第11話 バンコクに3日で慣れる方法
ベテラン高岡さんによる、バンコクに3日で慣れる方法の講義です。
「とにかく毎日、幽霊バスに乗ることだ」
高岡さんの言う幽霊バスとはつまり知らない行き先ナンバーの付いたバスに乗れということでした。
彼の説明によるとバンコクの市バスというのは大抵は往復路線になっているので、同じナンバーのバスに乗りさえすればいつかは元の場所に帰ってこれるので心配ないとのことです。
「そして気になる風景に出会ったらそこで降りて見ろ。ポイントは市場とか屋台街とかだね」
・・・ふむふむ。なるほど。
「メシは屋台で食う事。ちょっとした買い物するのも勉強になるな。タイ語で数字を覚えるといいんだけど、いきなりはムリだからメモにでも書いて持っていけばいい。なに。とりあえず100まで言えれば間に合うよ」
講義はさらにつづきます。
「ガイドブックを持ち歩くな。バスマップとかにしても街中で広げるなよ。詐欺師を誘っているようなものだぞ。バスと屋台に慣れてタイ語で買い物できたら、ひとまずバンコク初心者は卒業だな」
これはマジで勉強になりました。
このときの高岡さんの教えはスリランカでも大変役にたちました(ガイドブックをコロンボの街中で広げたりしたら、押し売りガイドに100ルピーは請求されるハメになります)。
「ありがとうございます。さっそく明日から幽霊バスに乗ってみます。本当にありがとうございました」
高岡さんには感謝・感謝です。
さて、ここで翌日からの「幽霊バスツアー」のお話を書けばそれなりの旅行記になるのでしょうが、なにしろこれは「空手バックパッカー放浪記」ですからムリヤリにでも空手を登場させなければなりません。
はじめてのタイでのメインアクトは「ムエタイとの初対決」ですから・・・。
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