第6話 お金って重要

「1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 〜♪」


今、俺がこんなに機嫌が良いのは、この町の魔法学園であるバーシェ学園に受かったからだ。


「でもなんで受かったんだろうか……」


気にしていても仕方がないので、入学式までに準備をすることにした。


「必要なものは、服と……なんだろう?」


というわけなのでギルドへと向かった。


◆◇◆


ギルドで入学の手続きをした受付のお姉さん

に相談した。


「あの〜、この間バーシェ学園申込したんですけど〜」


「ああ、この前の銀髪の仮面さん!」


ん、今何か聞こえた気がするけど……


「銀髪の仮面さん、どうしたんですか?」


気のせいではなかった。


「え、銀髪の仮面さん??」


「あ、すみません。私のおばあちゃんがいうには、子供の頃から住んでいて、ずっと姿の変わらない不思議な人と聞かされていたんです〜。王都でも有名なんですよ。今までいた人の遺言で『仮面の奥を見てみたかった』なんていう人もいたぐらいです」


銀髪の仮面さんの説明になっていないが……まぁ生まれてからずっと成長しないで仮面つけた人いたら気になるだろうな……それにしても王都か〜来た時はただの町だったのに。

そう、この町はライトが来た時は王都ではないただの町だった。が、二百年前に王族が引っ越して王都となり町もおおきくなっていったのである。引っ越した理由は知らないが王族もいろいろ大変らしい。


「とりあえずその話は置いて、どうしたんですか?」


これでようやく話が進む。


「バーシェ学園の入学試験に受かったんですけど、入学式までに何したら良いのかわからなくて……」


「なるほどそういうことですね。バーシェ学園の入学式の前までに制服と、あとギルドからでもいいんですけど入学金が必要です」


入学金だと……500年あってもそんなにお金稼ぎしてなくて、金貨30枚。日本円で300万円くらいしかない。


「いくらですか? あんまり高いと払えないかもしれないです……」


「えーと、確か白金貨1枚ですね」


白金貨? 初めて聞いた言葉だ。


「白金貨? なんですかそれは?」


「え!? 知らないんですか!? 10年以上前から平民にも出回ってますよ!」


凄いびっくりされた。周りのギルドの人は、悲しい人を見るような目で見てくるし……お母さんらしき人は子供に「見ちゃダメよ」なんて言って目を隠させている。


「えっと……それってどのくらいの価値ですか?」


「金貨10枚です……」


金貨10枚!? つまり日本円で100万円!? 入学金でそれだけかかるなら、他にもお金がかかりそうだ。授業料もあったら大変なんだが……聞いてみよう。


「授業料ってどのくらいですかね?」


「毎年白金貨5枚で、基本は3年間なので全部で白金貨16枚です……まぁ平民には無理な額です」


全部で白金貨16枚、金貨で160枚、日本円で1600万円!? やばい、この稼ぎだったら絶対稼げない……どうしよう。


「でも、学園で強くなって冒険者で儲ける人もいるので大丈夫だと思いますけど。まぁ、そんなことより服ですよ服!」


服よりお金の方が大変だと思うが……服か。今来ているのは、そこら辺で買った普通の男ものなんだが……別に問題無いと思う。


「服がそんなに大変なんですか?」


「いや、だって、女の子ですよ……ね? もう少し服装に気をつけた方が……」


あぁ、あんまり実感なかったけどそうだ。これからどうしよう。こんな姿にしたあの神様め!




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