第18話 めんどくさい奴っているよね
はぁ。どうやら、お……私と全く合わない所のようだ。
「次は、新入生代表による宣誓です。レオンハルト・デザルガーノさん、よろしくお願いします」
よりにもよってあいつか。早く入学式終わらないかな〜
「私たち、新入生200名は、このモンテカルロ王国にあるバーシェ学園で勉学に励み、多くの知識や技術を学ぶことを誓います」
あ、まともだった。良かった。後は、何をするんだろう? 普通だったら、校歌斉唱とかだが……校歌なんかあるのか?
「以上を持ちまして、1750年の第10回入学式を終わります」
終わっちゃたよ。すごい簡単に済ませたな。ほぼほぼやったことが無い……1750年? 今ってそのくらいの年なんだ……何が基準で1750年なんだろう?
「この後は、それぞれの教室で集まってからの解散となります。新入生のみなさんは、それぞれの担任についていってください」
カミール先生のところに向かおう。……人がたくさんいるあそこかな?
「おい、お前!」
え、お…私? なんかしたっけ? すごく睨みつけてくるし……
「はい……なんでしょう?」
「なんでお前なんかが家名を名乗ってるんだよ! しかも聞いたことのない変な家名だし……」
家名、かめい……あぁ、ピタゴラスを付けてたな。ただのノリだったんだが……これがカミール先生の言っていた知らない常識か。めんどくさそうなことになった。きっとこいつも、なんかの貴族とかなんだろう。
「おい、なんだよ。ジロジロ見やがって」
思考速度上昇使ってなかった。それにしても、髪がカラフルだな。こいつは、金髪だし。
「おい! 聞いてんのか?!」
聞いてないです。めんどくさいのでどっか行ってください。って言えたらどんなに楽なことか。
「……」
「まぁ、良いや。何も言わないなら、きっと大したことのない家なんだろう」
その通りだ。歴史はまあまああるだろうが、ピタゴラス家は一人で構成されている。それって、ピタゴラス家っていうのか? どうでも良いか。
「そうです。大したことのない家なんです。貴方様のような素晴らしい家名が羨ましです」
媚び売るのは大事だ。もっと早くからしておけば良かったなぁ。
「そ、そうか。ま、まぁ。頑張れよ」
かなり引かれたけど、どうにかなったしこれで良いか。
「では、これから教室に向かいます。皆さん、ついてきてください」
カミール先生だ。なんて良いタイミングなんだ。
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