第158話 帰宅!!!!

母「春香ちゃん千秋ちゃん豊ちゃん、今日は来てくれてありがとね。でも、今日はウチのの勝ちだから……再戦したかったら日を改めてね。バイバイ」

母さんが勝利宣言をする

マジで、意味分かんないんだけど……


運転手「ご歓談中失礼します。太一様よりご自宅までお送りするようにと指示を受けお迎えに上がりました」

いつの間にか近くに立っていた四季島の専属運転手さん

車の音とか聞こえなかったよ⁉


母「あら、ありがたいわ。さ、二人とも帰るわよ~」


運転手「では、こちらへ」

母さんと俺は後ろの席へ

妹は運転手さんの隣、助手席へ案内される


運転手「では、シートベルトをおしめください。出発します」

シートベルトをしめたのを確認して、スルスルと滑るように発車する


運転手「太一様より、伝言を承っております」

四季島から伝言?


運転手「『退院おめでとう。所用でそっちに行けないから、車を送る。また会う日を楽しみにしている』と申されてました」

まぁ、アイツ夏休みの予定いっぱいで忙しいだろうし

こうして気を使ってくれただけでも、感謝だな


俺「次会ったら、お礼言わないとな……」

送迎車もそうだけど、治療とか色々迷惑かけたし


運転手「あともう一言。『プールや祭りに行くなら、俺も誘えよ』だそうです」

おい……

何処までコッチの状況を読めてるんだよ……


俺「さすが、四季島だな……」

呆れると言うか、関心すると言うか……


母「それはそうと、アンタ覚えてる?」

いや、最近物忘れ酷くてね……


母「夏休みまでに彼女か、その候補見つけられなければ……?」

あ、あ~……それは覚えてる


俺「母さんから南城さん達に距離を取るように言う、だっけ?」

父さんと母さんの意見が割れるの珍しいからなぁ


母「そう。そして、今は夏休み真っ最中」

そう、だよなぁ……


母「な・の・で……母として、千秋ちゃん達に距離を取るように言います」


俺「う、うん……まぁ、約束だし……でもさ、俺殆ど入院してたみたいだし……」

その辺どうなのかなぁ、なんて


母「そうねぇ。アンタがまだ時間が欲しいって言うなら、夏休み明けまでなら待ってあげるわよ」

夏休み明けかぁ……

先延ばしに出来るなら、そうしてもらおっかな


俺「じゃあ、待ってほしいかな」


妹「おにぃ、何の話ししてるの?」


俺「お前には関係ないよ。前向いてろ、酔うぞ」


妹「ぶぅ~~……」

頬を膨らませて不貞腐れるなよ、ガキじゃあるまいし……


運転手「まもなくご自宅へ到着します」

おお、もう着くのか

俺の感覚的には1日ぶりぐらいなんだけど……

実際は数週間ぶりなんだよなぁ


家の前にピタッと停車する

毎回思うけど、ホント丁寧な運転だよなぁ


俺「ありがとうございます。今回もとっても乗り心地良かったです」


運転手「お褒め頂きありがとうございます」


降りて、車を見送ってから家に入る

見慣れた自分ん家だ

でも、何処か違和感がある気がする……

なんだろ……?

少し考えて、ある事に思い当たった


匂いだ


あれだ、旅行とかから帰ってきた時の……

普段は感じない自分の家の匂いだ


それをもろに感じるんだ……


妹「どうしたの?」


俺「ん?いや、なんでもない」

大したことじゃない


母「それじゃ、これからご飯支度するからね」

キッチンへ行く母さんを追いかける


俺「母さん、手伝うよ」

かなり心配かけたみたいだし


母「いいわよ。今日退院したんだから、休んでなさい」


俺「いや、なんかさ……あんまり実感ないって言うか、なんて言うか」


母「それでも休んでていいわよ。さっさと部屋着に着替えてきなさいよ」

まぁ、必要ないって言うなら……そうするか


俺「それじゃ、そうする。何か手伝うことあったら声かけてね」


母「ありがとね」

キッチンを離れて、自分の部屋へ行く


部屋の中は、あんまり埃っぽくないな?

母さんが掃除してくれたのかな……

その辺も後で聞いて、お礼言っておくか

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