第10話 この先の旅

ある森の木の上。


距離的にはロゼッタの家から数キロメートル離れたあたりにボーガンを構える女とロゼッタの家を見ている女がいた。




「どお?当たった?」




女はボーガンを構える女に聞いた。




「いや、わざと外した。」




ボーガンの女は冷静にどこか冷たげに答える。




「はぁ?なんで?」




望遠鏡の女は理解できず若干キレ気味で言い返した。




「あんたの能力なら一発でいけるじゃん。なんでやらないの?」




ボーガンの女は目で合図を送りロゼッタの家を見るように言う。


女はめんどくさげに望遠鏡を取り出し覗いた。




「つったく…なによ見ろって……お?何あの子?あんな子いたっけ?」




女はボーガンの女に聞く。




「知らない。あいつも一緒に殺やるか?」




ボーガンの女はボーガンに矢を取り付ける。手慣れているのか普通の人より速い。扱い慣れている人よりも格段に速い。




「いや?いいんじゃない?あれは利用できそうだし…。」




女は望遠鏡を眺めながらニヤリと笑い言い放つ。




「そうか。」




女はボーガンを魔法でしまう。




「はあーなんかお腹すいてきたー…ねぇ、うち戻る前に何か食べに行こうよー」




「またか…わかった」




二人はそう言うとすうっと暗闇に消えた。








場所は変わってロゼッタの家の中




「ロゼッタ?もう行くの?」




「うん、ここがばれちゃったからね…ここはばれたくなかったなぁ…」




二人は荷物をバックに詰め外に出る。


そして箒にまたがり空を飛ぶ。




「今までの本とかはどうするの?」




「大丈夫。全部あるから」




「そうなんだ…」




サーニャはそう言うと黙り込んだ。さっきの矢のことがずっと頭の中に残っていた。




「ねぇ…ロゼッ…」




ベキベキベキッ!


箒から音が聞こえた。音と同時にサーニャはガクッと落ちかけた。




「ちょっと!なんでこんな時に…っサーニャ!捕まって!」




ロゼッタはサーニャに手を伸ばした。サーニャは手を掴む。


箒は音を立てながら亀裂が入ったところから真っ二つに割れ二人はそのまま落ちていった。


ガサっ!ガサっ!ガササっ!…ドサっ






「いっつつ…サーニャ…怪我ない?」




「うん…大丈夫…」




ちょうどよく落ちた場所が木の上だったおかげでクッションになり二人に怪我はなかった。


サーニャはバラバラになり落ちた箒の残骸を拾う。




「これって直せないの?」




サーニャはロゼッタに聞いた。




「直せるけど飛ぶことは出来ないよ。ただの箒に戻るだけ…」




「そうなんだ…」




「もう歩くしかないよ…歩こう?」




ロゼッタは悲しい顔をしながら言った。




「…うん」




サーニャはそれしか答えることが出来なかった。


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