第169話 父さん帰宅

夕飯を食べて、部屋に戻り続きを読む


ある意味予定通り、12時に読了する

そして、テキトーに作文用紙を埋めてベッドに入る


やりきった感いっぱいでぐっすり眠り


翌日起きて、数学の宿題とプリントを進める


休憩したいタイミングで、妹が差し入れをくれたり

来客があっても妹が出てくれたり

そんなこんなでほぼ部屋から出ずに、宿題を片付けていける






そんな日々が5日経過した





とうとう最後の問題を解き終えて、宿題を完遂した




俺「お、終わった……」


妹「おにぃー?そろそろ休憩したら~?」

廊下から声をかけてくる

そう言えば、最近は部屋に入ってこないんだよな

邪魔するなって言ったからかな?

素直に言うこと聞くとは想像してなかったな

妹なりに協力してくれてたって事、なのかな


俺「よし、妹に何かしら礼をやるか」

ドアを開けて廊下に出ると、何故か浴衣姿の妹がいた……!?


妹「休憩する?」


俺「何でそんな格好なんだ?」

祭りは明日だった気がするけど、勘違いだったか?


妹「どう?似合ってる?」

くるりと回る


俺「あー、多分似合ってるぞ」

ぶっちゃけ浴衣が似合ってるかどうか何て

何で判断すれば良いのかわかんねぇよ


妹「多分?」

不満そうだな


俺「似合ってぞ」

これで満足か?


妹「えへへ、ありがと」

良かったな……


俺「実はな……お前に言っておかなきゃいけない事があるんだ……」


妹「えっ……、何?」


俺「宿題なんだが…………」


妹「もしかして、終わんなそう……なの?」

しゅんと項垂れる妹

あからさまにガッカリするな……


俺「…………終わったぞ」

しっかり溜めに溜めてから、真実を言う


妹「え……?終わった、の?」

頷く


俺「ああ。何だかんだ協力してくれて、ありがとな」

とりあえず頭を撫でる

昔から、撫でられるの好きだよなぁ


妹「えへへ……」

後は、何かリクエスト聞いてお菓子でも作ってやるかな


俺「さて、リビングで休むか」


妹「うん!」


妹と一緒にリビングへ向かう


リビングへ入ると、父さんがいた!?


俺「なんで父さんが……?」


父「……社会人にも夏休みはあるんだぞ?」

そうか

夏休み、なのか


俺「夏休みって事は暫くゆっくり出来るの?」


父「いや、明日の昼間には仕事に戻る事になってる……」

それって、本当に夏休み?


俺「えっ……1日だけ?」


父「研究が中々順調でな、若干無理言って帰ってきたんだ。お前達の事も心配だったしな」


俺「そっか。俺は変わりないよ」


父「いや、お前が一番変わっただろ……。いや、正確に言うなら戻った、か」

あー、そっかそっか

そういえば、退院してから会ってなかったじゃん


俺「心配おかけしました!」

腰を直角に折って頭を下げる


父「ああ、無事で何よりだ。体調の変化とかは無いか?」


俺「うん、至って健康そのものだよ」


父「そうか。何かあれば直ぐに言うんだぞ?」


俺「うん。そうする」


父「さて、お前の事はもういいな。次はの事について聞かせてもらおうか」


妹「お父さん、私の気持ちは変わってないよ!」


父「だがなぁ、兄妹なんだぞ?」


妹「寧ろ兄妹の方がいいと思うの!全く知らない人何かより断然信用できるし!お互いを理解しあえてるし!」


父「そうは言ってもなぁ」


妹「もう!それ以上言うならお母さんに言いつけるからね!!」


父さんは反対なんだな

良かった……

2対2なら、まだ多数決で決まらないな


俺「父さん、安心してよ。俺も妹と付き合うつもりはないから」


父「そうか。お前にその気はないのか」


俺「ないない。だって妹だよ?」


父「そうかそうか……それは私の娘に、魅力がないと言ってるのか?」

なんでそうなるの!?


俺「いや、そういう訳じゃなくて!」


父「やっぱり色目を使って……!!」


俺「ちげーよ!!あー、もう、メンドクセーなぁ!!」


妹「ねぇ、お父さん?」


父「なんだい?」


妹「私たちの邪魔、しないでね?」

今まで妹からは聞いたことのない、冷たい声だった

そんな声出せるんだな……


父「いや、しかし」


妹「じゃ・ま・し・な・い・で・ね?」

一語ずつ区切って言い聞かせる妹


父「…………はい」

あ、折れた……


娘が父親に勝った瞬間を俺は見た!

出来れば見たくなかったけどな!


これは形勢不利だな

助け船を出そうかと思ったけど…………


さっき難癖付けてきたし、ほっとくか

自業自得だな、うん


三人でリビングで話し込んでいると、母さんが帰ってきた


今日の夕飯はなんだろなぁ

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