第25話 お金を受け取った
ダメだった。いつか、国王にでも呼ばれるんじゃないだろうか。
「その集団のことはまだあんまりわかってないから、早く帰りなさい」
「そうですね。早く家に帰ります」
家が安全だと言うわけでは無いのだけど……
「またねー」
「はい! さようなら」
家に帰ってきた。普段よりも疲れた気がする。ペンダントの効果なのだろうか……
「コンコン」
誰か来たのかな。待たせるのも悪いし、早く出よう。
「今行きます」
ガチャ。一体誰が来たんだろう。誰にも、家を教えてないはずなのに……
「どなたでしょう?」
「わ、私は、ライトちゃんを崇める会の会員で……す。ま、まさか、本当に、本当にライト様に会えるなんて……!」
とりあえず、おどおどしていて話どころでは無いことがわかった。
さて、一体どうやって対処したら良いことか……
「話せただけでも、もうこの世に未練はありません。なので、私の全財産をお納めください」
「そ、そんな。困ります。ちゃんと生きてください」
この人なら、本当に死にかねない。どうにかして止めなくては……
「はい! ライト様の為なら! 不老不死にだってなります!」
良い返事だ。あとは、帰ってもらったらミッションコンプリートだ。
「では、私はこれから夜ご飯なので……」
「これだけは、これだけは、渡させてください」
小さな小包をもらった。もしかして、さっき言っていた全財産か? そんなのもらうわけにはいかない。
「要りません。お返しします」
「大丈夫です。ぴったり、ライトさんが払わなければいけない学費の分入ってますから!」
大丈夫ってどういう意味だっけ……でも、知らない人、しかも怪しいライトちゃんを崇める会なんか貰うわけには……
「要りません! お・こ・と・わ・りです」
「これだけは、本当に受け取ってください。他の会員から、殺されちゃいますから」
その集団は怖そうだから本当にやりそう。気が向かないけど、受け取っておこう。
「しょうがないです。じゃあ、受け取っておきます」
「あ、ありがとうございます、ライト様! ライト様の声を聞けただけで、生きられそうです!」
本当に崇められてるのかもしれない、そう思ってしまった。
「これで、終わりですよね。もう、おなかが減ったので、早く夜ご飯を食べたいので家に戻りますよ」
「はい! おやすみなさい!」
ガチャ。
受け取ってしまった。どうしようか、このお金。ずっと持っておくのも怖いし、明日ギルドに持っておくことにしよう。
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