第13話 空母が沈没した海域  

空母フレデリック・ジェイソンが沈没したであろう海域に、3隻の潜水艦が

到着しようとしていた。

2隻のバックアップ艦が、捜索用サーチライトのテスト点灯を開始。

その照らし出す先に浮かび上がる、黄色い派手な花文字書体。

 “ LANCEROTTY LANCE ”

「発信信号が強くなりました。 このポイントで、ほぼ間違いないようです。」

「・・・沈没しても自動救難信号を発信してくれたおかげだな。  とりあえず、礼でも言っておくか。」

そこへ、モニター越しに監査官が口をはさんだ。

『艦長、日本方面から飛来したスタイラスが、沈没直後の空母に接触か介入をした

らしい、という情報が入っています。 念のため、ご注意を。』

「クラウディア、相手はオーバーテクノロジーのカタマリだぞ?  俺たちは依頼

通り “ ジャックされる前に破壊しろ ” を実行に移すだけだ。 スタイラスと

やり合うという自殺行為なマネはしない。安心してくれ。」

『今現在、空母周辺にスタイラスの機影・・・無し。』

と、バックアップ艦からの報告。

「よし、今のうちに対潜爆雷(キャプター機雷)の発射準備をしておくように。

それまで、俺の指示があるまで待機。 以上だ。」

艦長室で、空母フレデリック・ジェイソンの見取り図を広げ、ある一点を見ている

ランスロッティ艦長。

( なぜ、ここだけ・・・? )

その不自然な空欄は、本来、艦載機が収納されているはずのスペースだったが、

その理由の説明書きも無い、ただの空欄だった。

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