リーフ公国の動物2 導竜鳥(サウロノータ)

導竜鳥サウロノータ


【分類】動物界 脊椎動物門 鳥綱 チドリ目 サウロノータ科 導竜鳥サウロノータ

【特徴】雷電竜ヴォルトサウルスと共生関係にある,やや大型の鳥類です.

 頭は小さく,体は卵型をしています.くちばしは細く,頭よりもやや短い程度で下方に向け緩やかに曲がっています.その翼は(中略)足は,多くの鳥よりも指が長く,また爪も鋭く,ヴォルトサウルスの体に垂直に止まることができるようになっています.

 体の色はヴォルトサウルスとほぼ同じ,緑色を帯びた灰色で,一種の保護色と考えられます.ただし,頭の上半部は黒く,嘴は赤くなっています.

【生態】共生相手である雷電竜ヴォルトサウルスと同じで,ソール大陸中央山脈の南側に生息し,彼らとともに移動しています.

 餌は主に,雷電竜ヴォルトサウルスの体表の寄生虫や,周りの森林・草地に生息する昆虫類などですが,昆虫の少なくなる冬には,木の実など植物性の餌を食べることもあります.

【その他】通常は雷電竜ヴォルトサウルスの周りにいることが多いようですが,偵察や警戒などのためそばを離れることもあります.


執筆: リチャード・ガイア(IX)


アイザック・ローレンス教授による評価:

 まず、論文や図鑑で丁寧語を使うことは少ないのう。お主の人柄が表れているとはいえるじゃろうし、単独で本でも執筆するならそれでもよいかもしれぬ。しかし、共同執筆や分担執筆を考えるならば、文体は統一したほうが読みやすいじゃろう。

 形態の描写も詳しく書かれておるな。論文を書くのならばこのような詳細な記載も必要じゃが、図鑑ならば外見の描写は図で行えばよかろう。ただ、色付き印刷は予算と手間がかかるでのう。白黒の図に色についてのコメントを付けるのがよいか。

 なに? 絵は苦手じゃと? 槍の扱いはあれだけ繊細なのに……いや、関係のないことか。とにかく、何でもかんでも自分一人でやる必要はないぞ。お主の槍を頼りにする者たちがいるように、お主も絵が描ける誰かに頼んでしまえばよい。

 解説の書き方については、博物館準備室に『レディアース博物誌』の写本があるゆえ、それを参考にすればよい。ただし,参考にするのは文体だけじゃぞ。内容は数千年前のものゆえ、動物たちの生態についても変わった部分がかなりある。あれの確認と改訂作業も、生物学者の仕事のひとつじゃな。


作者コメント:

 Sauronauta。前半はおなじみトカゲの意。後半は、アストロノートやアルゴノーツ、それにオウムガイを意味するノーチラスなどの語源となった、船員や水夫を意味するギリシャ語から。巨竜の乗員、のようなイメージ。初めは間違えてドラコノータと設定してしまい、公開直前にドラゴンじゃないと慌てて修正。

 モチーフは現生のウシツツキなど、大型動物の寄生虫を食べる鳥。映画『ウオーキングwithダイナソー』にもそれらしき鳥(アレクソルニス)が登場する。

 なお、教授のコメント中に登場する『レディアース博物誌』は、本ライトノベルではなく作中に存在する書物の事をさす。本編第二章に出てくる予定。


追記: 次回より第二章開始

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