第7話 メールの着信があります。

ホテルの一室。

呆然とした顔に、テレビ画面の反射光がうっすら当たっているルミ。


{ この未知の地球外物体が地球上に初めて降り立った時、全世界中

パニックさながらに色めき立ったものですが、この未知の物体が人類や

地球環境にどう影響を及ぼすのか、当然の事ながら予想など付こうはず

も無かったわけです。 }

「・・・・・・・・。」

{ そんな中、最初に対処したアメリカ軍が ”ナックルボール”と

あだ名をつけました。見た目は亀の甲羅をそのまま丸い岩のような

形にしたその外観ですが、そのナックルボールが出現してかれこれ

15年ほど経過した現在でも、判明している事と言えば、エネルギーを

発生する物、場所に集まる。車などの乗り物を乗っ取り、移動手段として

使用する・・・と、いった事ぐらいです。そして、最近になって解ってきた

のは、どうやら活動に一定の周期があるらしいのです。ある時は大量発生し、

公共交通機関や発電所、変電所に深刻な被害を及ぼす一方、完全に絶滅した

かのような活動サイクル。  いわゆる、鳴りを潜めている時期というのは、

地球環境に溶け込むような形で潜伏しているらしい、という事まで・・・}


ここでテレビはOFFにされた。

「ルミちゃんさあ、そんなモヤモヤしたままだと明日のお仕事に差し支える

から。分かるよねー?」

「すいません・・・。 もう寝ます。」


その時、テーブルに置かれていたスマホが振動した。 その後、LEDが点滅。

「あれ? 須田さん、メール送りました?」

「ン、なワケないでしょ。すぐそばにいるのに。」


  { メールの着信があります     1件  }


「メアド知ってる人って・・・ 須田さんだけですよね?」

「うん・・・。昨日買って、その場で連絡先交換して・・・」

そう言った後、何かを思い出したようなマネージャーの須田。

「ルミちゃん、分かった!それ、ケータイ会社からの・・・アプリか何かの

配信ってヤツ! それよ、きっと。」

だが、ルミは首を真横に振った。

「いえ・・・知らないとこです。」

「・・・・・とにかく! 何て書いてあるか、よ。」


  { RUMI  SHUTA  IS  LIVE  }


文面を見て、無言のまま固まるルミ。

須田に諭され、すぐに返信のメールを送信した。


  { 何か ご存知なんですか? }


すると、すぐさま返信のメールが。


  { エラーレポートのお知らせ } だった。


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