雲が晴れるまでに…。

葵流星

オープニング

「暇だ…。」


大学生になった俺は縁あってこの文学系サークル、東十字会に入ることになった。

何故かは知らないがこのサークルには大学名がこの『東』としかつけられていない。

また、この大学にはもう一つ新規気鋭の文化系サークル『ホワイトノート』というサークルがそちらのサークルはこのサークルに比べ活動が盛んで巷にもすでに名が知られつつある。


さて、そんなわけでこちらのサークルが暇、俺が暇だということではない。

俺はようするに『兼サー』だ。

あくまでも、このサークルを維持するためにホワイトノートから派遣されている。


「おっ、いるじゃん!」

「あっ、先輩。」


俺がなんでそんな数合わせのためにサークルに参加をしているのかというと彼女、吉川(よしかわ)明奈(あきな)先輩に会うためである。

明奈先輩は美人で胸も大きくスタイルもいい、あまり出会いの無かった俺には嬉しかった。

しかし、ではなぜホワイトノートで活動していないと言うと…。


「ところで、ゴールデンウイーク暇?」

「暇ですけど?」

「よっし、それじゃあ君にはこれを渡そう!今回のゴールデンウイークの行き先はここだ!」

「あ~っ、ここはちょっと…。」

「問答無用!」


そう…明奈先輩は俗に言う変わり者であり、また良いホラー小説家でもある。

しかも、実際に廃墟や心霊スポットに行くタイプの…。


このサークルには、他にも何人か居るがこの日は来るのが遅かった。

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