第2話 よくわからないが……
神様からは悲しい死に方をしたと言われた。きっと何か殺人事件とか辛い恋とかだったのだろう。
そう思っていると、神様の写すものから、過去の記憶。農業体験学校の登山の引率をしている俺が見えた。
「この顔も平均的な顔よりもずっと低いが……」
すごく、失礼!! が、よく見てみると……ほんとに酷かった。言うならば、一つ一つのパーツは普通だが、どことなく合っていない感じだ。
「ここからは、さらにひどいぞ」
そう言われると、過去の俺はスマホを出し、学校のWebサイトにあげる写真を選別し始めた。すると、
「……あ!」
スマホを落とした。すると、すぐには反応出来ず、空中のスマホにつま先に当たってしまった。
「え??」
そこで目にしたのは……変な光景だった。
空中に落ちているスマホをそのまま蹴らずに転んでしまった。道とかに落ちている石に躓いて転ぶのはわかるが、空中のスマホに躓いて転ぶ? わけがわからない。
「……どういうこと?」
すると神様は、かわいそうなものを見るような目つきで
「君が思っている通りだ。普段運動なんかしていなかったであろう?」
「昔に思ったよりも忙しい仕事で、暇なときがなかったですね。それが何か……」
「実物を見たことがないからわからないが……多分スマホとやらは君の力では蹴ることが出なかったのだろう」
訳の分からないことを言っているが、その記憶を思い出したから本当なのだろう。
なんでこうなったんだ……
「そんなかわいそうな君に頼みがある」
「え、何ですか?」
「君には人に学問の楽しさを教えようと頑張る、とても熱意のある教師だったと聞く。異世界で、学問の、学ぶ楽しさを教えてほしい。」
神様直々の願いを言われてしまった。顔は普通だが。
「では引き受けてくれるか?」
「お断りします!!」
「君ならそう言うと思って……ええ???」
「だから、お・こ・と・わ・りです」
俺は、面倒ごとは断る主義だ。こんな普通な人間のような神様に従う気は無い。
「まぁよい。君はきっとその世界で教師をするだろうし、転生は決定事項だからな」
「え?」
何言ってんだ、こいつ。決定事項で済む話なのか……
「あぁ、能力についてか。それは、3つラン……ごほん。違うぞ、そうではない。君の性格とかで合わせられる」
この神、ランダムで決めるって言わなかった……大丈夫か? というか、話変えてるし……
「そういう話ではなく……」
「それでは、ここから3つ引きなさい」
この神様は、心の中がわかるはずなのに、無視し続けているよ。しかも、能力がランダム。ていうか、能力て何?なぜ3つ?
きっと、細かいことは気にしない方が要だろう。取り敢えず面倒なので従っておこう。悪い人ではないと、直感が言っているし……
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