第37話 ニーダ

「あの子の指輪について聞きたいんだけど」




ロゼッタはニーダに質問をした。




「指輪…?ああ、あいつがつけてるやつか。それがどうした」




「あの指輪って何年か前に革命で崩壊した王国のだよね?分かるのなら教えて」




「そりゃあ…アンジュは私と会う前は王族の娘だしな。つけてて当たり前だろ」




「…そうか…わかった。それともうひと…」




「あれー?何でニーダが生きてるんだー?」




ロゼッタがもう一つ質問しようとした時ロゼッタ達の後ろから声が聞こえた。


ロゼッタ達は後ろを向くとそこには体中に縫い目がある少女が立っていた。




「モーガン…何でお前がここに…」




「うーん?ジャックにニーダを好きにしていいって言われたんだぞ!」




モーガンはそう言うと満面の笑みで言った。




「ねぇ、彼女とは知り合いなの?」




ロゼッタはニーダを庇いながら聞いた。


モーガンはうずうずして何かを我慢できなさそうにしていた。




「ああ、しかもあいつはかなりやばい…お願いだ…お前らだけ逃げてくれ…」




「でも…」




「いいから!」




ニーダはそう叫びロゼッタを突き放す。




「ガアッ!」




ビュッ!




モーガンは口を思いっきり広げ凄まじい速さでニーダに飛びつく。


ニーダは思わず目を閉じた。




ガァジュッ!




噛まれた音はしたが痛みがない。ニーダは不思議に思い目を開く。




「っ…いった…」




モーガンはロゼッタの腕に噛み付いていた。




「…っお前!」




ロゼッタの腕から血がポタポタと垂れる。


ニーダは力ずくでモーガンを引き離そうとするがなかなか離れない。


どんどん噛む力は強くなりロゼッタの表情が痛みで歪む。




バンッバンッ…




マーガレットはモーガンに向け二発発砲した。


するとモーガンの動きは止まり噛みつくのをやめ倒れた。




「はぁ…はぁ…ロゼッタ…大丈夫か…」




「うん…なんとかなると思う…それより…ニーダちゃんに怪我がなくてよかった…」




バキッ…バキバキッ…




突然モーガンの体から謎の音が聞こえモーガンはゆっくりと立ち上がりにっこりと笑う。




「はぁ!?こいつ心臓撃っても死なねぇのかよ!?」




マーガレットは突然のことに理解が出来ず再び銃を向け発砲する。


だがモーガンは笑顔のままだった。




「いひぃー…そんなの効くわけないじゃんー」




モーガンは弾痕に指を入れぐちゅぐちゅと触り銃弾を引き摺り出し投げ捨てる。




「なんだよ…こいつ…」


(心臓撃っても死なねぇし…痛がりもしねぇ…まるで死人みたいだ…)




「今日はもういいやーニーダ次は楽しみに待ってるぞー」




モーガンはニーダに言い残すと凄まじい速さで飛び出していった

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