第134話 変化後、初登校

翌朝、普段より45分以上も早く起きる


俺「眠い……」

重い瞼をなんとか開けて普段着に着替え階段を下りる


リビングには母さんがいて、紅茶を飲んでいた

俺「母さん、おはよ」


母「え⁉どうしたの?こんな時間に」

あ、そうだ

言ってなかったな……


俺「制服、アパートの方置いてきちゃったから」

取りに行かないと


母「そう。今から行ってくるの?」


俺「うん。それで、急いで一旦帰ってくるけど時間無いかもだから朝ご飯は」


母「トースト焼いておくわね」


俺「うん、ありがと。それじゃ行ってくる」


母さんが起きててくれて良かったぁ

じゃなきゃ、朝ご飯抜きになるとこだったんだな


家を出る

まだ人通りの少ない道を歩いてアパートを目指す

持ち物はアパートの鍵と制服を入れる用の袋

朝の清々しい空気を吸い込み、気持ちが落ち着く

猫が道を横切ったり、カラスが散歩してたり

普段では気にも留めないモノが目に映る


歩くこと30分、目的地に到着した

鍵を差し込み回す

ガチャリと音が鳴り開錠する

よかった……開かなかったら詰んでたな

確認してから来れば良かったな


中に入り、制服に着替える

そして、洗い替えの分をカバンに回収し勉強道具を全部通学カバンに詰め込む

かなり重いが、まぁなんとか持てるな


俺「よっこいせ!」

両肩にカバンをかけて一旦家に帰る


帰り道は通勤や通学の人達とよくすれ違う

すれ違う度に、ガン見またはチラ見、二度見される

名前持ちネームドって、いつもこんな視線に晒されてるの?

ストレス半端ないな……


視線を感じつつ、無事家に帰宅する


俺「ただいま~」


妹「おかえり、おにー」


母「トースト、今から焼くからちょっと待っててね」


俺「ありがと、母さん。南城さん達はまだ来てないよね?」


妹「え?うん。来てないよ」

よかった、間に合ったな


俺「ふぅ~……、一旦荷物片づけてくる」


妹「は~い」

カバンを担いだまま、階段を上がり部屋に運ぶ

制服を出してハンガーにかけて、干す

勉強道具は今日必要な分以外は抜いて、机の上に積む


よし、これでいいな


軽くなったカバンを持って階段を下りてリビングへ入る


妹「おかえり」


俺「おう、ただいま」

朝食を食べ終えてゆっくり飲み物を飲んでる妹


母「ほら、焼けたわよ。時間は大丈夫なの?」

焼きたてのキツネ色のトーストが出される


俺「ん?あ~……、うん。大丈夫。南城さん達来たら、行くけど」

サクッ

美味ぁ……


母「そう。はい、コーヒー」

おお、淹れたてだ


俺「ありがと」

インスタントコーヒーだけど、お気に入りのメーカーのコーヒーは美味しいな

ふぅ……

と一息ついた所で、ピンポーンとチャイムが鳴る

もう、来たかぁ


俺「はーい」

玄関に迎えにでる

迎えに来てくれたのは南城さんと堀北さんの二人だ

もしかすると、仁科さんや四季島も来るか?と思ったけど……

来てないみたいで一安心だな


南城「おはよー」

堀北「おはよう」


俺「おはよう二人とも」


南城「もう行ける?」


俺「うん。カバン取ってくるからちょっと待ってて」

一度ドアを閉めて、リビングへ戻る


俺「行ってきま~す」

コーヒーを一気飲みしてパンを掴む


母「本当に行くの?大丈夫なの?」

カバンを肩にかける


俺「え?うん。大丈夫だよ。それじゃ」


母「お弁当、忘れてるわよ」

あ、危ねー!!

弁当をカバンにしまい、今度こそ出発する


俺「母さん、いつもありがと」


心機一転

南城さんと堀北さんと一緒に登校をする

どんな困難があろうと、一時の辛抱だ

名前無しに戻れさえすれば、俺の生活も元に戻るはずだから……

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