第54話 再会②
「ミラ…それってどういう事だよ…殺してほしいって…」
「私は…マーガレットが知っているミラじゃないの…」
ミラはマーガレットにショットガンを向けるのをやめ口を思いっきり開くと口の中から虫のような化け物を出し口を閉じるのと同時に化け物を口の中へしまった。マーガレットは状況が理解できなかった。
「私はある日ヴィランズコーストに捕まって地獄のような拷問を受けたの。それでも私は必死に抵抗したからメアリが凄く怒って私の体を実験台に使う事にしたの…」
「…実験…台…?」
「うん…「グレッタ」の実験台にね。彼女は私の体に虫を十体入れて私を人間じゃなくさせた…自殺をしようと何度も…何度も何度も何度も思って行動したけど頭の中にいる虫が頭の中を弄ってきて出来なかった…だからマーガレット…お願い…私を殺して!私はもう嫌なの!虫に洗脳されて色んな人を殺すのはもう嫌なの!お願い!お願い!…おねが…っ!…」
ミラは必死にマーガレットに願うが電源が切れたかのように突然黙り込み俯き出し頭をおさえた。
「ミラ…おい…」
マーガレットは状況が掴めないもののミラを心配しミラの肩に手を置こうとしたがパチンとミラに叩かれた。
「イタい…いタイ…イタイ…イたい…いやああああああああああああああ!やだ!嫌だああああああああああああああああああ!もう嫌だ!もう嫌なの!マーガレット!早く私を殺してええ!いやああああああああ!」
ミラの頭からぐちゅぐちゅと音が響き渡り頭の痛みに悶えながらミラ暴れた。マーガレットはミラのショットガンを拾い上げ弾を装填しミラへ向ける。
だが突然ミラにショットガンを勢いよく弾き飛ばされショットガンは地面に転がっていった。
「…ふふ」
ミラは顔を上げさっきとは目つきが変わり気味の悪い笑みを浮かべた。
バッと勢いよくマーガレットの喉元に掴みかかりバランスを崩させ倒すと笑いながら首を強く絞めつける。
「ぐっ…が…」(なんだ…この力…片手なのに…骨まで折られる勢いだ…)
「あははは!そんなもんなの!?前より弱くなってない!?」
「…う…うるせぇ!!」
マーガレットは銃を取り出しミラの頭を思いっきり殴った。ミラは首を絞める手を緩めマーガレットはその隙にミラの足を撃つ。ミラが痛みに悶えている間に立ち上がり地面に転がっていたショットガンを拾い上げ逃げ出した。
「へー…やるじゃん…マーガレット…」
ミラはゆっくりと立ち上がりにっこり笑うと負傷した足を引きずりながらマーガレットが逃げた方向へ歩いた。
「はぁ…はぁ…かはっ…!はぁ…」(くそ…そのまま一緒に逃げ出せるって思ったのに…殺さなきゃいけないなんて…)
マーガレットは壁に寄りかかり息を潜めながら自分の銃の弾数を確認した。リボルバー用は20発、ライフル用は17発。むやみに使ったらすぐに無くなる量だ。それにショットガンの弾は持っていなかった。
「くそ…多分このショットガンは…最大8発入るはずだが…あまり使えねぇな…」
マーガレットは壁をつたいながら進んでいくと扉を見つけゆっくりと開けた。中は真っ暗で見えなかった為ポケットからライターを取り出し火をつけ部屋に入った。
部屋の中はベッドとテーブルが置いてあるだけだった。
「こういう時にタバコ吸ってるやつって楽なんだよな…って…これ…!」
テーブルの上に置いてあったのは銃や弾だった。
マーガレットは銃を手に取り使えるかを確認した。
「…よし!使える!」
マーガレットは部屋にあった武器や弾をありったけ持ち部屋を出た。
(ミラ…必ずお前の事を救ってやる…!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます