ドリフターズ

感想

今回ちょっと怒られそうなことを言います。

ドリフターズ、これはレベルが違うためわかりにくいのですがネット小説界隈で流行っていた異世界転移物ですね。

つまり熟練のプロが本気で異世界転移を描いたらこうなるよという一種の言う見本。


作者の平野耕太先生はヘルシングで大人気ですが、今度の主人公は吸血鬼ではなく純粋な人間。

少し怪しいですけど人間です。

いや、だって……あそこまでボロ雑巾みたいになって尚平然としている人を同じ人間と言い切れるかと言うと少し怪しいですから。


と言うわけで主人公。

島津豊久、徳川さん家になんだアイツらやべえじゃんこっちくんなあっち行け、と言わしめる戦闘民族島津の一員です。

その様相は序盤、異世界に転移する前から発揮されて殿を務めつつも敵の大将首を討ちとらんとする姿勢から見えますね。

その後も対象首を見ると妖怪首おいてけに変身したりと……。


そんな島津さんとこの豊久君を先導するのは織田信長。

うつけ者と呼ばれながらに天下統一に王手をかけた男。

この作品の中ではうつけ者の一面が強めに描かれていますが、同時にブレーキの存在しない豊久に振り回される苦労人の役も買っています。

戦争の腕前は生前と変わらずずば抜けた物ですが、愛嬌のあるキャラクターですね。

そんな人物が時折見せる戦国の空気はギャップも相まって実に響く。


そしてその二人を支えたり煽ったりする那須与一。

源氏の中でも言わずと知れた弓の名手です。

まぁほんと、すっごい煽るしすっごい怖い。

三人の中でわかりやすくおっかない人として描かれている節があります。


ちなみに豊久は頭のねじが飛んでる人として描かれて、信長はそれに振り回されているけど実はやばいことやらせてくる人と言う描き方ですね。


さてさて、そんなこんなでドリフターズの主要キャラの紹介はこのくらいでして。

じゃあそもそもタイトルのドリフターズとはなんぞやと言う点についてご説明。

漢字で書くと漂流者で、つまりこの地球で何かしらの偉業を成し遂げた上で死亡、あるいはそれに近い状態に陥った際に紫と呼ばれる眼鏡の男性によって異世界に飛ばされます。


その人たちが漂流者、あるいは漂流物、つまりドリフターズです。

そんな彼らが何をするかと言うと、序盤は国盗りをします。

エルフやドワーフが虐げられている世界で、そんな彼らを手中に収めて人間の国家を相手に大立ち回りをする。

しかしその途中でエンズなる集団と戦う事に。


エンズとは廃棄物と書き、紫とは別の存在EASYによって異世界転移させられた者達です。

私の見た限りでは英雄でありながら世界に不要と判断されて殺された人物が目立ちました。

ともあれ、そんなエンズの目的も国盗り。

ただしこちらはゴブリンやオークといった人型の範疇すら微妙に外れた者達を従えているという点が違うのと、各々特別な能力を持っています。

例えば火を操る女性や、先に死んでいった仲間たちの霊を召喚するなどですね。


その中でもずば抜けてチートなのが黒王なる人物。

一部ではイエス・キリストではと言う声も飛び交っていますが審議は今のところ不明です。

そんなエンズ率いる黒王軍と戦うべく人間の国家とドリフターズは手を組み……と言う所までがアニメの範囲。

正確には鉄砲を作ったりして海上商業国家に売りつけるなどのシーンまでですね。


ではアニメではその辺りどうなんだという事を騙っていくと、実に見事。

これぞドリフターズだという空気を全身で感じるほどでした源氏万歳。

絵が崩れることは無いし、丁寧に話を進めていく。

正直底は胸糞悪くなるよねと言うシーンもカットせず、やりすぎてドン引きですわと言うシーンだってちゃんと描写する。

必要ならばやるぞという覚悟が見える作品でした。


声の演技も素晴らしいと絶賛します。

前作主人公(?)のアーカードと共に血の涙を流しながら拍手を送りたいです。


そしてOPED。

「あぁこれから始まるのか」「今日の戦いも濃い物だった……」という感傷に浸らせてくれる素晴らしいマッチ。

スポンサー紹介の際には浮世絵風に書かれた登場人物がこれまた面白かったです。


では、そろそろ総評へと行かせていただきます。

もうざっくりすっぱりきっかりと、5点!

だって非の打ち所がないのでこれ以外に答えようがないんですよ。

しいて言うなら1クール+αだけなのはさみしいよねと言う所ですが、ストックがまだまだ足りないのでその辺りは致し方なし。

二期が来たらまた別ページで感想書きます。


評価:☆☆☆☆☆

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