第十一相 瑠璃色は赤から逃れたい:2

 私は勉強があまり得意ではない。嫌いかどうかと聞かれた場合は、多分あまり好きではない――――と思う。嫌いと言うほど嫌悪感を抱いてはいないけれど、好きと言えるほど好感を抱いてもいない。だから好きではない。

 でも、今は、ちょっとだけ好きかもしれない。意識が少し良い方向に向けられたのは、きっとこの人のお陰だと思う。

「…………」

 気付かれない様に、こっそりと視線だけを左側に向ける。そこにはツンツンした銀色の髪の男の人が、テキストを睨みながらシャーペンをノートに走らせていた。普段の仏頂面じゃない、真剣な眼差しがそこにはあった。余所見をしていると彼に怒られてしまうのはわかっているのだけれど、スポーツをやっている身だからか、真剣な顔の人につい魅力を感じてしまう。しかし、いつまでも見ている訳にはいかない。頭を軽く横に振る。折角時間を割いて彼――――銀士郎さんが作ってくれた専用の問題集。どうやら先生に無理を言って借りた情報ルームでパソコンとプリンターを借り作成したらしい。私の苦手な分野を把握し、それを重点的に解くことができる問題はとても為になり、時折銀士郎さんが解説をしながら解法を教えたりもしてくれるので、勉強会終わりの簡単な小テストではじわじわと点数が上がってきている。

 その事実が、私に少しずつ自信の向上を実感させてくれた。今まで結果らしい結果が無く、人並みより下の点数しか出せていなかった私が、こうして成果を視覚化して細かく確認できる状況に居られるのは本当に幸運だと思う。そうしてくれた銀士郎さんには感謝してもしきれない。

「…………あ」

「どうした?」

「あの……ここ」

「どれ……」

 私が小さく声を出すと、銀士郎さんは私の方に椅子を寄せ覗き込んでくる。元々隣に居たので距離が近かったのもあるが、問題に集中しているからか、銀士郎さんは吐息が聞こえ肩が触れ合うほど近づいてきた。

 ひゅっと、息が漏れてしまった。聞こえなかっただろうか。

「ここか、この解き方は――――」

 赤いボールペンで文字を書き込みながら説明してくれる声に従い、視線をそれに合わせ動かしながらシャーペンで数式を書き込む。どうにも数字が溢れた紙面は睡魔を誘発させてくるので、いつもなら教室でノートと黒板を交互に見ながらやがて机に突っ伏してしまう。だけど、銀士郎さんの説明なら聞き続けられる。なんかよくわからないけれど、楽しく聞くことができる。楽しい。銀士郎さんの真面目な声が鼓膜を心地よく揺らしてくれている。

「――――と言うことだが……瑠璃?」

「え……はっはい!」

「……しっかりしてくれ、もうテストは数日後だ」

「ご……ごめんなさい」

「我妻君、始めてからそこそこ時間が経ってるし、少し休憩を挟んだらどう?」

 同じ机でいつものように本を読んでいた七望ちゃんがそう提案してくる。時計を見れば、勉強会を始めてからすでに一時間を過ぎていたもうそんなに時間が経っていたのかと自分が驚いている。集中力がここまで続くようになったことにも。

「……そうだな、少し休憩するか」

「……はわぁ、疲れました……」

「……瑠璃がここまで勉強を継続するなんて少しびっくりした」

「そうなのか?」

「今まで生徒会の面々でも勉強を見たりしていたんだけど、大体集中できずに部活に走っていってたのが常だったから」

「ほう」

「七望ちゃぁん……」

「だからこそ、こうして勉強会に毎回真面目に、それもしっかり集中してやってる瑠璃が珍しいかなって」

「まぁ、真面目にやってくれるのはありがたいがな。瑠璃としても心境の変化があったんだろ?」

「え……あ、その、はい。やっぱり成績が危ないのはスポーツ特待生でもまずいかなーって、思ったり……」

「…………ホント?」

「ほ、ほんとだよ……?」

 嘘は言っていない、はず。本当に勉強しなきゃって思ったし。

「わざわざ聞き正すものでもないだろ」

「我妻君は一年生の時からの瑠璃を知らないから仕方ないけど、本当に私は驚いてる」

「その言葉から察するに、余程勉強から逃げてたんだろうな」

「うん、だからこうして我妻君が新しい流れを作ってくれてとても感謝してる」

「俺は俺にできることをしているだけだ、何も可笑しなことはしていない」

「そういうところが凄いと思うよ。私みたいに何もできない人間よりずっと、ね」

「…………」

 七望の口癖だ。『自分は何もできない』と言う言葉、それを常々口にしているのを私は知っている。私から見れば、七望はたくさんの知識を持っていて頭がいいと思っているのに、本人が頑として認めない。

 それに対して銀士郎さんは、目を閉じ何かを考える仕草をした。そして目を開ける。

「白群」

「我妻君の話は長いから今は駄目。休憩時間がだらだら伸びても仕方ないし、さっきの回答の説明をしたら?」

「……はぁ。瑠璃、どうだ?」

「あ、はい! 少しお話したので大丈夫です」

「ならさっきの問題をもう一度説明する。そこは今回の試験でも出る確率が高いからな」

「わかりました!」

 二人の会話が何やら不穏な感じだったが、今はまず自分の事だ。銀士郎さんがこんなに親切にしてくれるのだから、絶対に期待に応えなきゃ。

「わからない事はしっかり確認してくれ」

「どんとこいです!」

 シャーペンを持ち直しノートに添える。この勉強会も無限に時間があるわけではないから、しっかりと集中してやらないと。






 あれから二時間後、18時になり図書館が閉館する時間となったので、私と七望ちゃん、銀士郎さんは建物から出て家へと向かっていた。

 途中で七望ちゃんは用事があるからと別れたため、今は銀士郎さんと二人で帰り道を歩いている。私はいいと言ったんですけど、銀士郎さんが暗くなってきたから家まで送ってくれると言い、根負けして今こうして一緒に歩いている。まぁ、嫌なわけではないんですけどね。

「今日もありがとうございました」

「最早習慣みたいなものだからな、気にしなくていい」

「それでも、お陰で私の成績も少しずつ上がってきてるんです! これも銀士郎さんのお陰ですよ!」

 それは事実だと思ってる。今まで人の手を借り、自分でも自習をしたりと手を変えて成績の向上を目指したが、結果はいいものじゃなかった。気持ちに結果が追い付いていないとも思うその現状に、自分でも嫌気がさしていた。この勉強会の発端となった日に図書館へ行こうとしたのも、これを最後に結果が出なければ潔く諦めるつもりでいた故の最後のあがきだった。

 そこに現れ、出会って間もない上に暫く避けていた私に手を差し伸べてくれた銀士郎さんはいわば救世主。この人が動いていなければ私はきっとまた、中途半端なままだった。

「努力をしたいと願う人間に、自分が何かしら力になれるのならやることは決まってくる。俺はお前のそういう顔を見たからこそ今こうしている。だから変な気負いはするな、本番になれば信じられるのは自分がこなした努力に基づく自信だけだ」

「……」

「テスト前にこう言うのは間違っているのかもしれないことを承知の上で言う。例えテスト本番が終わり結果が思う様に伸びなくとも、絶対に自分を責めるな。お前はそれをしてはいけないと言われるくらいの努力をここまでしてきた。もし結果が伴わなければそれは俺の落ち度だ」

「そんな――――」

「そんなことはない、なんてことはない。お前の勉強を見た俺自身がそう考えているんだ。これを重荷と捉えてはいけないが、お前の自信に置換する事はできるだけの過程がある」

「……っ」

「……すまん、また多弁になりすぎたな。遅くなる前に帰るか」

 隣で歩いていた銀士郎さんは、夕陽に顔が照らされているとは思えない陰った顔で前を歩きだした。気のせいか、声も心なしか震えている様にも、必死に自分に言い聞かせている様にも聞こえた。気がする。でも気のせいかもしれない。だけど、何故か私は駆けだしていて、銀士郎さんの手を摑まえていた。

「……瑠璃?」

「その……」

 銀士郎さんが不思議そうにこちらを見てくる。突然後ろから手を掴まれたらそうなるのも仕方ないだろうけど、でも私もなんで掴んだのかわからない。沈黙が続きどうにも居た堪れなくなった私は、苦し紛れの状況打破に鈍い頭を回した。

「……ちょっと、寄り道しませんか?」






 日も落ちてきて、空は透き通るアメジストの様な色が半分以上を占めていた。赤く朱い夕陽の空は段々と呑まれていき、街灯が点々と点き始めている。私は銀士郎さんに有無を言わさずにその手を引いて、少し小高い丘の上にある公園に来ていた。普段から人気が少なく、街を一望とまではいかないが見渡せるそこに、私と銀士郎さんはいた。少し暈けたベンチに二人で腰掛け、私が買ってきた缶の飲み物を銀士郎さんは手に持ちながら弄んでいた。

「…………」

「……ごめんなさい、急に寄り道なんて」

「別に気にしていない、お前がこうして似合わない強引さで連れてきたのにも理由あっての事なんだろうとは予想できる」

「あはは、筒抜けなんですね」

 銀士郎さんの言うことは半分正解。銀士郎さんに私は、聞きたいことができたからこうしてここに連れてきた。でももう半分は違う。もう半分は――――。

「……お聞きしたいことが、あるんです」

「なんだ?」

 カシュッ、と。缶のプルタブを銀士郎さんは指で開け、中を飲み始めた。男性を感じさせる喉仏が、飲み物を飲むのに合わせて動く。それについ視線が行ってしまったが、聞きたいことがあると言ったのに何時までも黙っていては怪しまれてしまう。私は小さく息を吐いた。

「銀士郎さんは……どうして、人のために自分を動かせるんですか…………?」

「……? 人の為になるなら自然と体は動くと思うんだが」

「違うんです……銀士郎さんのそれは他の人とは違うんです」

 自分でも理路破綻の様に着地点がない言い方をしているのはわかっている。でも、自分の不十分な頭では、こうとしか形容できない。

「銀士郎さんが生徒会で、たった一人の男子なのに頑張っているのは知っています。その為にいつも頑張っていますし、学園の環境改善のために雪乃や先生方に何時も意見を言いに行ってるのも知っています」

「……バレてたのか、恥ずかしい限りだ」

「だから……」

 そう、だから。銀士郎さんが頑張ってて、決してその苦労を表に出さず、成績を落とさず、妹さんのために働いて、頑張ってて。学園の制度も、今は審議中とはいえいくつか理事会に通されているものもある。そうやって頑張って、でも表では何も言わずに独りで歩いてて。

「わからないんです」

「何がだ?」

「……なんで、どれだけ頑張っても周りからは何時も悪口とか陰口を言われて、よくできたとか、頑張ったとか言われないのに、銀士郎さんはそんな涼しい顔ができるんですか……?」

 私はわからない。私も頑張ったら褒めて欲しいし、認めて欲しいと思う。でもずっと、私は褒めてもらえない。誰も私を褒めてくれない。スポーツで良い成績をとっても、それが当たり前みたいに私には何も言われない。お父さんも、お母さんも、先生も、同級生も、先輩も後輩も、誰も。私はただ褒めて欲しくて頑張って、でも結果が出て当然と思われてるスポーツではダメで、勉強も自力で少しでも成績を上げても誰も見てくれなくて。もう何をしてもダメなんだって思ってて。なのに、同じような――――違う。それ以上に何も言われないのに平気な顔をしてる銀士郎さんが、私にはわからない。

 きっとこれは純粋な疑問、或いは仲間欲しさの無遠慮な質問かもしれない。

「私、今まで褒められたことがないんです」

 だから、余計な事を言い始めたのかもしれない。

「お父さんもお母さんも、私にあまり関心がないみたいで、一回も本心から褒めてくれたことがないんです。それ以外の人も、みんな」

「……」

「ごめんなさい、でもだから、私は銀士郎さんが知りたいんです」

「……お前の家庭環境にとやかく口を出すつもりもない、俺は現状お前の結果を目の当たりにしていないから褒めると言う気休めもしない。できることはお前から俺への質問の回答だ。勉強会の続きのようにな」

「………………はい」

「その質問に関してだが、答えは自己満足だ」

「……へ?」

「俺は俺に対して自分の価値を見出せていないからな。誰かに対して何かプラスになることをこなせて初めて俺は自分を価値を見出せる人間だと思える。悪口陰口があるのは当たり前だ、何の価値もない人間に良い感情なんて生まれないだろうし、俺自身がわざわざやったことを喧伝するつもりもない。結果として人の役に立つ行動ができれば俺はそのことに満足が行き、それ以上を望まない」

「そんなの……」

「傍から見れば可笑しなことをしていると言う自覚は無くはない。だが、事実として俺にはそう言うことでしかまだ充足感を得られる術を知らないんだ」

 ――――銀士郎さん。

 気付いているんですか。あなたが今している顔がどんなものなのか。

 自分で何回か見たことがあるのでわかります、私と同じ顔してます。欲しいって顔をしてます。何かを求めてるけど、それを無視してます。でも、多分銀士郎さんは承認されたい欲求を満たしたい訳じゃないと思う。完全な予想ですけど、でもきっと違う。

 自己満足でそんなことをして、本人はそれしか知らないと言って、でもそんな顔をしてる。

 何が欲しいのかわからないし、今私は誰かに何かを与えるだけの余裕なんてない。私が一番、我儘に欲しがっているから。

「まぁ、俺に関してはそんなところだ。気にするところではない。問題はお前の目下の課題だ」

「課題……」

「テストでの点数向上、お前が今言っていた褒められたいって感情はそれで解消されるだろう。それを聞いた今、俄然俺はやる気が出る。お前の願い、俺がそれを成就させる」

 なんで。

「俺の勝手な自己満に付き合わせてしまう形でなくもないが、お前としても悪くない話だと思う」

 なんで私にそんな優しくするんですか。

 まだ出会って二ヶ月ちょっとで、それ以前には顔も何も知らなかったのに。なんでそんなに私を気にかけてくれるんですか。

「――――です」

「……? すまん、聞こえなかった」

 確かに私は褒めて欲しい。でも、何の実感もない称賛なんていらないんです。私がやってきたことをわかってくれて、歩いてきた過去を知ってくれて、そして本当に本心で褒めてくれなければ、今までと何も変わらないんです。欲深いと言われても構わないです。そう思ってしまうくらい、私は褒められたいんです。

 今、それが叶えられる人が誰だか知っていますか?銀士郎さん。

「……褒めてください」

「…………今俺には――――」

「わかってます、今銀士郎さんが褒められないのをわかってます。私はまだ銀士郎さんに、努力を見せられていても結果をお見せ出来てません」

「そうだな」

「だから、テストが終わって結果が出て、それを見て大丈夫だと銀士郎さんが認めてくれたら…………褒めてください。私は、銀士郎さんにだけ褒めて欲しいです」

 今私を一番見てくれているのは、あなたなんです。だから、私はあなたからの称賛だけが欲しいんです。

 顔が赤くなっていくのがわかる。夕闇が身を包んでくれていて本当に良かった。子供みたいなお願いをしているから恥ずかしいのはわかってる。なのに、私の顔はそれ以上に違う何かに羞恥して熱を帯びている。自覚したくない。きっとこれは何か、気の迷いだと思うから、そう思っておかなければ、銀士郎さんに迷惑が掛かってしまうから。

 二ヶ月、銀士郎さんは私をずっと見てくれた。勉強も見てくれていたし、庶務の仕事も力仕事は手伝ってくれていた。他のメンバーとも普通に交流して協力していたのも知ってます。でも、私はちょっと強欲で、欲望を満たしたくてしょうがない人間なので、もっと欲しいんです。

「……そうだな」

 銀士郎さんが呟く。その言葉に私は思わず体を震えさせてしまった。もしかしたら幻滅されてしまったかもしれないし、呆れられてしまったかもしれない。怖い。そう思われたくない。視線を図書館の時の様に銀士郎さんの方に向けるのに、それが定まらない。

 少し考えた様な仕草をしてから、銀士郎さんは言葉を続けた。

「もしそれでお前のモチベーションが維持できて、尚且つパフォーマンスにもいい影響が出るのなら、その約束を受けよう」

 ――――結果として言えば、私にとっては願っても無いものだった。

 銀士郎さんは、多分本心から利点の面できっと今の話を導いたのだろう。どうあれ、自分にとっていい方向に話が進んだのはとても嬉しかった。嬉しかったのだが。

(…………私って、銀士郎さんからはどう思われているのでしょうか)

 仮にも自分は女子であり、銀士郎さんと並べば所謂年頃の男女。割と自分でも後悔しているくらい恥ずかしい台詞を言ってしまったのに、一切関せず話をする彼に、私は若干不満げな視線を送る。

 すると、それに気が付いたのか銀士郎さんは私に、普段の仏頂面ではない、優しい笑みを向けてくれた。

 たかが笑み。でも、自分でも信じられないが、それで今湧いていた不満の感情が水に溶けていく絵の具の様に薄らいでいった。胡桃色が溶かされてしまう。慌てて顔を前に向け、私はベンチから勢いよく跳び立ちあがった。

「……ごめんなさい、寄り道をさせてしまった上にこんな話をしてしまって」

「いや、俺としてもお前がそうやって話してくれて助かった。どうにも人の感情を図るのが苦手なものだから、直接言ってもらえるのはありがたい」

「…………頑張ります、私」

「あぁ、試験日まで残り僅か。明日も勉強会はやるから忘れるなよ」

「……はい!」

 ご褒美が貰えるとわかっていてやる気を出さない程愚かではないので、私は精一杯の声で応えた。空にはもう綺麗な月が浮かんでいて、辺りは明かりが無ければ顔もハッキリと判別するのが難しいほど暗くなっている。あまり意識していなかったが、ちょっと話し込んでしまったかもしれない。でも、暗くて助かった。こんなふやけた顔を、銀士郎さんに見られるのは恥ずかしい。

「帰るか、家まで送る約束だったしな」

「あれ、それ本当だったんですか?」

「暗い夜道があるのをわかってて一人歩かせる奴が何処に居る」

「……にひひ、優しいですね」

「別に優しくない」

「そういうところ、私は好きですよ?」

「ありがたい限りだ。さて、飲み物も飲み終わったし行くぞ。足元には気を付けろ」

「はーい」

 銀士郎さんは持っていた缶をゴミ箱に投げる。放物線を描いたそれは綺麗にゴミ箱に入り、小気味いい音を響かせた。私も試しに投げると、縁に軽く当たったものの同じように入った。

「ナイスシュート」

「にひひ、ありがとうございます」

 歩き出した銀士郎さんの横に駆け寄る。身長差もあり見上げる形ではあるが、銀士郎さんの顔を視界の端で眺めながら歩く。いつもは誰かも見ている銀士郎さんが、今だけは私が見ている。ちょっとした優越感を感じながら、私は銀士郎さんと会話をしながら家への道を歩いて行った。

 いつもは足取りが良くない家路が、今日だけは楽しかった。

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