プロローグ 終

1年後


何も変わらなかった。両親が目を取ったり、懸命に育てたりしても。


そして、両親は決めた。どこかに捨てようと。この子が全く知らないところに、絶対にこの家に戻ってこれないところに。


「元気に、育ってね」


名残惜しそうにしながらも、両親は子を地面に寝かしつける。


そして、両親は帰路についた。



数時間後


「さてさて、親に捨てられた悲しい子はどこかの~」


軽い口調で呟きつつ、ある一人の老爺が親に捨てられた子に近づきそして拾い上げた。


「全く、この子の居場所はこんな薄気味悪い森じゃなかろうに……」


まあ普通の親にこの子の世話は無理か、とも思いつつ、子の顔を見つめる。


すると、二パッという擬音でも出そうなぐらい無邪気な笑顔で、子はこちらに笑いかけた。


「安心せい、お前はこのワシが大事に育ててやるわい」


そう言うと、その老爺は自らの家へと歩き出した。

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ノアの道。 はじめ @abab

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