第11話 外見で判断しては……

 「そうね。あと、さっきの仮面の話だけど……」


 仮面はやっぱり必要かも。今だって、夕飯を食べてるだけなのにずっと誰からも見られてるし……


 「必要だと思いますけど……学園はどうしたらいいですかね?」


 「そうね〜。……校則的にはダメなのよね。一応、ギルドから連絡してみるけれどダメでしょうね」


 「そうですか……」


 多くの目があるこの料理店だけでも大変なのに、あまり人の目がない学園に行ったら必ず問題が起きるだろう。


 「だけど、ひとつだけ方法があるわ!」


 「本当ですか?」


 「そうよ。強くなればいいの。学園で誰にも負けないくらい」


 脳筋だこの人……でも今は、生活に必要な魔法程度しかできない。しかも、攻撃するような魔法は使えない。理由は、そのような本が無かったからだ。


 「どうしたら、強くなれますか?」


 「私が魔術を教えてあげたいところなんだけど……仕事が忙しいからね……私の知り合いが、バーシェ学園で教師やってるから、聞いてみるわね」、


 おお! それは、有難い。個別で指導してもらえるのは、色々上達するのが早いからな〜。


 「ありがとうございます!」


 「私からのお詫びだから……本当にごめんなさい……」


 「そ、そんなに気にしないでくださいね……」


 「私の気が済まないから、何かあったら行ってちょうだいね? じゃあ、そろそろ暗くなってきたから、家まで送るわ。帰りが、安全とは限らないから……」


 「ありがとうございます」




 夕飯からの帰り道。


 「二人……ね」


 ? どういうことだ?


 「どういうことですか?」


 「二人あとをつけてきてるってことね。足止めの魔術を使っておいたから大丈夫だと思うけど……」


 「足止めの魔術って、今日の昼使ってたやつですか?」


 「そうよ。少しくらい教えとくわ。魔術は、魔法陣か詠唱しないと使えないの」


 「え、でもさっきは……」


 「魔道具の中には魔法陣が描かれているの。それに魔力を流せば使えるって仕組みね。問題は、魔道具が出回っていないことだけどね」


 おお、魔道具。すごい異世界っぽい。


 「魔道具は、どんなものがあるんですか?」


 「あまり私も知らないけど……平民は良くて生活に使うくらいの魔道具ね。水を出したり、火を付けたり……詳しいこと言っても違いそうだから、学園でお願いするわ……」


 魔道具でなんでも出来るなら、詠唱はいるのか? まあ、また今度でいいか。


 「着いたわ」


 「ありがとうございま……」


 あれ、なんでリムアムちゃんは家知ってるんだ。教えた覚えはないのだが……


 「なんで、家知ってるんですか?」


 「まあ、あれね。あれがあれだからあれなのよ……また明日ね〜」


 あ、逃げた。


 「はぁ、ありがとうございました。また明日〜」




 今日は、色々なことがあったなぁ。買い物行って、リムアムちゃんに怪しい所に連れて行かれて、気絶して、夕飯食べて……


 結構、リムアムちゃんやらかしてたな〜

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