第14話 三十日目(猫)

ここに転生して約一カ月が経った。

相変わらず俺のレベルは10といかにも普通て感じだ。そして今日は、太陽の散歩の日だと言う。

太陽が散歩!と思うかもしれないが、正直俺は慣れてしまった。

「今日は洞窟、行けそうにないな」

そう呟いた俺はベッドから起き上がり、リビングの方へ行く。すると目の前にいたのは

「猫?」

見た目はベージュと茶色の三毛猫だ。

正直かわいい。

どうやってここにやってきたのだろう。

そう思いながら、とりあえず大量にあったスライム缶を一つあげた。

すると猫はシャー!!と急に威嚇しだした。そして、スライム缶をグチャと潰した。

俺の100aonが消えた瞬間であった。

「お主、我をこの家に住まわせてもらえないだろうか」

急に見知らぬ声が聞こえた。

俺がとまどっていると

「聞いてるのかニャ」

とその声はまた聞こえた。

まさかだと思うが、猫が喋ってる?

俺は猫の方を見る。

「もう一度言うニャ、お主、我をこの家に住まわせてもらえないだろうか」

やっぱり猫だ。

「その前に君は何者だ」

「僕はショタリース・ケンキシロウだ」

ん?外国の猫?

「見た目はこうだが実は人間だ」

「に、人間⁉︎」

「そうだ」

「ちょっと変身して」

「なにに?」

「人間にだろう」

「それはできない」

「できない⁉︎」

「それより、イキシマネ・カルトというものはここにいないかね」

「いません」

「まぁ、いい。とりあえずここに住まわせてもらえないだろうか」

「まぁ別にいいけど」



みんなが起き出し、リビングに来る。

みんなが集まったら、朝ご飯を食べる。

いつもと変わらないことだ。

みんなが食べ終わったら、片づけに入るところだが、俺は片づけに入らず、

「みんな聞けー。今日は新しいメンバーが来た、今日はそれを紹介する」

「どうも、ショタリース・ケンキシロウだ今日から住まわせてもらうものだ。そして、カルト。今日は絶対お前に勝つ」

カルト。ショタリース・ケンキシロウの目線を見る限り、カルトは隼也のことだろう。

「こいつはショタリース・ケンキシロウ、俺が昔住んでた街のお隣さんだ。気軽にケンキと読んでくれ」

代わりに隼也が説明してくれた。

異世界人も色々大変なのだろうか。

「そして、チヨ。なんでお前もここにいる」

「別にいいじゃないか」

チヨはスモラのことらしい。

そして、後から隼也に聞いたところ、この三人は高校の同級生らしい、

「てか、今思ったけど、この子前、家に来た猫じゃない」

「確かに」

「確かに」

「確かに」

俺はこのことがさっぱりわからなかったが、とりあえずスルーしとこう。

「今思ったけれど、人数が多くなったということで、これからは二階の食堂で食べる」

「え、あそこ!あそこなんかセレブて感じがして嫌」

雪が嫌そうに言う。

「じゃあ、テーブルを新しく変えるか」

そう言い、俺は新しいテーブルを買った。広さは前のテーブルの二倍くらいだ。



時間が経ち、夜になる。

風呂場がやけに騒がしい。

「キャー」

悲鳴が聞こえる。

そして、風呂場から、入っていた女子全員出てきた。

風呂場から出てきた女子は全員裸だったため、テレビを見ていた、男子四人組(もちろん俺も入っている)は顔を赤くしながら見ていた。






後編へと続く。

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