第43話 武器補充

キラーが自分の銃に弾を込めていると近くにうっすらと紫色の光を纏った黒い蝶がぱたぱたと飛び降り地面に止まる。

すると一匹の蝶からバサバサと無数の蝶が現れ、消えるように飛び立つとそこには魔法使いが立っていた。


「遅いじゃねぇか…ローズ。どこ行ってたんだよ」


キラーはローズを見て笑う。


「あんたには関係ないでしょ。それより、この女は始末できたの?」


ローズは倒れて動かないマーガレットを足で突く。


「ああ、できたと思うぜ」


キラーは笑った。だがローズは表情一つ変えなかった。


「…そう…ならあんたはさっさと目的の場所に行きなさい。後は私がどうにかするから」


「はいよー」


キラーはそういうと爆発があった方向へ向かった。

ローズはマーガレットの前でしゃがみ込みマーガレットの頭の上に手をのせた。


「…ロゼッタに仲間が出来たなんてね」







数分後


…マーガ…!…ガレ…!マーガレット…!


(誰だ…呼んでるの…?)


「マーガレット!しっかりして!」


「…っ!?」


マーガレットは目を覚まし起き上がる。隣にはロゼッタが座っていた。


「マーガレット!!大丈夫!?」


「ああ…ロゼッタか…大丈夫…あれ?」


マーガレットは体に違和感を感じ銃弾を受けた背中を摩ったが服が穴空いてるだけで弾痕は無くなっていた。


「ロゼッタが治してくれたのか?」


「違う…何もしてないよ?爆発があったからそこに向かってる途中でマーガレットが倒れてたから…」


「そうか…とりあえず爆発のあったとこに行くか。ミーナがいなければいいけど…」


マーガレットはゆっくりと立ち上がる。体に違和感がなく立ててる事が逆におかしく感じた。そして前ニーダとの戦闘で痛めた手首も治ってる事に気がついた。


「マーガレット…あんま無理しないでね。何かあったら遠慮しなくていいから」


ロゼッタは心配そうにマーガレットに言った。それを聞きマーガレットはにこっと笑った。


「遠慮しなくていいんだな?」


「え?あ、うん…?」


ロゼッタは何でマーガレットがにやついてるのかよく分からなかった。


「じゃあこのウェブリーMk IVをもう一丁、ウィンチェスターM1894、それと弾を多め!よろしく!」


「あ…うんわかった…」


ロゼッタは言われた通り魔法で銃と弾を出した。

マーガレットはにこにこしながら銃を確認したりリボルバーに弾を込めたりする。


「ね…ねぇ…マーガレット…?」


「ん?どした?」


「私はよくわかんないんだけどマーガレットの使ってる銃って見た感じ古いの多いけど…新しいのとかにしなくていいの?あといちいちリロード?しなくていいように弾無限にする事も出来るけど…いいの…?」


「いいんだよこれで。私が使いやすいの使いたいんだよ。まあ本音言うともしもの為に威力高いの使いたいけど反動が痛いしなぁ…」


「そ…そうなんだ…」


ロゼッタはあまり言い返す気が起きなかった。

マーガレットはリボルバーがちゃんと動くのを確認した後ライフルの動作確認の為レバーをガチャッと動かし少し考えた。


「…やっぱ念のため強いのもくれないか?」


「わかった。希望とかある?」


「今のところはないな…」


ロゼッタは何を出せばいいかわからなかったため、とりあえず強そうな銃を魔法で出しマーガレットに渡した。


「…ははっ…おいまじかよ…」


マーガレットは渡されたS&W M500を見てハハッと苦笑いした。


「…こりゃあ最終手段だな」


「ごめん…銃よくわかんないから…」


「いいよいいよ!とりあえずミーナのところに行くか!」


マーガレットはライフルに弾を数発込め肩にかけM500をホルスターに仕舞う。そして長い髪をヘアゴムでまとめ、両手に革の手袋をはめる。

マーガレットとロゼッタは爆発のあった場所へ向かった。

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