第69話 謝罪

俺「母さん、まだ起きてるかな?」

23時か、時間的には微妙かな……


階段を下りてリビングへ入る



母「どうしたの?」


俺「その……ごめん」

取り敢えず謝るしかない……


母「ほんと、あの後大変だったのよ?反省してる?」


俺「うん」


母「そう?ならいいけど。それで、謝るために降りてきたの?」


俺「そう、だけど?」


母「そう……。ならもう寝なさい」

え?

なんかすごいあっさりしてる……


俺「それだけ?」


母「何?」

何って……もっとこう、怒ったりしないのかな……


母「あんたが気にしないといけないのは明日の事でしょ?」

ゔっ……

確かに……明日、どうしよう……


俺「休んでいい?」


母「いいけど、解決はしないわよ?」


俺「そりゃ、そうだけど……」

一日くらい猶予あってもいいと思うんだけどな……


母「なら、一日だけ休みなさい」


俺「いいの?」

ほんとに?


母「いいわよ」

いいんだ……


俺「じゃ、寝るね」


母「はい。おやすみなさい」


俺は自室へ戻り布団に入る

目を閉じる……しかし、寝付けない……


なんでだろ……


ゴロゴロとベッドで寝返りをうつ






ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ


……眠れない


コンコン


ん?ノック…………?



なんだ、気のせいか


寝ないとなぁ……




コンコン

ん⁉

やっぱりノックの音聞こえる?


俺は立ち上がりドアを開ける

部屋の前には妹が立っていた


俺「その……なんか用か?」


妹「昼間のこと」


俺「悪かったよ……」

なんだよ、わざわざ謝罪を聞きにきたのかよ……


妹「本当なの?」


俺「そりゃ、まぁ…な」

本当だし、本気でそう思ってる……

でも、あの言い方は不味かったとも思ってる


妹「そっか……先輩たちと付き合うつもり、ないんだ」

ないけど……なんだ?


俺「なんでそんな事聞くんだよ」


妹「別に……」

なんなんだよ……?


俺「それだけか?」


妹「ちょっと中、入っていい?」

ん?珍しいな……

まぁ、眠れないからいいか


体を引いて入れるようにする


妹は何も言わず部屋へ入ってくる


窓を背に振り返り、顔を合わせる


暗いな、電気点けるか

スイッチに手を伸ばした瞬間

妹「点けないで」


ん⁉

暗いままでいいのか?

変なやつだな


妹「おにーはさ、今好きな人いないの?」


俺「なんでそんな事聞くんだよ」


妹「いいから答えてよ」


俺「いないよ、それがどうかしたのか?」


妹「いないんだ……理想が高いとか?」


俺「そんなつもりは無いけどなぁ」


妹「ふ~ん。じゃあ試しに聞くけど、どんな人が理想なの?」

理想の女性を妹に語るとか、どんな罰ゲームだよ……

でも、昼間迷惑かけただろうし……


俺「年上で、理知的な人かな」

あ~!もう恥っず!!


妹「そ、そうなんだ……そっか……年上かぁ……じゃあ年下はダメなの?」

年下?

う~ん…そうだなぁ……


俺「あくまで理想だからなぁ」

別に年下がダメってわけじゃないけどさ……


妹「ふ~ん。絶対ダメってわけじゃないんだ」

ま、そうだけど


俺「で?なんでそんな事聞くんだ?」

まさか南城さんたちに聞き出せって言われたのか……?

だとしたら、こんな正直に答えるのは失敗だったか⁉


妹「何でもない」


俺「俺からも質問いいか?」


妹「なに?」


俺「さっきの質問って、誰かに聞き出せって言われた訳じゃないよな?」


妹「違うよ……ただの興味本位」

そっか、違うのか

よかっt……ん?

興味本位で兄の好みのタイプ聞くって……勉強のし過ぎでおかしくなったのか⁉


妹「それじゃ、おやすみ」

俺とすれ違って妹は部屋から出て行った……


ほんと、なんだったんだ?

はぁ~……





にしても

南城さんたちにどうやって謝ろうかな……

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