第42話マーガレットvsキラー

サーニャ達はミーナを探す為宿を出た。

ロゼッタはミーナの手掛かりを見つける為に魔法を使う。


「…どうだ?」


「だめ…全然魔力を感じない…」


「ちっ…じゃあ手分けして探すしかないか…じゃあロゼッタは右の通りを、サーニャは左、私は海沿いを探してみる!」


「うんわかった!みんな気をつけてね!」


サーニャ達は手分けしてミーナを探す事にしたが気温はとても寒く雪が降り頻る。さらに小道がかなり多く入り組んでおり非常に苦労する。

寒いのが苦手なマーガレットは少し苛立ち始める。


「くっそ…なんでこんな寒い時に…ミーナー!どこ行ったー!」


マーガレットは声を上げて探すが状況は変わらずだった。

小走りでミーナを探していると正面にフードを被った人物が立っていた。

最初はミーナかと思い声をかけようとしたがその人物はミーナより背が高く一歩も動かない。

嫌な気配を感じマーガレットは銃に手を添える。


「何だお前…」


マーガレットは恐る恐る声をかける。

するとフードを被った人物はニッコリ笑いポケットから手榴弾取り出しピンを外しマーガレットの足元に投げた。


「…っ!」ザッ!


ドガーン!!


マーガレットはとっさに近くの物陰に隠れ爆発を免れた。


「なんだーやるじゃんか…」


フードを被った人物はそう言いながらフードを取り歩み寄ってくる。

マーガレットは物陰から謎の人物の様子を見る。

謎の人物は女性で短髪。右目に傷があり閉じている。

そしてニヤついていた。


「なぁ…さっさと出てこいよマーガレットさぁ…あっもしかしてさっきのでビビったのかぁ?じゃあ仕方ねぇなぁ…」


女性はマーガレットの名前を言いサバイバルナイフを取り出す。


「なんで私の名を…」


マーガレットは女性に問いただす。


「それはなぁ…」


ビュン!


女性は突然駆け出し、マーガレットの前に来るとマーガレットの首筋にサバイバルナイフを向け刺そうとした。


ガシッ

ゴズッ!


マーガレットはとっさに女性のサバイバルナイフの持った腕を掴み腹部をかかとで蹴る。


「ゴハァ…!」


女性はサバイバルナイフを落とし倒れる。

マーガレットはその隙に落ちたサバイバルナイフを女性から離れた場所に蹴飛ばし銃を向けながらゆっくりと距離を置く。


「くそやろうがああああああああああああああああああああ!殺す!殺す殺す殺す殺す殺す殺す!」


女性は新たにサバイバルナイフを取り出しマーガレットを睨みつけながら怒鳴り散らし無我夢中でマーガレットに攻撃をする。

マーガレットは撃つタイミングを逃してしまい銃でサバイバルナイフが刺さらないようガードした。

ガギンガキンと銃とサバイバルナイフがぶつかる音が響き渡り、どんどん追い詰められる。

女性がマーガレットの顔面めがけてサバイバルナイフを刺そうとした瞬間マーガレットはしゃがみ込みタックルをして距離を離した。

女性はバランスを崩し後ろに倒れる。


「はぁ…はぁ…」(なんだこいつ…そんな事よりミーナを探さないと…)


マーガレットは女性が倒れてる隙に逃げミーナを探そうと動く。


「ははははは!」


女性は突然笑い出しゆっくりと立ち上がる。マーガレットは驚き足を止める。


「はぁ…マーガレット…やるじゃねぇか…でも…ミーナはもう手遅れかもなぁ…」


女性はマーガレットを睨みつけながら笑う。


「何言ってんだ…ふざけた事いってん…」


ドガァアアン…


突然建物が崩れ落ちる音が聞こえマーガレットは音の聞こえた方角を見る。


(マーガレット!聞こえる!?)


そして頭の中からロゼッタの声が聞こえ始める。


「ロゼッタ!?お前どこにいんだよ!?あとなんだよさっきの音!?」


(今そっちに向かってる!ローズがそっちに向かってるから気をつけて!)


「おい…ローズってなんだよ!おい!」


ロゼッタが返事をしなくなりマーガレットが混乱していると女性はマーガレットに回し蹴りをする。


「隙見せてんじゃねぇよおらぁ!」


バギィッ!


頭に受けた一撃は非常に重く、まるで鉄板で殴られたような痛みだった。マーガレットの頭から血が流れふらつき始める。


(くそ…さっきの一撃ですげぇ頭がぐらつく…立てねぇ…)


ドサッ…


マーガレットは立ち上がることが出来なくなり視界がかすみ始め、音しか聞こえなくなっていた。


(なんだよ…動けよ…私の体…!どうして動かねぇんだよ!これじゃミーナを助けられねぇだろ…!)


言う事を聞かない自分の体に悔しさと苛立ちが募る。


「はぁ?これで終わりかよ…なんか話に聞いてたのと違うじゃねぇか…」


女性は呆れながら両脚に隠していた鉄板を固定してたベルトを外しポイっと投げ捨てる。

そしてマーガレットに近寄ると落ちていたマーガレットの銃を拾い手慣れた様子で弾を一発だけ残し抜き取った弾を自分のポケットに入れる。

カチリとハンマーを起こしマーガレットに向ける。


「まあいい…どうせ聞いてねぇだろうけど俺の名前は「キラー」。お前とやれて良かったぜ…」


「姉さん…」


バン…


キラーはそう言い残しマーガレットに向け発砲した。

銃を捨て自分の胸ポケットに入れていた銃にマーガレットの銃から取った弾を込める。

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