第165話 図書館から帰宅

色々あったが目的の本は見つけることはできた

後は帰って読んで、感想文書くだけだな


帰り道、妹が俺の手を握ってくる


俺「何だよ?」


妹「ううん。何でもない」

じゃあ何で手繋ぐんだよ……


俺「暑いんだよ、離せよ」


妹「え~、いいじゃん!減るもんじゃないし!」


俺「汗かいて水分が減る」


妹「うわぁ、その発言はキモイよ」

酷い言われようだな!?


俺「だったらサッサと離れろよ」

まだ夏真っ盛りで暑いんだよ……

てか、妹は暑くないのか?

ちらりと横を見ると、頬を汗が伝っている


俺「お前も暑いんだろ?離れろって」


妹「やだやだやだ!ぜーったい離れない!」

あー!もう!暑苦しい!!!


俺「なんで離れないんだよ!」

うっとおしい!!


妹「おにぃ、すぐどっか居なくなっちゃうんだもん!」

どっか居なくなるって、ガキじゃねーぞ⁉


俺「何言っt」


妹「おにぃはもっと慎重に行動すべきだよ!じゃないと、また誘拐されて変な薬使われたり、拉致されて死にそうになったり……消えちゃいそうになっちゃうんだから」

いや、まあ、確かに、色々あったけどさ


俺「心配してくれるのはありがたいけど、手を繋ぐ必要はないだろ?」


妹「あるもん!私が安心するから、繋ぐんだもん!」

安心するって、そんな心配しなくても……

しかたねぇなぁ


俺「家の前までだぞ?」

そんな震える手を振り解くなんて、できるわけないだろ……


妹「うん!」

しっかりと俺の手を握って、隣を歩く

その足取りは、少しだけ軽くなったような気がした









家の前に到着し、手を離そうとするが

何故が固く握った手を解こうとしない


俺「おい、家着いたんだから離せよ」


妹「もう少しだけ、お願い……」


俺「ったく、しょうがねーな……」

それから1分程度で手を離す


妹「ありがと、おにぃ」


俺「わがままも程ほどにな」


妹「うん。おにぃ、大好き!」

おうおう、そうかそうか


俺「ハイハイ、ソウデスカ。ヨカッタネ」


妹「もう!何でそうやってテキトーに流すの!?」


俺「さ、家入るぞー」

玄関のドアを開ける

中に入ると、カレーの匂いが香ってきた

夕飯はカレーか


妹「あ、カレー!!」

サッと靴を脱いでキッチンへ走っていく

脱ぎ捨てられた靴をちゃんと揃えてやって、自分もキッチンへ行く




俺「母さん、ただいま~」


母「おかえり、本はあった?」


俺「あ、うん。今から部屋で読んでくるから」


母「そう。夕飯の時間には下りてくるのよ」


俺「はーい」

妹は小皿でカレーの味見をチビチビしていた

そんなに熱いわけないと思うんだけど、何してんだか


階段を上がり自分の部屋へ



早速椅子に腰かけて借りてきた本を読み始める


読む速度はかなりゆっくり目だ

好きでもない本を読むのって、やっぱり時間かかりそうだな


黙々と読書を続ける

しかし、時間に対して読めたページ数は多くない


このペースじゃ、結構かかりそうだなぁ……


俺「ふわぁ~~……」

眠い……


夕飯食べ終わったら、数学の方やるか


このまま読んでると、寝落ちしそうだしな


一旦立ち上がり伸びをして眠気を覚ます

時計を確認するとそろそろ夕飯の時間だ

栞を挟んでリビング行くかな


ドアを開けると、ちょうど妹も部屋から出て来た所だった


妹「一緒に行こ!」


俺「おう」

一緒に行くも何も、階段を下りるだけだけどな


リビングに着くと母さんが俺たちに気付く


母「揃って下りてきたのね。出来てるから、座って待ってなさい」

今日は、手伝わないでよさそうだ


俺「は~い」

妹「ハーイ!」

元気良いな……


カレーとご飯の盛られた皿を母さんが持ってきて、俺と妹の前に置く

スプーンを手に早く食べたいって態度で示す妹

どんだけカレー好きなんだよ?

すぐに食べ始めず母さんが、自分の分のカレーを持ってくるまで待つ

待ってる間くらいスプーンは置いておけよ……

母さんがカレーを持ってきて、三人揃っていただきますをする


スプーンでカレーとご飯を一緒に掬う

いつも通りの家のカレーだ

不思議と家で食べるご飯って落ち着くんだよな……


おふくろの味って、ことなのかな?

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