第116話 妹からの……

パスタを食べ終えて食器をキッチンへ持っていく


母「もう、食べ終わったの?」


俺「うん、ごちそうさま。それじゃ、部屋行くね」

アニメ観るか、読書するか、もう寝るか……





さて……それよりも、考えないとなぁ


母さん達にはああ言ったけど、実際問題俺に告白なんて出来るのか?

多分、同じクラスの女子には断られるよなぁ

だって南城さん達から怨まれる危険がある……って思うだろうし

実際はそんなことないはずだけど、説明しても理解されないしなぁ

考え事しながら階段を上ると、オレの部屋のドアの前で妹が体育座りしていた


俺「お前……何してんだ?」

何か暗いし、腹減ったのか?


妹「おにー……さっきお母さん達と何話してたの?」


俺「お前が寝落ちして帰ってきたから、母さんに聞かれたんだよ。体調管理はしっかりやっとけよ?」


妹「うん、気をつけるね……」

そこまで話しても何故か妹は動こうとしない


俺「あのさ、そこ退いてくんないと入れないんだけど?」


妹「…………………………」

なんか言えよ!


俺「どーした?何か嫌な夢でも見たのか?」


妹「夢だったら、よかったのに…………」

なんか様子が変だな


俺「どうしたんだよ?」

理由がさっぱり分からないな


妹「おにー……病気なの?」

は?

病気?俺が?


俺「んな訳ないだろ?どうした?そんな夢みたのか?」

悪夢で不安になるなんて、俺は滅多にないからよく分からないんだが……

とりあえず、頭撫でてやれば落ち着くか?


妹「じゃあ、さっき下で話してたのは何?」

まさか、聞かれてた?

いやいや、だってコイツ部屋で寝てたよな?


俺「だから、お前が眠って帰ってきたから」


妹「なんで隠すの?私には言えないの?」

やっぱり聞かれてたのか…………


俺「…………」

言えない、よな

妹にまで心配かけるわけにはいかない


妹「おにー、なんで何も言ってくれないの?私じゃ頼りないかもしんないけど、私だっておにーの力になりたいんだよ?」

そんな風に言ってくれるのは、ありがたいけどさ


俺「これは俺の問題だから、心配しないでいいからな?病気とかの類いではないし、どうすれば良いかも解ってるからさ」

そう、これは俺がどうにかするしかないんだ


妹「でもっ」

やっと顔を上げた妹の頭を撫でてやる


俺「ありがとな。でも、本当に大丈夫だからな。それより、腹減ってないか?」


妹「……うん。少しすいたかも」


俺「下で母さんが何か作ってくれてるから、食べてこい。そしたら少しは気分も上がるだろ?」

腹減ってるから、気分も暗くなるんだよ

飯食って、寝れば大体なんとかなるさ


妹「本当に大丈夫なの?」


俺「大丈夫だよ。ほら、飯食ってこい」


妹「うん、わかった」


やっとドアの前から退去してくれたか


俺は部屋に入り、ベッドで横になる


不味ったなぁ……

まさか妹に聞かれてたなんてな

でも、詳しい内容は聞こえてなかったみたいだし

きっと、大丈夫だろ


もう、考えんのめんどくさいな……

寝よ

一度起き上がって、パジャマに着替える


俺「はぁ…………」






ベッドに入り、眠りにつく



明日は久々に一人で趣味三昧で過ごそう


















ふと、人の気配を感じて目が覚める


目を開くと、何故か妹の顔が目の前にあり

唇と唇が触れていた……!?


俺「ちょっ、おまっ!?何やってんだ!?」

肩を掴んで引き剥がす


妹「キス」


俺「イタズラにしたって質悪いぞ⁉️」

やっていいことと悪いことがあんだろ!!


妹「イタズラじゃないもん」

なお悪いわ!


俺「俺達兄妹なんだから、こんなことはしちゃダメだろ!」


妹「違うもん……おにーは本当はおにーじゃないの、私知ってるもん……」

はぁ?


俺「何言ってんだよ?」

兄妹じゃない?

そんなわけねーだろ?


妹「聞いちゃったんだもん……お父さんとお母さんが話してるの……!!」

聞いたって……俺が父さんの子供じゃないって話じゃないのか?


俺「何を聞いたんだよ」


妹「おにーはお父さんと血が繋がってないんでしょ」


俺「ああ、そうらしいな。でも、俺たちの父さんは父さん一人だけだ。でも、何でお前がそれを知ってるんだ?」

その話をした時、妹は寝てたはず


妹「トイレで目が覚めて、何か話してる声聞こえたから見に行ったら……」


俺「そうか……聞いちゃったのか」

こくりと頷く妹

ったく、迂闊だったな……

妹が出掛けてる時にすべきだったか

寝てると思ったんだけどな……


妹「その話とは別に、まだ母さん達が隠してた事あるんだよ」

まだ、隠してた事?


俺「まぁ、家族だからって全部が全部知ってる訳じゃないこらな。隠し事の1つや2つあるだろ」

名前持ち化については、妹には言えないし


妹「…………私ね、お母さんの子じゃないの」

震えた声で告げられた内容に、俺は驚愕した


俺「それ、本当なのか?」


妹「うん」


だとしてら……

俺と血が繋がってるのは母さんだけで

妹と血が繋がってるのは父さんだけって事になるのか……

俺たち兄妹に……血縁関係は無い


そんな事ってあるか?

10年以上一緒に育ってきた兄妹が、実は他人でしたって…………


俺「明日、母さん達とちゃんと話そう」


一旦頭ん中整理したいし、今は深夜で両親も寝てるだろうし


妹「うん……キスして、ごめんなさい……」

そう言い残して妹は俺の部屋を出て行った


ん?そう言えば……

なんで妹は俺にキスしたんだ?


謎が謎を呼ぶ大混乱の始まりだった……


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