応妹の速度に合わせてゆっくり歩く


カランコロンと下駄の音させて歩く妹と、スニーカーでのんびり歩く俺

まさか下駄まで用意してあるとは思わなかったな













歩くこと45分

やっと目的地に到着する

しかし、妹は中に入ろうとはせず

入口で立ち止まる


俺「どうしたんだ?」

妹は何も答えない

ほんとどうしたんだ?


俺「足でも痛めたか?」


妹「ううん。でも、少しここで」

ここで何するんだ?


訳分からないまま、とりあえず妹と一緒に立ち尽くす


ぼーっと縁日を眺めていると、背後から肩を叩かれる

びくっと振り返ると

満面の笑みの南城さんがいた!?

まさか、こんなトコで合うとは……


妹「あ、千秋先輩」


南城「妹ちゃん!その浴衣似合ってるね!」


妹「えへへ、ありがとうございます」

あれ?

いつ和解したんだ?

退院の時、妹が宣戦布告してたからてっきり仲悪くなったと思ってたけど


妹「千秋先輩は浴衣じゃないんですね」


南城「あー、うん。去年のやつサイズが合わなくて……ちゃんと確認しとけばよかったよ……」

そんな一気に背が伸びたのか

凄いな……


妹「へ、へぇ~」

てか、何で南城さんもナチュラルに混じってきてんの?


妹「春香先輩、まだ来てないんですよ」

は?


南城「あ、連絡あったよ。少し遅れるって」

ちょっと待て

何でさも当然の様に待ち合わせしてるんだ?


堀北「ごめんなさい……お待たせ……」

息を切らしながら登場したのは、浴衣姿の堀北さんだ


南城「大丈夫だよ。私も今来たとこだよ」


妹「それじゃ、まずは……」

まずは状況説明してくれるかな!?

大体予想はつくけどさ!

俺に内緒で二人と約束してたんだろ

何で俺に内緒にするのか

勿論、言ってしまえば俺が来ないと思ったからだろう

そうだな!知ってれば来なかったよ!

くそ……帰りてぇ……


堀北「ええ」

南城「うん」


三人「「「じゃんけん、ポン!!!」」」

何でジャンケン!?

いや、何のジャンケン!?


妹「むぅ~……負けたぁ」

南城「やった!一番!!」

チョキ、チョキ、グーで南城さんの一人勝ちだった


堀北「さぁ、妹ちゃん。2番目のジャンケンをしましょう」

一番とか二番って何?


妹「はい!今度は絶対に負けませんよ!!」


妹&堀北「じゃんけん、ポン!!」

結果は

堀北さんはまたもチョキ、妹はパーを出した

妹の負けだ


妹「そんなぁ……」


堀北「悪く思わないでね。ジャンケンで決めようって言ったのは妹ちゃんなんだから」


妹「むぅ~……それじゃおにぃ、また後でね」


堀北「千秋、時間厳守よ?」


南城「うん。行こ!」

手を引かれて祭り会場に突撃する



これはしっかり説明してもらわないとな

誰が発案者で、どうして決まったのか

その辺じっくり詳しく聞かせてもらうからな

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