第17話 三八日目(通知表)

朝になった。

聖樹はありがとうと言って帰っていった。

俺、光助はまだ眠たかったので、二度寝をしに部屋に戻る。ちなみに今の時刻は五時だ。

ガチャ。

ドアを開け、俺は部屋に入る。

「なんだこれ?」

机にはある紙がファイルの中に入っていた。俺はその紙をファイルから取り出し中を見る。中には通知表が入っていた。

「うわぁ。見たくねー」

俺はドキドキしながら通知表を見る。


パワー 69

ガード 46

総合 629


「ふー。驚かせるなよ」

意外に成績が悪くなかった為、少しホッとする。ちなみにパワーとガードは100段階、総合は1000段階らしい。

まぁ至って普通の成績だった。

さらに下を見る。


総合順位 2000人中893位

あなたの仲間の順位

小奈多 1006位

雪 563位

香美 923位

隼也 902位

巫女 1009位


「何これ、ダントツで滝雪が高いんだけど、でもよくよく考えたらこの前の洞窟ダンジョンの長を倒したのは雪だから、それで一気に上がったのじゃないか」

雪の件に関してはもう考えないようにして、とりあえず俺は通知表の裏を見た。

受験のことについてである。


受験は基本トーナメント式で100のグループに分かれてます。ちなみにグループで活動してるメンバーは被らないようにします。そこで優勝したら、勇者になれる資格を与えられます。

つまり、2000人中100人、20/1です。


5%とか無理だろ。俺は心の中でそう思った。

そして、このままでは俺は落ちてしまうと思った。



いつの間にか時刻は6時となっていた。

俺はリビングへと降りて、ご飯を作ることにした。


7時、小奈多や隼也が起きる時間だ。俺はさっさと料理を並べて、いただきますをして、食べる。みんなが食べ終わると隼也が口を開いた。

「あの、通知表の順位。100位以内だった人!」

シーン...

誰も手を挙げない。

もちろんのことである。

「では、明日から皆さんは合宿行きです」

「えーーー!」

俺も合わせて、全員が声をあげる。

「おい、隼。合宿って、ひたすら特訓か?」

「まぁそうだね」

「まじで?」

「まじや」


「では皆さんに合宿について説明したいと思います。

まず合宿とは、成績が101〜300位、301〜500位、501〜700位、701〜900位、901〜1200位、1201〜1600位、1601〜2000位という風に、7つのグループに分かれている。そして、そのグループで日々特訓をするって感じだ。そして、その成績次第では、順位が大幅にあがる可能性も出てくる。

期間は1週間」

言い終わった後、隼也がドヤ顔をした。

「ねぇ、そんなことなんで知ってるの?」

疑問に思ったのか、香美が隼也に聞いた。

「それは僕がこの901〜1200位グループの副リーダーだからね、知ってて当然だよ」

「ちょっ隼、何で副リーダーになったんだよ」

「知らなーい。ちなみに明日は9時からある場所に転送されるからね」

「ある場所ってどこだよ」

「知らないね」


ちなみに聖樹は423位だった。

「うーん。まあまあかな」



「ねぇ、スモラ、明日って俺ら留守番かなー?」

「多分そうじゃね?」

「じゃあ明日、お前と勝負する」

「かかってみるなら、かかってこい」


ニャー、ニャー、ニャニャー。

プニプニ、プニ。

ニャーニャ、ニャニャニャ、ニャー。

プニプニプニプニプニプニプニー。

「可愛い」

猫とスライムの標準語。


残り受験まで692日

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異世界受験 凛陰 @ecoosme829

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