ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

前に書いたのは所々間違いとかあるかもしれませんが、事前情報の一環として取っておくことにします。


えー本作の感想を語るにあたっては結構余計な話もするかもしれませんがご容赦ください。


さて、では早速ですが……。


ノックスの十戒はノックス先生も破ってるからな!

そもそもこれそういう話じゃないから!

事件簿ってついてるけどミステリーじゃないから!


はい、ノックスの十戒の何番目かは忘れましたが「中国人を出してはいけない」。


これは差別とかではなく、当時のノックス先生たちの認識で「中国人は不可思議な呪術が使える」というのが元らしいです。

現代風に要約するなら、超能力やSFや魔法の類は全部禁止ね。

ということです。


まぁもろに無視していますが上記の通り。

ミステリーに魔術が出てきたのではない、魔術が出てきた作品にミステリーっぽいタイトルがついているだけなんだ。


これがこの作品に対する注意点ですね。

ニコニコでもよくこの話でコメント欄で論争していました。


OPの雰囲気は素晴らしかったけれど一部の魔術回路を持った視聴者には歌詞が聞こえなかったそうですね。

私にも聞こえなかったから、魔術回路があるのかもしれません。


魔術回路ってなんぞやというと、魔術を使うために必要な臓器だとおもってください。

親は子、あるいは自分に弟子入りしたり金を積んで後ろ盾になってよと言ってきた者達にこれを移植することで魔術師とします。

世代を重ねる度にこれは強くなるけれど、逆に重ねすぎると劣化するという特徴もあります。

この辺は前回書いた覚えがありますが……ともあれ主人公のロード・エルメロイⅡ世は3代目、魔術師界隈ではまだ赤子同然の存在です。


そんなのが主人公でいいのか?

という点に関してはもう一つ注釈。

ロードというのは魔術の総本山である時計塔、イギリスにある魔術学校の幹部みたいなものです。

全部で12人いて、主人公はFate/zeroの時代を経てなんやかんやあってこの地位につくことになりました。

そのなんやかんやはある程度本編で語られています。


じゃあそんな幹部に赤子同然の魔術師がいていいのか、という話ですが他のロードはなし崩し的に主人公を認めています。


理由は、魔術を扱う才能はクソだけれど教える才能、開花させる才能、魔術を紐解く才能に関してはとてつもない天才だからです。


zeroであった台詞を引用させていただくならば「下策から上首尾に至る天才」といったところでしょうか。


魔術の世界では、魔術を拳銃などの道具のように扱う者を魔術師ではなく魔術使いと呼んで忌避しています。

そんな魔術使いや、天才達の戦いに参加した主人公は生き方をがらりと変えて合理的に物事を考えるようになります。

少し間違った方向性で。


魔術師が扱う魔術というのは基本的に隠匿されるべきもので、門外不出というのが大半です。

それを外部にも伝える異端者や、術の形式テンプレートなどはありますが……。

ともあれその魔術の骨子を暴くというのは魔術師としての尊厳から何から何まで奪い去るに等しい行為です。


いうなれば1年かけて書き上げた卒業論文の概要を聞かされたら内容全部言い当てられた、というのを規模を先祖代々云々レベルまで引き上げた感じです。


基本的にこの読解は魔術戦闘においてかなり有効で、カードゲームで言うなら相手の手札の何枚かが見えている状態です。

そしてこれが肝なんですが、主人公。

この読解が上記の通り天才的に得意で、なおかつ「私程度がわかるんだからみんなわかるでしょ」というはた迷惑な性格をしています。

つまり自己評価が低すぎる。

実際はもっと評価されるべき立場で、周囲もあんたスゲーよと言っているのに本人だけがそんなことは無いと謙遜抜きで本心から言っている状態ですね。


そんな主人公を支えるヒロインはフードで顔を隠して、一人称が拙。

超かわいい……。


でも一番好きなのはライネスです。


えー本編の内容ほとんど触れないでキャラ設定とかそういうの語ってしまいましたが……内容は素晴らしい物でした。

神アニメという言葉を使うと安っぽく見えてしまうかもしれませんが、型月ファンならぜひ見るべき作品です。

何処を語ってもネタバレになるし、どこそこを語ると伏線に触れるしで……。


とにかく内容には触れにくいですね。


公判がタイトルの魔眼蒐集列車という書籍版の内容で、前半はアニメオリジナルの話です。

前半部分に関しては基本的に一話完結となっているので(たまに前後編)興味があるならば私の書いた諸々なり、アマプラなどで見れる型月シリーズを見てから視聴するなりというのをお勧めします。


これ単体だとなんのこっちゃという事になりそうなので……。


てなわけで総評。

すっごい悩むんですよね……アニメとしての出来は最高なんですが入り口の狭さというか、逆に広すぎる入り口の先にある何かだから手を出しにくいというか……。

しかもこれ書籍版の1巻ではなく4,5巻なのでさらに扱いに困るという……。

でもその辺り考慮すると2期3期とあるアニメを語る際に減点しなければいけないので純粋にアニメとしての出来栄えで評価していきたいと思います。


星5!

孔明だからじゃないですよ。

面白さ星5です!


総評:☆☆☆☆☆

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