第32話 訓練の中で《未来のライト目線》
私は、カミール先生の最後の願いをかなえることにした。過去の私のために殺したカミール先生のために……
私なんか気持ち悪い言葉使いはやめて、能力思考速度上昇を使って特訓のプランを考えよう。成り行きで一週間でどうにかするといったがうまく教えれるかわからない。知識之神でつい最近のように感じられるが、教師をしていたのは五百年以上も前のことだ。うまく教えないと……
よし、特訓の内容を考えた。あとは、過去の私しだいだ。
特訓三日目だ。ここからが本番だ。
「おい、過去のライト!」
俺は、カミール先生の作り出した異空間で剣の素振りをしているライトを呼びつけた。
「あなたもライトなんですけどね……」
「細かいことは気にするな。今日の特訓は俺がせめて、お前は守り続けろ」
「はい、わかりました。じゃあ使う剣は模擬剣とかですかね?」
「甘いことを言うな。普通に魔術の剣だ。もちろん守り切れなかったらきるぞ」
「……かすり傷とかですよね?」
「馬鹿言うな。手加減なんかしないから腕ごと切るぞ」
「頭おかしくなっちゃたのですか?! そんなの死んじゃいますよ!」
「大丈夫だ。私の魔術でどうにでもなるから気にするな。じゃあ行くぞ。ありったけの魔力をつぎ込んどけ」
「待ってーーーーー」
◇◆◇
また殺してしまった。治癒して知識之神でどうにかしておこうか。毎回この手を使うと殺された痛みを感じるこれは、自分への罰だ。こんなことをしても許されるわけではないがこうでもしないと生きていけない。
実際は切られていないのに死ぬほどの痛み……つらい。今すぐこんな特訓はやめたいが、過去の私、カミール先生の願い、カルノア、ミリアムちゃんのため、過去を変えるため頑張ろう。
◇◆◇
特訓五日目のなった。多少は、過去のライトにも痛みを感じるようにしたがよくついてくるな。これで、1493回殺した。やはりこの痛みは慣れない。今にも発狂しそうだ。耐えろ。このを痛みを過去のライトに入れると考えると……耐えなければ……
「あのー、未来から来た私?」
「なんだ?」
「コツとかないのですか」
教える気はなっかた。理由は、自分で考えなければ意味がないし、私をまねするだけになるからだ。が、このまま続けても意味がないのは事実だ。もっと細かい魔力操作くらいならよいだろう。
「手を出してみろ」
「はい」
「その指は出せる魔力量は自分で調節できる。こんな風にな」
魔力を出す量を増やしたり減らしたりしてみる。昔の私はこれで分かったのだが……
「おお! なんとなくわかりました。魔力を出そうとする強い意志で動いているように感じます」
「そうだ。そうだそうすれば、剣が耐えるようになるはずだ」
昔の俺と全く同じ反応だ。やっぱり昔の俺なんだと改めて自覚できた。
「お願いします」
「……」
次はどう攻めようか。よし、接近してから速攻戦を仕掛けよう。
まずは、横に振って……
カキン
止められるとは思ってなっかたが、すぐに下がってすれ違い様にもう一振りを仕掛けた。これで王手だ。
カキン
いなされた。ほんのちょっと教えただけでここまで変わるとは……次は、タイミングを見計らって次の剣の詠唱をしながら攻める。
カキン
正面で受け止められる。ここまでは予定通りだ。
そして、今詠唱の終わった剣で打ち付ける。
が、
「……し給え!」
カキン
こいつも詠唱をしていたのか。過去も未来も本能で考えることは同じだったか……
30秒は経ってないが、ここまで防がれたら私の負けだろう。
「合格だ」
「え? 今なんて……?」
「合格だっといったんだ!」
上を見ればまだまだだろうがここまでくれば多少は戦えるだろう。あとは、心の問題だ。
「合格ですか!? じゃあこれで、特訓終わりですか?」
「いや、まだだ。明日は、盗賊の討伐だ。今までで一番つらいだろう」
「そんなに強いのですね……」
「明日わかるだろう」
明日ですべてが決まる。過去の私には、明日の山場を乗り越えてほしい。
◇◆◇
山賊の討伐絵の移動中だ。山賊の討伐はギルドで依頼を受けられるはずだが行くとめんどくさいことになるので行ってない。瓜二つのライトがいたら噂どころでは済まない。
過去のライトでは考えたくはないことを言っておかなければならない。
「ライト。言っておくが、山賊をとらえるのはNGだ。一匹残らず殺せ」
「何言ってるんですか?! それって人殺しになれってことですよね?」
「その通りだ。この世界では、人殺しはよく起きる。というか、しなければ生き残れない。そのための今日の特訓だ。人を殺すということに悩み、考え、この世界での世界で生きるということの決心をしてほしい」
「……わかり、ました」
「ちなみに誰か一人でも残せば、時間の流れを遅くして特訓の続きをするからな」
「!? がんばります」
「その調子だ。頑張れ」
盗賊の討伐が終わった。過去の私は、苦しみここから動けそうもない。なので、俺は知識之神を使って家まではどうにかするようにしておいた。とりあえず家に帰えろう。
明日の研究所の殺戮には耐えれるのだろうか。
◇◆◇
過去のライトが起きてきた。決心はできたようだ。オッドアイの目のギラギラと輝いている。
「いい目をしてるよ」
「決心しました」
「知っている。では教えよう。あの集団の真実と欲望について」
「……はい」
すべてを話し切った。過去の私は……
「いくぞ」
「はい」
◇◆◇
研究所を壊し切った。黒幕はまだのようだが……黒幕は手が出せない。この国が戦争になりかねない。まあ、ひとまずは大丈夫だろう。
「過去の私よ。どう思ったか?」
「私は戦います。私、いや仲間たちを守るために」
俺は、この言葉を聞いて思ったのだ。もっと強くなる、未来の私を超えるぐらいに……と。ならば、俺、私は死にたい。過去の私で未来を切り開くあなたに……
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