第55話 再会③
「マーガレットーどこいったのー?」
ミラは声を上げながら歩いていた。
するとズバッと突然腹部を撃たれ血が流れた。
「…そこにいるんだね、マーガレット」
そこにはライフルをミラに構えているマーガレットがいた。
「ああ、さっさとぶっ殺してやるよ。ミラを洗脳してる害虫がよ!」
「へぇ…やれるもんならやってみてよ…」
ミラは再び笑みを浮かべ飛びかかる。マーガレットはライフル何度も発砲し全てミラに命中させたがミラはそのまま飛びかかる。
マーガレットは何とか銃でミラが掴みかかってくるのを防ぐ事ができた。
ミラを突き飛ばし距離を置いたマーガレットは手榴弾を投げつけ手榴弾はミラの足元で爆発した。
壁が崩れ土煙が舞いミラの姿が見えなくなった。
「へぇ…さっきの撤回するわ…マーガレット…前より強くなったね…」
土煙の中から現れたミラの姿は服はボロボロになり所々皮膚が剥がれ、片目がミーナが化け物に洗脳されていた時と同じ目が赤くなっていた。
「やっと本体を見せてきたか…」
マーガレットはミラにライフルを向け発砲したがかわされミラに掴まれると壁へ投げ飛ばされた。
だがマーガレットは諦めず立ち上がりミラに立ち向かった。
「ミラああああああああああああああああ!」
マーガレットは銃を向ける事なくミラの元へ走り出した。ミラはそれを見て笑いながら攻撃を仕掛けマーガレットは傷だらけになりながらも必死に走った。
そしてマーガレットはナイフを取り出しミラの赤い目に深く刺した。
ミラはマーガレットを突き飛ばしふらつきだした。
マーガレットは地面に倒れる。
「あ…あ…ああああああああああああああ!」
ミラはナイフの刺さった目をおさえ、ナイフを掴むとゆっくりと引っ張る。
「うぐ…!ふぅ…ぐっ…あ…ああ…!」
目から血がドクドクと流れ出しナイフを引き抜く。
ナイフを投げ捨てるとミラはマーガレットの事を睨みつけた。
「てめぇ…ふざけやがって…」
「はっ…やっと本体が出てきたか…さっさと死ねばよかったのにな…」
マーガレットは銃をミラの負傷した目へ向け発砲し命中した。
ミラは何も言わず倒れた。
「…くっ…いってぇ…」
マーガレットは無数に受けた傷を庇いながらも立ち上がりミラの元へ歩いた。
ミラを眺めると血だらけで片目は無くなっていたがマーガレットの知っている元のミラに戻っていた。
「はぁ…お願い…早く…殺して…」
「どうしてだ…中にいたやつは死んだんじゃないのか…?」
「死んでな…いよ…ただ弱ってるだけ…言ったでしょ…私の体には十体いるって…そのうちの一体が死んだだけ…だから…早く…」
マーガレットはミラに馬乗りになった。
「その虫を取り出す事って出来ないのか?」
「無理…時間経ってるし…だから…ここを…その銃で…撃って…」
ミラはマーガレット自分の額を人差し指でツンツンと触り促した。
マーガレットは何も言わずM500をミラの額にコツッとつけた。
ポツポツと涙が流れ、手が震えだした。
「…落ち着いて…マーガレット…私なら…大丈夫…だ…から…泣かないで…」
「無理だ…私には…」
「…お願い…ね…?」
ミラは涙を流し、笑顔で言った。
マーガレットは震えながらもハンマーをカチリと動かす。
するとマーガレットとミラとの思い出がどんどん浮かび上がる。
「…っ!」
バン………
銃声が鳴り響きマーガレットの放った銃弾はミラの頭を吹き飛ばし無残な姿になった。
マーガレットは力尽きたように銃を地面に置きミラとの胸に手をかざした。心臓は止まりミラは死亡した。
「…は…はは…ははははは……くそ…ちくしょう…」
マーガレットは涙を拭い立ち上がり近くの壁に寄りかかりタバコを吸い出した。
「はぁ…はぁ…マーガレットぉ!…大丈夫だっ……」
遠くからサーニャとミーナが走ってきた。
サーニャとミーナはマーガレットの様子を見て言葉を失った。
「サーニャとミーナ…無事だったんだな…」
「うん…マーガレット…大丈夫…?それにこれ…」
サーニャはミラの遺体を見る。
「ああ…そいつが私の師匠だったミラだよ…救えなかったがな…」
「「……」」
サーニャとミーナは言葉が浮かばなかった。
マーガレットはミラが首にかけていたネックレスを取りポケットにしまった。
「いくぞ。ロゼッタを見つけねぇと…」
サーニャ達は地下道を歩き進めた。
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