裏 6

少女が目を開いた。

そこは、ただの森の中だ。

自分の体を見下ろし、全体的に小さくなったことを確認し、触れてみる。


「この頃は、姉さんと同じ……でしたね」


成長した体での誘惑に消極的ではあったが、それはこの頃が一番好かれていたような気がしていたからだ。

もしかしたら、大きいのは好きじゃないのかもと思ってしまってどんどん奥手になってしまっていた。


「でも、今なら……」


条件は同じはず。ならば、勝敗を分けるのは別の要素になってくる。

それを全面に使い。今度こそ完全に奪うと心に決めていた。

そのためだけに、追いかけてきたのだ。


「だから、魔女さん。待っていて……ください」


振り返ると、そこには漆黒のローブを纏った誰かがいた。

顔を見せず、男か女かも分からないが魔女と名乗る以上は女性なのだろう。


「妾を待たせるか?」

「はい。やらないといけないことが、ありますから」


朗らかな笑みを浮かべるとそのまま走っていく。

今までのループとは違う。新しい風が吹き始める。


「そなたも、行くのかえ?」

「そうね。そうよ。その通りよ。お母様。楽しんでくるわ」


クルリと一回転し、楽しそうな笑顔を浮かべる少女は、白いワンピースだけを着て、靴も履かずにかけていく。

女王の仮面を右手に浮かべ、ジーっとそれを見つめる。


「世界は変わるのかしら。どう転んでも、妾の利になるのなら、それでよい」


ローブを翻し、その場から消え去る。


すべての元凶である魔女の笑い声がずっとずっと、その場に響いていた。

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