第3話 一日目(仲間)
俺は地図を頼りにシェアハウスを見つけた。
「やっと見つけた。たくー。Nekuyjoからここまで10キロって、遠すぎだろ」
「(ーー;)」
スライムもとても疲れていた。
シェアハウスの場所は郊外にあり、辺りは木で生い茂っていた。
まさに森の中にポツンと家って感じだ。
受付の人に聞くと、シェアハウス周辺に魔物が出ることはないそうだ。なんかそういう結界を張っているらしい。
家は見た感じ、二階建てのようだ。
まあまあでかい。
ガチャ
とりあえず俺は扉の鍵を開ける。
俺とスライムは中に入る。
中はこんな感じだった。
1階
最初、玄関に入ると目の前はリビングだった。リビングは真ん中に、白いソファーがあり、机がソファーに囲まれたように置いてある。カーペットがひいてあり、壁はシンプルに白色だった。至って単純な家だ。しかし、
「無駄にヒロー」
そして奥に進むと、洗面所、そして、でかいお風呂、キッチン、洗濯機、トイレがあった。そして一番奥には、ベランダがあった。
ベランダに関してはゴルフ場くらいの広さだ。
2階
ここには自分達の部屋が8つある。つまり、ここには最大8人まで住めるということだ。そして奥には食堂があった。
もちろん椅子も八つだ。
ら「キッチンが下にあるのに、食堂は上かよ、不便だなー」
そう呟き、俺は下に降り、ソファーに座る。
ハー。
ため息をつく。
でも心の中では結構いい感じな家だったと思っている。
「ここで俺たちは一緒に暮らすのか。
ま、俺とミニスライム以外にまだ誰もいないのだけどな」
がっはっは!
一人、大きな声で笑う。
その瞬間、
ピンポーン
なんて誰かがもう
俺は扉を開ける。
「どちらさまでしょうか」
「私は、
白木 小奈多。外見は、小さく。髪はショートボブで、剣使いのロリ? 少女。見た感じ小学生だ。まっ。とりあえず。
「どうぞ、入っていいよ」
「あっありがとうございます」
「ではまず、受験について話すよ」
「その前に癒しのミニスライムを見せて下さい」
(あっこのロリ、スライム目的だな)
俺はそう思った。
俺は横にいたスライムを持ち上げる。
「はい、ミニスライム」
「うわー。可愛い」
「そうだろ」
「このモチモチ感もたまらねー」
「(^^)」
スライムも嬉しそうだ。
そして、小奈多はだんだんエスカレートし始め、スライムと鬼ごっこするようになった。
「待てー。スラくん。」
勝手に家のスライムに名前を付けて呼んでいた。
そして、スライムは
「(; ̄◇ ̄)」
とても、うんざりした様子だった。そして、ついに、
バタン
「(`ω´ )」
家を飛び出してしまった。
鍵を閉めるべきだったか。
「すいません、スライムが逃げてしまいました」
「大丈夫。安心して、きっと戻ってくるさ」
「そんなこと何故言えるんですか」
「俺とスライムは強い友情で結ばれているからさ」
「そんなの私だって、スラくんと強い友情で結ばれています」
「なんだと。やんのか」
「あーやってやりますよ」
バチバチ
一方、外では。
「ヽ( ̄д ̄;)」
スライムが思いきり走ってた。
そこに何と
「Σ(゜д゜lll)」
ゴーン
「痛っ!」
「(>_<)」
「大丈夫、雪」
「大丈夫。ぶつかったとき、ぷに。という感触がしたから」
「えっぷに?」
思わず、前を見る。
「( ̄ー ̄)」
「あっスライムだ。何でこんなところに?」
「まぁいいじゃないか。とりあえず私達の向かっている家まで、このスライムも持って行こう」
一方、光助達は、
「あーあいつ。本当に行っちまったのかな」
「私の可愛いスラちゃんは今どこにいるのだろう」
「お前のじゃないぞ、このスライムはこのハウス、みんなのものだ」
「急に真面目ぶって、はいはいすいませんでした。」
小奈多は誠意の欠けらも無い謝罪をする。
「このクソガキぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
ピンポーン
誰かが来た。
俺は小奈多への怒りを抑え1回外に出る。怒ってる時に電話を取るお母さんってこういう気持ちだったのか。
「どなたですか」
光助は尋ねる。
「私は、
「よろしく。あと・・・」
「そのスライム。返して下さい」
小奈多が口を挟む。
雪の持っている、スライムを取る。
「私のスモラちゃん」
またしても、俺のスライムは名前をつけられていた。
「いいえ、このスライムは私のです」
「いいえ私の」
「いや、私のです」
「私の!!」
「私のです!!」
小奈多と雪がスライムを引っ張り合う。
バチバチバチバチ・・・
ゴーン!!
「お前らいい加減にしろ」
光助が二人の頭を叩く。
「このスライムは、このハウス皆のものだぞ」
「すいません」
「すいませんです」
「わかったならそれで良し。では中に入るぞ」
中に入る。
「雪」
光助が言う。
「何〜」
「スライムのこと、名前でスモラ。て呼んでたよな。あれ何でスモラなの?」
「スモールなスライムだからスモラだよ」
いつかスライムにも名前をつけようと思っていたが、俺ではどうもしっくりくる名前が思い浮かばなかった。スラくんはありきたりすぎて嫌だなあと思っていた矢先、スモールなスライムだからスモラいい名前じゃないかそう思った俺は。
「スモラか...よし、今日からお前はスモラだ」
「(^-^)」
「小奈多もそれで良いか?」
「はい。スモラ。いい名前だと思います」
「じゃあ、これでいいな」
こうして、スライムはスモラという名前が付けられたのであった。
すると、スライムは一気に大きくなり、手のひらサイズから顔くらいの大きさに成長した。つまりミニスライムはスライムへと進化したのだった。
いやこの設定有名な異世界小説で見た気が・・・。おっと気にしすぎるのは良くないな。そんなことを考えていると、
ピンポーン
またしても誰かが来た。メンバーが揃うのに1週間くらいはかかるかなと思っていたが、もしかしたら今日で揃うんじゃね?
「どなたですか」
扉を開ける。
「私は、
目の前には水色の髪をした、爽やかな男がそこにいた。
今まではずっと女子だったが、今回は男だった。俺はやった!と思った。しかしこいつ。オネェじゃねぇかああああ!!。俺は落ち込んだ。
しかもこいつ、くっそイケメンじゃねえかああああ!! 顔交換して!!
「ど、どうぞ中に入って下さい」
隼也は、ハウスに入るとき俺にウインクをしてきた。
「では、一通り揃ったことだし、皆に受験について、話をしようと思う」
「OK」
小奈多が言う。
俺は、受験のことを全て話した。
「皆、分かった?」
「はい。だいたい分かりました」
「うわー、また受験ですか」
そう言い小奈多はまた頭を抱える。
「なんだ、小奈多お前受験生だったのか。」
「そうなんですよ。見えないでしょ浪人生(高卒生)に」
「ああ、そうだな」
「そうだなってなんですか、そこは否定してくださいよ」
「まあまあ落ち着いて、私と雪も前世は受験生だったからもしかしたら、異世界に転生した人はみんな浪人生っていう可能性が高いんじゃないかしら」
香美が言う。
「隼也はどうなんだ?」
「私もそんなとこかしら」
イケメン顔のオネエはなんか慣れない。
「そういやあなた、名前は?」
突然、隼也が言う。
「皆、遅くなってごめん。俺は、霧ノ城 光助だよろしくね」
「光ちゃんね〜よろしく」
「光ちゃん...ぶっ‼︎」
雪が笑う。
「笑うな!! ・・では気をとりなおして、皆にもう一つ言いたいことがあります」
「何だ?」
小奈多が言う。
「それは。明日から皆には、日記を書いてもらいます。書いたものから、引き換えに俺の書いた日記をコピーして渡します」
「まぁそれくらいなら」
雪が言う。
「じゃあ決まりだな」
「お腹空いたな〜」
光助が言う。
「じゃあそろそろ晩ご飯にしますか?」
小奈多が言う。
「そうだな」
「では、食事券を使いましょう」
「食事券て何だ?」
「えっ、食事券貰ってないんですか」
「そうだけど」
「じゃあ、晩ご飯は抜きですね」
「えー。じゃあ」
俺はスモラを見る。
「Σ(゜д゜lll)」
「だめです。スモラは。食べ物じゃありません」
「だよな」
「じゃあ私のご飯を光ちゃんに分けてあげるわ」
隼也が言う。
「じゃあそういうことにしとくわ」
「じゃあ、あーんしてあげるわね」
「いや、それはいい」
俺らはご飯を食べた後は、すぐに自分の部屋に寝た。
残り受験まであと729日。
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