第167話 妹の部屋で

目が覚めて、時計を見る

10時半、か……

随分寝ちゃったな

腹も減ったし何か食べに下りるか


寝間着のままリビングへ下りると、妹がキッチンに立っていた


俺「おはよう。何してんだ?」


妹「え!?あ!?お、おはよ!えっと…今ね、サンドイッチ作ってるとこだよ?」

何で俺を見るなりアタフタしてんの?

それと何でサンドイッチ?

まぁ、いっか……

冷蔵庫に何か入ってるだろうから、それ食べて宿題だな


ボケーっとしたまま冷蔵庫を漁りに行く

すると何故か冷蔵庫の前を妹に塞がれる


俺「どけよ」

冷蔵庫開けられないだろ……


妹「サンドイッチ」

それは見れば分かる

目の前に出さなくても見えてるからな?


俺「で?」

なんだよ?


妹「食べて」


俺「なんで?自分で食えよ」


妹「おにぃの為に作ったの!」


俺「いや、頼んでないけど?」

なんでサンドイッチなんか作ったんだよ


妹「これなら勉強しながらでも食べれるでしょ?」

あ~、まぁ……そうだな

偉大な料理だよな、サンドイッチ


俺「それで、コレを食いながら宿題をしろと?」

休まずに?


妹「うん!私なりに一生懸命考えて、思い付いたの!」

そうか……

一生懸命考えて……、俺の休憩は無しか

まぁ、宿題は終わらせたいしな……


俺「ああ、そっか。じゃ貰っていくわ」

サンドイッチの乗った皿を受け取る


妹「あ、コーヒーも入れたからね!」

あははっ

至れり尽くせりかよ……


俺「あ、うん。サンキューな」

右手で皿を持ち、左手でマグカップを持つ


さて、部屋に戻るか……


サンドイッチ食べながらだと読書は出来ないし、プリントの方やるかな


妹はリビングで俺を見送って、また何かやり始めてた

今度は何すんだ?

自分の飯でも用意するのかな







部屋に入り寝間着から部屋着に着替える

大分寝苦しかったのか、上着のボタンが半分ほど外れていた

寝てる間にボタン外すって、器用なことするなぁ……俺


最近は夜も暑くて……早く秋になってほしいなぁ

涼しい夜に窓を開けて、鈴虫の声を聞きつつラノベを読みたい!

読書の秋、サイコー


はぁ、まぁ今は夏真っ盛りなんだけどね……

さて、着替えも終わったしサンドイッチ食べながら始めるかな!


モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ

ゴクゴクゴク

モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ

ゴクゴクゴク

……

…………

………………


用意されたサンドイッチを完食し。プリントは1枚が終わる

昨日より順調な気がするな


続き続きっと

















集中して今日の分のプリントを終わらせると、時間は15時ちょっと前になっていた

さて、次は読書か数学だな

取り敢えず時間のかかりそうな読書の方にしておこうかな


本を手に取り栞を挟んだ所から読む

やっぱりそんなに好きじゃないなぁ

でも、今更もう一回図書館行って違う本探すのは面倒だし

コレ読むしかないよなぁ




あんまり集中していないタイミングでドアがノックされる

また妹が何かしに来たのか?


俺「なんの用だ?」

声をかけながらドアを開ける


妹「休憩、する?」

手に持ったお盆の上にはプリンと紅茶が乗っていた


俺「作ったのか?」

わざわざ?


妹「うん。おにぃ程上手くできてないと思うけど……」

いや、俺が作ったって大して美味しいわけじゃないからな?

プリントで頭使ったし、丁度糖分欲しいタイミングだったんだよな


俺「休憩するか」


妹「うん!私の部屋でいい?」

まぁ、昨日も行ったけど何もなかったし良いか

下まで行くのも面倒だし


俺「そうだな」

お盆で両手が塞がった妹の代わりにドアを開ける


妹「ありがと」

中に入って昨日と同じ様にドア側に座る


俺「ふぅー……」

つい、溜息が出る


妹「お疲れ様、食べたらすぐ戻る?」

あ~、そうだな……


俺「ああ、戻って本読まなきゃいけないからな」


妹「あ、それならさ。ここで読めば?」

ここでって、妹の部屋でか?


俺「いや、自分の部屋で読むから」


妹「たまには環境を変えてみると、勉強って捗るんだよ?」

ふ~ん


俺「勉強じゃなくてただの読書だから、関係ないな」


妹「物は試しって言うじゃん?邪魔しないから、ね?」


俺「でもなぁ……」


妹「いいじゃん!ご飯とかおやつ作ってあげたんだから、少しくらいはお願い聞いてくれても……」

はぁー……


俺「邪魔してきたら即部屋戻るからな?」


妹「うん!やった!」

何が楽しいんだか……?


プリン糖分を食べて、一度部屋に本を取りに戻る


スマホを確認し、何も連絡が入ってないのを確認する

俺「よし、何もないな」


少し迷いつつ、読書の邪魔になりそうなスマホは部屋に放置する事にした

あるとつい弄っちゃうんだよな……


妹の部屋に戻り、読書を再開する


興味が引かれる内容あったわけじゃないが、確かに自分の部屋で読むのと少し違う感じがするな

この感じなら、あんまり退屈せずに読み進めらそうだ


俺を部屋に招いた妹は、机に向かって勉強を始めたみたいだ

真面目に勉強してるなら、邪魔はしてこなそうだな

安心して読書を継続する

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