ちょろいヒロインは可愛げがある

※もし、これを褒めるなら「イラッとした」と入れて下さい。それがこの小説の褒め方です(笑)







「ヒナタは可愛いな~」

「えへへ!」


ヒナタは普段少しだけツンツンしてるけど、こうして何でも良いから褒めてあげると喜ぶ。

今は学校の屋上で二人でイチャついている。周りには誰も居ない。ヒナタに何でもし放題な場所だ。


はっはっは。紳士(変態)の僕はきっとヒナタを襲うだろう。今でも襲いたくてうずうずしている。だが、これを十八禁にする訳にもいかない。


カット入れるか──


「ヒナタ」

「ひゃう! だから、学校では辞めてって言ってるよね?」

「嫌」

「嫌って、私が嫌がってもするの?」


うっ、それを言われたら──卑怯だ。僕がヒナタが嫌がることが出来ないって分かってて言うんだもん。


だがなぁ、人間の三大欲求の一つである『性欲』は自分で抑えられるものではない!


「わあ! 痛い………ハル?」


僕は膝に乗せていたヒナタを少し勢いよく地面に押し倒してしまい痛い思いをさせてしまった。


「ごめん」


その、ごめんは勢いよく地面にぶつけさせてしまったこととこれからすることに対する謝りもある。

僕が顔を近づけると少し荒いヒナタの吐息がかかる。顔も赤いし何をされるか分かっているみたいだ。


嫌がる素振りも無し。対してトロ、とした目で見てくる。多分やっては良いのだろうが心の何処かでは嫌がっていると思う。長年の付き合いだからヒナタのことなら何でも分かる。いま、ヒナタがどう思ってるのかも憶測だが分かっているつもりだ。


「ハル………そのね、やっぱり学校じゃ、恥ずかしいよ」


ヒナタは本当に恥ずかしいそうに言う。目を時々チラチラ、と横泳いでいく。


可愛い── それしか思えない。僕をどう思おうが何でも良い。変態? 大歓迎だ。クソ野郎? はっ、その通りだ。だから、僕は目の前の彼女を襲う──






「ヒナタ、ごめん」

「今さら、謝らないでよ。この変態」


返す言葉がない。自分の欲求に負けて彼女を無理矢理してしまった。だが、後悔はない。でも、罪悪感は残る。嫌がる彼女にやるのは少し抵抗があったが、それでも欲求に負けてしまった。



ほんっと、僕ってクソ野郎だな。………ね。



はっはっは! ここまで読んで〇〇〇か一文字で表せられる言葉を浮かべた読者様はきっと僕と同じぐらい変態なんでしょうね。これはあくまでR15なんだ。そんなことするわけないだろ。あの時もヒナタは耳を触られて可愛らしい声をだしただけで胸とかも触ってないからな?


と、読者様をイラッとさせつつ、これはそういった小説なのでご理解頂けると嬉しいです。



そして、いきなり話を戻す───


ヒナタは耳が弱い。いや、性感帯、と言うべきかそこ触るとヒナタは色ぽっい声をだしてくれる。

言っとくが声で………興奮はするがそれはヒナタだからだ。別にそういった性癖は持ってないからな!

この際だから言っとく! 良くどMと言われるがそれもヒナタ限定で。他人に罵倒されても何の喜びも覚えないからな?


「でも、どMには変わりないよな~ハル」

「ああ? だから、どMじゃねーよ。ヒナタに叩かれると興奮するだけってことだ」

「それを世間でどMって言うんだよ! このどM野郎!」

「うるせー黙れ。この下衆野郎」



この、どM、どMうるさい奴はカナタ。唯一この学校で僕に話し掛けてくる物好きだ。


「なぁ、どM君。友達に対して下衆はないだろ」

「僕はキミと友達になった覚えはないし。もしそうなら、その友達にどMを言うキミはなんなんだ?」


カナタは唇をつり上げて。


「そんなんだから、友達出来ないんだぞ!」

「余計なお世話だ」


僕にはヒナタが居る。それで十分だ。他の奴らは下衆にしか見えない。


はぁ。ヒナタ、ヒナタ、ヒナタ、ヒナタ、ヒナタ、ヒナタ………


おっと、少しヒナタ成分が欲しくなってしまった。うーむ。教室で抱きつくと怒るからな、こうなったらを使うしかない。


「ん? 何やってんの?」

「ん。ヒナタの体操………」


ふむ。後ろから殺気が混じった冷たい視線が来てるんだが。さてさてどう逃げようか。いや、逃げるのは無理か、もう一歩後ろまで来てるし………


はぁ、潔く後ろを振り返るか。


「どうしたの? ヒナタ」

「………死ね」


現実的には考えられないバカ力によって僕の頭は壁にめり込まされた。あの、細い腕に何でここまでの力があるのか気になるな。


だが、ヒナタよ。これは僕にとってご褒美にしかならないぞ?


「うへへ! 痛いけど! 良い!」


あ、でも、何か意識が───

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可愛いお馴染みを可愛がるだけのお話 南河原 候 @sgrkou

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