第8話 まさかの展開
新しい朝が来た。今日は、遂に仮面をとって街中を歩く日だ。
そうだ、あの受付のお姉さんの前で仮面を取ろう。一体どんな表情をするんだろうな〜。
商店街の前に着いた。
「あ、ライトさん〜。こっちです」
あっ、受付のお姉さんがいた。
「あっ、受付のお姉さんだ」
「ちょっと、私にはちゃんとリムアム・ミルザンっ名前があるんですからね。ま、リムアムちゃんと呼んでください♪」
「……はいはい」
自分でちゃん付けで呼んでっていうなんて。
「もう。そんなめんどくさそうにしないでください。私、すごく楽しみにしてたんですからね!」
「……はいはい」
「……まったく。とにかく仮面を取ってください! 仮面を見ないで死ぬような人生は過ごしたくないです」
遂にやってきた。500年間の封印を解くときだ。
「……行きます!」
取った。取ったよ。一体、リムアムちゃんはどうな反応……だ? なんか、凄い目がキラキラしてる。
「あの〜、どうですかね? 俺の素顔編ですかね?」
「いえ、そんなことないです! 凄い素敵です! そのオッドアイといい、その綺麗な銀髪といい、素晴らしいです。見た人の時を止め、別世界へと連れて行く可愛さ。半端ないです! ぜひ、今夜は一緒に寝ましょう! そうしましょう! これは決定事項です! 拒否権はない! ああ、幸せ。行きてて良かっ……た」
そう言い切った瞬間、リムアムちゃんは倒れた。倒れたって、ええ?!
「ちょっと、リムアムちゃん大丈夫? 返事して?」
「…………」
あ、これ死んだふりだ。少しだけ息の時間差が激しすぎるもん。
え、何でわかるかって? それはね、多くの人が忘れてると思うけど能力 思考速度上昇を使ってるんだ。普通の時間の10倍の遅さで過ごせるからね。500年間で凄い役に立った。暗算とかはたから見たら凄い速さになってるんだろうなって妄想してたし……
じゃなかった。この子をどうにかしないと。
「ほら、起きて。生きてるのは分かってるから。」
「死んでます」
「死んでたら、『死んでます』なんて言えねーよ。ほら、早く」
「あぁ、その男口調もまたギャプ萌です。キュン死しました……生き返えらせるなら『今日は、リムアムちゃんの家に泊まるよ』と復活の呪文を言いなさい」
どいいうことだ? まぁ、言うだけだし。この時、ライトは気づいていなかった。この子はヤバイと。
「今日は、リムアムちゃんの家に泊まるよ」
「ふっ、計画どうりですね。さぁ、早く私の家で可愛がってあげます」
あ、不味いやつだ。全く性的な事だとは分からなかった。これは、百合なのか。でも中身は、男だし。どうなんだろう?
「服は?」
「コスプレですか。いい趣味してますね。いいですよ。私が買いましょう」
違うそうじゃない。もうダメだ。取り返しがつかない。
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