13 四季の輝き 春 目覚め
四季の輝き 春 目覚め
なんだかすごく、懐かしい夢を見た。
東京にあるマンションの自室の中で、静は目を覚ました。
ずっと、忘れていた懐かしい夢。
なんで今頃、あんな自分の初恋の人の夢を見たのだろう? そんなことを思って、静はちょっとだけ、ベットの上で微笑んだ。
それから静は考える。
それはあの夢の中に出てきた女の子の名前だった。
あの子の名前は、なんていう名前だったんだろう?
子供のころ、両親に連れて行ってもらった信州で出会った同い年の女の子。その女の子の名前を、大人になった静は、覚えてはいなかった。
今朝の夢の中で、静は確かに彼女の名前を呼んだ。
……でも、目覚めた静は彼女の名前を覚えてはいなかった。
それがすごく残念だった。
静は朝の行動を開始する。
静はベットから抜け出して、キッチンに移動すると、そこで温かいコーヒーを淹れて、牛乳と割って、それを飲んだ。
静の自宅には大きな本棚があって、その本棚には本がびっしりとはいっている。その本は主に静の夢である『宇宙飛行士』になるために読んできた宇宙関連の本がほとんどだった。その中から静は一冊の、その本だけ周囲の本たちの中で少しだけ雰囲気の異なる本を取り出してぱらぱらとページをめくって本を読んだ。それは森と木々に関しての図鑑のような本だった。
もうぼろぼろになってしまった古い本。
子供のころに静かずっと肌身離さず持っていて、よく読んでいた本だった。(その本を静は捨てられずに今もこうして大切に保管していた)
大きな窓の近くには緑色の観葉植物の鉢植えが一つだけ置いてあって、その観葉植物に静はいつものように、水をやった。
それから静は、バスルームでシャワーを浴びて、着替えをして、軽い朝食をとってから、大学に通学するために、一人暮らしのマンションをあとにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます