第44話 怪物
爆発のあった場所を目指し進んでいくと何者かが仕掛けた黒い影のような敵が襲ってくる場面があったがマーガレットはライフルで頭を正確に撃ち抜き倒していく。
「…もしかしてマーガレット、結構やる気になってる?」
ロゼッタはいきいきしてるマーガレットを見て笑顔で言った。
「ああ!こんなやる気になったのなんてガキの頃以来だぜ!」
マーガレットは満面の笑みでライフルのレバーを動かし薬莢を捨てた。
目的地の大聖堂の前にたどり着くが瓦礫と無数の敵が行手を阻み進めなかった。
大講堂の中からか誰かが戦ってる音が聞こえロゼッタは魔法を使い誰がいるか調べた。
「サーニャとあともう一人の反応がある!」
「そうか…でも…これじゃあ進めねぇなぁ…」
マーガレットは進めるんならそのまま行きたいが行けない、ロゼッタの魔法で瓦礫を退かす事も考えたがかなり大きい為魔力を多く使いそうだと考え却下、出来るだけロゼッタの魔力を温存したかった。
頭をポリポリかいた。何気なく辺りを見てみると建物の外に鉄製の階段があり屋上まで行けることに気がついた。
マーガレットとロゼッタは階段を上り屋上にたどり着くとマーガレットはぶつぶつと言いながら屋上をウロウロした。
「なあロゼッタ、物出すのってどれぐらい魔力使うんだ?」
「うーん…物の大きさにもよるけどあまり魔力は使わないかな。瓦礫とか重い物退かす方が魔力かなり使う」
「ふーん…じゃあバイクって出せる?」
「出せるけど…はい……?」
ロゼッタはよくわからないままバイクをポンと出した。
マーガレットはバイクに跨るとエンジンをかけロゼッタに乗るよう合図する。
ロゼッタは何をするのかわからないままバイクに跨る。
「よし、じゃあ行くか!」
マーガレットはそう言うとニヤリと笑いながらアクセルを吹かし始め後輪が空転しだす。
ロゼッタは突然の事に驚きマーガレットにしっかりと抱きつく。
「マーガレット!?何すんの!?ちょっと!?待って!待って待って待て待て!」
「昔みたいにいくかわかんねぇけど!舌噛むなよー!!」
マーガレットがブレーキをパッと離すとバイクは勢いよく大聖堂目掛けて走り出す。
だが大聖堂とマーガレット達のいるビルは離れており飛び降り自殺をしているようなものだ。
「昔みたいにってなにいいいいぃぃー!」
ロゼッタはあまりの恐怖から叫び出した。
時は戻り数時間前
サーニャはミーナを探す為町の中を歩き回っていた。
「ミーナちゃーん!どこー!」
サーニャの声が響き渡るだけだった。
「どこ行ったの…ミーナちゃん…」
サーニャは途方に暮れ、路地に入るとはぁはぁと息を荒げながら走っているミーナを見つけた。
「ミーナちゃん!待って!」
サーニャは必死にミーナを追いかけるがなかなか追いつけない。
(速い…はぁ…はぁ…全然追いつけないし離されてる気がする…)
「待ってよー!ねえ!急にどうしたの!?」
サーニャは走りながらミーナに問いかけるが一切反応
がない。
そしてミーナは大聖堂の中に入った。
サーニャは息を切らし大聖堂の扉の前で止まる。
「はぁ…はぁ…この中に入った…か…」
サーニャは深呼吸をし念のため魔法の杖を出した。
ゆっくりと扉を開け中に入ると月明かりでステンドグラスは輝き神秘的な空間だ。
ミーナは中心にある祭壇の奥にある像を眺めるようにして立っていた。
「…ミーナ…ちゃん…?」
「………」
反応がない。サーニャは不安になりゆっくりと近づく。
「どうしたの?どこか痛いの?ねえ…」
ポタッ…
静まりかえった大聖堂内に水滴の音が響き渡る。
「アっ、サーにャさン…」
ミーナはくるりと向きを変えサーニャを見た。
「…っ!?」
サーニャはミーナの姿を見て驚愕した。
普段は青く透き通った瞳が赤くなり首から下は黒くなっており薄気味悪く笑っていた。
「ドうしタんデスカ?さーニゃサん?」
ミーナは驚愕したサーニャを嘲笑い近づいてくる。
スッ…
ミーナは突然姿を消し笑い声が大聖堂に響き渡る。
ガシッ!
「ぐっ…あ…!」
突然サーニャの前にミーナが現れサーニャの首を掴みかかり強く首を絞める。
「あはははは!楽しいですねぇ!」
ミーナの首絞める強さはどんどん強くなり意識が徐々に薄くなり始める。
(…痛い…くる…し…でも…ミーナ…ち…ゃ……んを…)
「……助けるんだあああああああああ!」
サーニャはミーナの腹部に杖を向け勢いよく叫ぶと杖から光が飛びミーナは吹き飛ばされた。
ミーナは祭壇にぶつかり衝撃で煙や埃が立ち込める。
「…はぁ!あ…げほっ!げほ!はー…はー…」
サーニャはむせながらも呼吸を整え再びミーナに杖を向ける。
吹き飛ばされ祭壇にぶつかったミーナはゆっくり立ち上がるとサーニャを睨みつけた。
ミーナは魔法で本を出しぶつぶつと何かを言い始める。
ビュンビュンと光がサーニャ目掛けて飛び交い何発か当たってしまう。
サーニャも魔法の杖でガードしつつ応戦するがミーナに当たってもダメージがなさそうだった。
ズバッ
「…っ!」(強い…!それに…私の攻撃が効いてる感じがしない!エリスさんから貰ったメモを貼るタイミングが全然掴めない!)
ゴゴゴゴ…
魔法を出し慣れてないサーニャの出した攻撃魔法は中々コントロール出来ず何個か大聖堂の天井や壁に当たり脆くなった壁が崩れ始める。
ミーナの攻撃を受け続けサーニャの体は傷だらけになり立っているのがやっとだった。
ミーナはそれを見て嘲笑う。
「お願い…ロゼッタ…マーガレット…早く…助けて…」
ブォォォォォ……
ガシャアアアアアアン……!
突然サーニャの後ろの天井付近のステンドグラスが割れバイクに乗ったマーガレットとロゼッタが現れた。
「マーガレット…!ロゼッタ…!」
サーニャは嬉しさからか泣きそうになる。
「ロゼッタ!お前はサーニャを頼む!あのバケモンはこっちでやる!」
「わかった!」
ロゼッタは真っ先に降りサーニャのもとへ降り立つ。
マーガレットはバイクに跨りながら肩にかけてたライフルを手に取りミーナ目掛け数発発砲した。だがミーナにはあまり効いていない様子だった。
そしてマーガレットは吊るされた大きな照明に手をかけるのと同時にバイクを捨てた。
バイクは地面に落ちるとチャーチルチェアをなぎ倒しながら滑り、ミーナの前で止まる。
マーガレットはスピンコックしバイクの近くを撃った。
撃った弾はマーガレットが乗り捨てる直前に開けといた給油口から漏れたガソリンに引火し、燃え広がった後バイクは爆発しミーナと周りは炎上した。
「よっしゃあ!」
マーガレットはそう言いぶら下がっている照明を揺らすとパッと手を離しサーニャ達の前に着地した。
「これでどうにか大丈夫だろ」
「ロゼッタ…マーガレット…助けに来てくれてありがとう…」
「遅くなってごめんね…でも、あれがミーナちゃんなんて…」
ロゼッタは燃え広がる祭壇を見てあることに気がついた。
「ねぇ…あれ何…?」
サーニャとマーガレットはロゼッタの指差す方を見た。
炎の中にゆっくりと立ち上がりこっちに向かってくる人影があったが何かがおかしい。
普通なら動けないはずだが火をものともせずパチパチと炎の音と一緒に微かにぐちょぐちょと粘液の音と怪物の鳴き声のようなのも聞こえた。
その人影は服が所々焼け焦げ、皮膚は所々焼けただれグロテスクな見た目、蛾のような羽を生やした変わり果てたミーナだった。
サーニャ達はミーナの姿を見て唖然とした。ミーナはそれを見て薄気味悪い笑みを浮かべた。
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